昔から「ブリーチし過ぎるとハゲる」「ブリーチは毛根が死ぬからヤバい」などの噂もあり、男女問わずハイトーンカラーが流行している現在、不安になっている方がいらっしゃいます。
結論から申し上げると、ブリーチをし過ぎてハゲるというのは嘘だとも言い切れませんが、将来的に必ずハゲる訳ではありません。実際にブリーチ後の抜け毛で毛量が減るため悩んでいる方も多いです。
そこで今回は、本当にブリーチをし過ぎるとハゲるのか、毛根が死ぬ・抜け毛が増えるという噂の真相を、髪の毛と頭皮のプロである発毛技能士が解説します！
ブリーチをし過ぎるとハゲる？成分を徹底調査！
ブリーチをし過ぎるとハゲるという噂は、はっきりと嘘だと言い切れません。
特に市販されているブリーチ剤を使っている方は、頭皮に負担が強くかかるため将来ハゲる可能性が高いです。
なぜなら、ブリーチに使われている薬剤はとても強く、日頃から使うことが多い美容師は手袋をしないと指の指紋が消えることもあります。
ブリーチの成分から、どのように脱色しているのか、髪の毛や頭皮に負担がかかってしまうのかを解説していきましょう。
ブリーチの成分①アルカリ剤
1つ目のブリーチ剤の成分は、アルカリ剤です。
主に、アンモニアやモノエタノールアミン、アルギニンなどが使用されています。
アルカリ剤が浸透すると髪の毛を膨張させ、キューティクルを開く作用とメラニン色素を分解するという2つの働きを持っている成分です。
次にご紹介する酸化剤の働きを促進するという大きな役割も持っています。
ブリーチの成分②酸化剤
2つ目のブリーチ剤の成分は、酸化剤です。
主に使われているのは過酸化水素水で、エタノールやオキシドールというと皆さんも聞き馴染みがあるかもしれません。
アルカリ剤が混ざった過酸化水素水は分解され活性酸素が発生し、より強くメラニン色素を分解し髪の毛を脱色します。
日本の美容院や市販されているブリーチ剤は、過酸化水素水の濃度が6％までと決められているものの、海外では12％まで許可されている国が多いです。
ブリーチの成分③脱色促進剤
ブリーチの成分3つ目は、ホワイトブリーチを希望する方や髪の毛にカラー染料が残っている方に使用される、脱色促進剤です。
主に過硫酸塩(過硫酸アンモニウムや過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなど)が使用されています。
過硫酸塩は過酸化水素の濃度を上げ、メラニン色素やカラー剤の染料の分解を高める作用をもつ成分です。
そのまま使用すると刺激が強いため、髪の毛を保護する成分やアミノ酸などが配合されている商品もあります。
ブリーチのし過ぎでハゲるのは本当？
ブリーチにはメラニン色素を分解して漂白する作用があり、その結果として髪の毛の色が明るくなります。
しかし、先述したようにブリーチ剤はとても強い成分です。
ネット上にも「ブリーチをしてからハゲた」「抜け毛がヤバい…」などの投稿があり、皆さん不安になっています。
ブリーチをし過ぎると将来ハゲるという噂が嘘だと言い切れない理由をご紹介していきましょう。
ブリーチのし過ぎで将来ハゲる理由：頭皮に強いダメージが加わる
ブリーチをし過ぎると将来ハゲるという噂が広まった理由の1つ目は、頭皮に強いダメージが加わるためです。
市販のブリーチ剤の使用や美容院で施術してもらっている時に、頭皮がピリピリしたり強い痛みを感じた方もいます。
特に根元からブリーチで明るくしている場合は、頭皮にブリーチ剤が付いてしまうこともあります。
また、美容師さんの技術や工夫不足だったり、時間を置くとブリーチ剤が膨張するため頭皮に刺激が与えられるケースも少なくありません。
ブリーチ剤の作用が強いものであるほど、刺激も強く髪の毛や頭皮に対するダメージが大きくなるので、将来ハゲると言われるのです。
ブリーチのし過ぎで将来ハゲる理由：頻度が高い
続いてのブリーチをし過ぎると将来ハゲるという噂が広まった理由は、施術の間隔が狭く頻度が高いことです。
ハイトーンカラーにしていると自毛の色が目立つため、それを嫌って短期間でブリーチをしていると頭皮へのダメージが蓄積されます。
厚生労働省が発表している安全データシートによると、濃度の高い過酸化水素水をウサギの皮膚に塗布した実験で、腐食性の壊死が起こったと記載されるほど作用が強いです。
また、アルカリ剤は角質を溶かす作用があり、さらに脱色促進剤を混ぜている場合は火傷のような症状があらわれることもあるので、頻度が高い方は注意しましょう。
ブリーチのし過ぎで将来ハゲる理由：刺激性接触皮膚炎
ブリーチをし過ぎると将来ハゲるという噂が広まった理由には、刺激性皮膚炎を起こすということもあります。
ブリーチをしている最中や帰宅後、数日後に赤みや水ぶくれが頭皮にできるなどの場合は、刺激性接触皮膚炎の可能性が高いです。
頭皮に傷があったりバリア機能が弱まっている方に起こりやすく、また脱色促進剤(過硫酸塩)に対するアレルギーで皮膚炎になるケースもあります。
過硫酸塩が使われているブリーチ剤で1度症状がでた方は、2度目以降の使用でアナフィラキシー反応の危険があるため、絶対に使用しないでください。
ブリーチのし過ぎで将来ハゲる理由：フケや抜け毛が増える
ブリーチをし過ぎると将来ハゲるという噂が広まった理由、続いてはフケや抜け毛が増えるからです。
本来弱酸性である頭皮は、ブリーチなど薬剤の影響でアルカリ性に近くなり、ターンオーバーのサイクルが乱れフケが増えてしまいます。
フケが増えると毛穴を塞いでしまうため炎症が起こりやすい状態になりますし、頭皮が薬剤の影響で乾燥し抜け毛が増えてしまうのです。
抜け毛が増えれば髪の毛が生えるサイクルに乱れが生じ、将来ハゲるのではと考える方が増えているのでしょう。
ブリーチのし過ぎで将来ハゲる理由：髪の毛が細くなる
ブリーチをし過ぎると将来ハゲるという噂が広まった理由として、髪の毛が細くなるため毛量が減ることも考えられます。
ブリーチは、アルカリ剤によってキューティクルを無理やりこじ開け、髪の毛の内部にブリーチ剤を入れてケラチンを分解しています。
そのため、キューティクルや内部が損傷して髪の毛を構成するタンパク質が流れ出し、ハリやコシが無くなってしまうのです。
また、何度もブリーチやヘアカラーを繰り返せば、頭皮の状態も悪化して毛穴が広がったり委縮し、髪の毛が正常に育ちにくくなって細い髪の毛が増えてしまいます。
ブリーチのし過ぎで将来ハゲる理由：発ガンのリスクがある
ブリーチをし過ぎると将来ハゲるという噂が広まった理由には、アメリカの研究で明らかになったヘアカラーにガンのリスクがあるというニュースもあります。
2019年と2020年に発表された論文によると、ヘアカラー剤や縮毛矯正剤には内分泌かく乱物質やホルモン活性化合物が含まれ、基底細胞ガンや女性の乳ガン・卵巣ガンのリスクが高まるとしているのです。
ガンになれば、抗がん剤治療の副作用で抜け毛が増えてしまいハゲるため、噂が広まったのでしょう。
将来ハゲるか不安なら専門家に相談しよう
頻繁にブリーチをしていて、将来ハゲるんじゃないか？と不安になっているのなら、ぜひ髪の毛と頭皮の専門家に相談してください！
毛量が減る、抜け毛がヤバい、頭皮がかゆい・痛いなどの症状がある場合は、将来的にハゲる不安をなくすためにも早い対処を行わないと、頭皮環境が悪化する恐れがあります。
現状を確認した上で、健康な髪の毛を育てる効果的な方法をお伝えしますので、悩んでいる方はお気軽にご相談ください。
ブリーチで毛根が死ぬ？噂の真相を解説！
「ブリーチをし過ぎるとハゲる可能性がある」ということがわかって頂けたかと思いますが、毛根が死ぬ、髪の毛が溶けるなどの噂もあります。
ブリーチと髪の毛についての噂に対する真相を解説していきますので、真相を知りたい方はぜひご覧ください。
ブリーチと髪の毛についての噂：「毛根が死ぬ」の真相
ブリーチと髪の毛についての噂、まずは「毛根が死ぬ」という噂の真相ですが、部分的にであれば可能性はあります。
ブリーチ剤が頭皮に付き、その箇所が火傷や炎症を起こして毛根まで届くような傷になると、瘢痕性脱毛症という状態になってしまうのです。
瘢痕性脱毛症になると、毛根自体が無くなってしまうため髪の毛は二度と生えません。
しかし、生えないのは傷跡になった場所だけです。頭部全体がハゲる訳ではないので安心してください。
ブリーチと髪の毛についての噂：「髪の毛が溶ける」の真相
ブリーチと髪の毛についての噂、続いては「髪の毛が溶ける」という噂の真相です。
毎月のようにブリーチしている方はもちろん、施術の間隔が長い方でもブリーチをし過ぎると本当に髪の毛が溶けます。
髪の毛は毛根にある毛母細胞が分裂と増殖を繰り返し、硬く固まったものです。
しかし、ブリーチをし過ぎると表面や内部がスカスカな状態になり、髪の毛を引っ張ると伸びたり切れたりしてしまいます。
この状態にまでなると、トリートメントなどではケアできず、カットするしかありません。
また、パーマをかけている方や以前パーマヘアだった方は、髪の毛が傷んでいるので溶けやすい傾向があります。
ブリーチのし過ぎによるハゲを防ぐ対策
髪の毛をブリーチしてヘアカラーを楽しむことは悪いことではありません。
しかし、将来ハゲることを不安視しているのであれば、ある程度の対策をしておくことが必要です。
できる限り髪の毛を大切にしつつ、おしゃれを楽しみたい方は、これからご紹介するブリーチのし過ぎによるハゲを防ぐ対策を行っていってください。
ブリーチのし過ぎによるハゲを防ぐ対策①ブリーチの頻度を下げる
1つ目のブリーチのし過ぎによるハゲを防ぐ対策は、ブリーチをする頻度を下げることです。
短期間に何度もブリーチを行うと、髪の毛や頭皮が傷んで毛根にある細胞に悪影響を与えてしまいます。
頭皮への影響を考えると、早くても1か月半ほどは空けるようにしましょう。
もう少し我慢できるという方であれば、3～4か月おきに行うと髪の毛や頭皮への負担を軽減できます。
ブリーチのし過ぎによるハゲを防ぐ対策②必ず美容院で行う
2つ目のブリーチのし過ぎによるハゲを防ぐ対策は、市販されているブリーチ剤を使わず、美容院でブリーチすることです。
美容師の方々は、ブリーチに使われる薬剤をお客様の頭皮や髪質によって調整し、できる限り傷まないようにしています。
また、ブリーチ剤を塗布する際も頭皮に付かないように、根元ギリギリを狙って施術するなどのテクニックがあるので、将来ハゲたくない方は必ず美容院で行ってください。
ブリーチのし過ぎによるハゲを防ぐ対策③根元までブリーチしない
ブリーチのし過ぎによるハゲを防ぐ対策、3つ目は根元までブリーチしないことです。
美容院での施術であれば避けられることが多いのですが、根元までブリーチをするということは頭皮にブリーチ剤が付くということになります。
冒頭でもお話した通り、ブリーチ剤はとても強い薬剤ですので頭皮に火傷や炎症が起こる危険性があります。
酸化剤の濃度が高いイギリスでは、美容院での施術でも頭皮にやけどを負い部分ハゲになってしまった女性のニュースがあるほどなので、根元は外してブリーチするようにしましょう。
ブリーチのし過ぎによるハゲを防ぐ対策④肌が敏感な時はブリーチをしない
続いて4つ目のブリーチのし過ぎによるハゲを防ぐ対策は、肌が敏感な時はブリーチをしないことです。
アトピーなど肌が弱い方は、事前に美容師さんに肌が弱いことを告げ、施術してもらいましょう。
頭皮にかゆみや吹き出物があったり、体調が悪い時、女性であれば妊娠や生理中など、肌が敏感になる時期があります。
こういった時は頭皮がしみたり痛みが出ることが多いですし、帰宅後に炎症を起こしたりして頭皮トラブルにつながるため、肌の調子を見極めてしみたり痛みが出たらすぐに美容師さんに伝えてください。
ブリーチのし過ぎによるハゲを防ぐ対策⑤頭皮ケアを行う
最後にお伝えするブリーチのし過ぎによるハゲを防ぐ対策は、しっかりと頭皮ケアを行うことです。
一言で頭皮ケアといっても、シャンプーやトリートメント、ドライヤーで乾かした後の保湿ケアなどさまざまあります。
まずシャンプーは、頭皮への刺激が少ないアミノ酸系やベタイン系のものを使い、優しく頭皮を洗ってください。その後は保湿効果の高いトリートメント剤を、毛先から中間までに使いましょう。
シャンプー後はできるだけ早くアウトバストリートメントをつけ、ドライヤーで乾かしたら頭皮用の保湿ローションを使用することもおすすめです。
ブリーチし過ぎで抜け毛がやばい！将来ハゲる？毛根が死ぬという噂の真相を解説
今回は、ブリーチをし過ぎると将来ハゲるのか？毛根が死ぬなどの噂が本当か嘘かの真相を解説いたしました。
ブリーチをすること自体、髪の毛や頭皮に負担がかかるため、し過ぎるとハゲる可能性はあります。
また、頭皮の状態や体質、女性特有のリズムなどによっては毛根が死ぬほどの傷が残るケースもあるので注意が必要です。
ブリーチをした後に毛量が減るほど抜け毛がヤバいという方は、髪の毛が細くなっていないか、また抜け毛ではなく切れ毛の可能性は無いかを確認してみましょう。
それでもまだ不安だという方は、髪の毛や頭皮の専門家まで相談していただければ、あなたに合った対処法をアドバイスいたしますので、ぜひお気軽にご連絡ください。
