数年前と比べるとおでこが広くなった、剃り込み部分が後退している、前髪がスカスカになる…など、前頭部の薄毛は自分でも気づきやすいものです。
当院にも、スカスカな前髪やM字部分の後退に悩み、多くの方が相談にいらっしゃいます。
そのため、どれほど前頭部の薄毛が多いか、薄毛治療薬や育毛剤・発毛剤の効果を実感できずに「治らない」と悩んでいる方が多いかを実感しているのが現状です。
本記事では、前頭部の薄毛が治らない原因、ミノキシジルに前頭部の髪の毛を増やす効果があるか、またおすすめの対処法を発毛技能士が解説していきます。
育毛剤・発毛剤を使っても前頭部の薄毛が治らない原因は?
鏡やガラスに映った自分の前頭部を見て、年々薄毛が進行していると気になってしまいますよね。
育毛剤や発毛剤を使っているのに、なぜ前頭部の薄毛が治らないのか?と不安を覚える方も少なくありません。
まずは、前頭部の薄毛がなかなか治らない原因を3つ、解説いたしましょう。
前頭部の薄毛が治らない原因①前頭部は5αリダクターゼが多い
前頭部の薄毛がなかなか治らないのは、前頭部にはAGAの原因物質とされる5αリダクターゼが多いからです。
5αリダクターゼはⅠ型とⅡ型があり、それぞれの特徴を表にまとめました。
5αリダクターゼの種類 | 存在部位 | 特徴 |
---|---|---|
Ⅰ型 | 全身の皮脂腺 側頭部や後頭部の毛乳頭細胞 |
皮脂の分泌量が増加 頭皮がベタつく・ニキビができやすい |
Ⅱ型 | 前頭部や頭頂部の毛乳頭細胞 脇・ヒゲ・陰部の毛乳頭細胞 |
頭部では成長抑制・脱毛促進 脇やヒゲ・陰部では発毛促進 |
ご覧いただいた通り、Ⅰ型は全身の皮脂腺や側頭部などの毛乳頭細胞に存在し、皮脂の分泌量に影響を与えています。
一方、Ⅱ型は前頭部や頭頂部の毛乳頭細胞に存在し、髪の毛の成長を抑制したり抜け毛を増やすという働きがあるものです。
髪の毛が薄くなるのに対し、体毛が濃くなってきたという場合は、Ⅱ型5αリダクターゼの活性度が高まり薄毛が進行していると考えられます。
前頭部の薄毛が治らない原因②前頭部は頭皮が硬くなりやすい
前頭部の薄毛がなかなか治らない原因には、頭皮が硬くなりやすいということもあります。
パソコンやスマホなどを長時間使用する方が増えたことで、瞬きをする役割を持つ眼輪筋が固くなります。
また、眉をひそめる時に使う皺眉筋もその影響を受け、前頭部の筋肉も凝ってしまうため硬くなりやすいのです。
頭皮が硬くなると血流が悪化し、髪の毛が成長するために必要な酸素や栄養が届かなくなるので、薄毛が治らない・髪の毛が細くなるなどします。
前頭部の薄毛が治らない原因③前頭部は毛細血管が少ない
前頭部の薄毛がなかなか治らない原因には、前頭部には毛細血管が少ないということもあります。
毛細血管は全身の約90%を占め、体の末端まで血液を届ける働きがあるのですが、20~30代をピークに40代では10%、50代では20%、60~70代になると30%もの毛細血管が減少してしまうのです。
髪の毛を作る毛乳頭細胞には毛細血管が酸素や栄養を届けるのですが、血管が減ると毛乳頭細胞が働けなくなり薄毛が治らない・髪の毛が生えなくなるなどしてしまいます。
前頭部の薄毛が治らない原因を知るなら専門家に相談
ここまで3つの前頭部の薄毛が治らない原因を解説しましたが、薄毛の原因は個人個人で異なる、また複数の原因が複雑に絡んでいることが多いです。
そのため、治療にもAGA治療薬が向いているのか、他の治療法が向いているのかで育毛・発毛できるかが変わってきます。
あなたのスカスカになった前髪、M字部分やおでこが後退していく原因を解明し、本当に効果がある治療法を知りたいなら薄毛の専門家に相談してください。
適切なアドバイスや治療に関する相談をいつでも受け付けています。
【前頭部の薄毛】ミノキシジルの育毛・発毛効果は?
育毛・発毛といえば、医療機関を受診しなくても、薬剤師がいるドラッグストアで市販されている、ミノキシジル配合の外用薬です。
ミノキシジルには血流を促進する作用の他に、細胞増殖・成長因子を増やす作用、そして毛細胞のアポトーシス(自死)を抑制する作用があると、さまざまな研究の結果が分かっています。
ミノキシジルに前頭部の育毛・発毛に効果があるのかを解説するので、前頭部の薄毛に悩んでいる方は参考にしてください。
前頭部はミノキシジルの育毛・発毛効果を得にくい
前頭部は頭皮が硬く、ミノキシジルが浸透しにくいため、育毛・発毛効果が得にくいと言われています。
また、前頭部の薄毛は5αリダクターゼが多く、ジヒドロテストステロン(DHT)の影響が大きいため、血流促進や毛母細胞の活性化だけでは育毛・発毛が難しいのです。
ミノキシジルを塗布するだけでは効果がない人もいる
ミノキシジルは育毛・発毛効果があるとされる第1類医薬品です。しかし、塗布するだけでは発毛を促す物質へと変換できない人がいるため、効果が現れないケースがあります。
毛根内に存在する硫酸転移酵素の量が少ないと、ミノキシジルがミノキシジル硫酸抱合体へと変化できず、育毛・発毛効果が期待できません。
現在、硫酸転移酵素を活性化する成分を増やす研究が行われているので、今後の臨床研究の結果によりミノキシジルの効果が高まる可能性があります。
スカスカな前頭部の髪の毛を増やす対処法
前髪がスカスカになった、M字部分やおでこが後退しているという方は、少しでも薄毛の進行を遅らせたり止めたりしたいですよね。
薄毛に悩んでいる方が前頭部の髪の毛を増やすために、日常生活の中でできる対処法を5つご紹介していきます。
当院では個人個人の薄毛の原因に合ったアドバイスを行っていますので、ご自身に合った対処法を知りたい方はぜひお気軽にご相談ください。
前頭部の髪の毛を増やす対処法:バランスの良い食事を摂る
前頭部の髪の毛を増やす対処法としては、栄養バランスの整った食事を摂取することが必要です。
栄養は生命維持に使われる器官や筋肉へと先に使われるため、髪の毛の元となる栄養や頭皮環境を適切にする食べ物などを積極的に食べましょう。
スカスカになった髪の毛を増やすために必要な栄養を含む食べ物、反対に悪影響を与える食べ物や食習慣はたくさんあるので、詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
前頭部の髪の毛を増やす対処法:生活習慣を改善する
前頭部の髪の毛を増やす対処法には、日頃の生活習慣を見直して改善することも必要です。
睡眠不足が続いている、運動の習慣がない、シャワーばかりで湯船に浸からないという方は、改善しましょう。
毛母細胞を活性化させる成長ホルモンは、入眠して最初に起こる深い睡眠時に多く分泌され、起床までに全身に運ばれます。スムーズに深い睡眠に入り、5~6時間はしっかり眠るようにしてください。
運動で筋肉を衰えさせず増やす、湯舟での入浴は全身の血流を促進しますので、できるだけ毎日行うことをおすすめします。
前頭部の髪の毛を増やす対処法:頭皮マッサージをする
前頭部の髪の毛を増やす対処法として、硬くなった頭皮を柔らかくするマッサージもおすすめです。
頭皮が柔らかくなれば、血流が促進され育毛・発毛効果が期待できるようになりますし、ミノキシジルなど育毛・発毛剤の浸透も高まります。
自己流で頭皮マッサージを行うと、毛細血管や頭皮を傷つける恐れがあります。正しい頭皮マッサージの方法は下記の記事で解説しているので、こちらもあわせてご覧になってください。
前頭部の髪の毛を増やす対処法:ヘアケア商品の成分や使い方を見直す
続いての前頭部の髪の毛を増やす対処法は、普段使っているヘアケア商品の成分や使い方を見直すことです。
シャンプーの洗浄成分が強すぎると、必要な分の皮脂を取り去り頭皮の乾燥を招きます。
また洗い方やトリートメント、育毛剤や発毛剤の使い方が間違っていれば、薄毛が進行してしまうので気をつけましょう。
シャンプーの選び方や適切な洗い方を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてスカスカな前髪や後退しているおでこ・M字部分を改善してください。
前頭部の髪の毛を増やす対処法:薄毛治療をする
最後にお伝えする前頭部の髪の毛を増やす対処法は、薄毛治療をすることです。
一言で薄毛治療といっても、前頭部がAGAで薄毛になった場合はAGA治療薬、また発毛サロンなどでも治療を行えます。
生活習慣や栄養不足などが原因で薄毛になった場合は、AGA治療薬では効果が出ないばかりか副作用で体に負担をかけてしまうので、適切な薄毛治療をするためにも専門家に相談しましょう。
前頭部の薄毛が治らない!ミノキシジルの効果や対処法まとめ
今回は、前頭部の治らない薄毛の原因、その対処法としてミノキシジルに育毛・発毛効果があるのか、ミノキシジル以外の対処法を解説いたしました。
スカスカな前髪やM字部分・おでこの後退は、AGAや頭皮の硬さ・血流不足が原因で、ミノキシジルは合う人には育毛・発毛効果があり、前頭部の髪の毛を増やすことができます。
しかし、ミノキシジルが浸透しにくいほど頭皮が硬い、発毛を促進する物質に変換できない方は育毛・発毛効果を得られない可能性が高いです。
前頭部の薄毛で悩んでいる方は、原因を解明してご自身に合った対処法を行うために、薄毛の専門家へご相談ください。