今回は海外の毛髪に関する論文を参考に面白い薄毛に関するデータが発表されていた為ご紹介致します。
今回紹介する論文データは、「合成した白檀(びゃくだん)の香りを毛包に存在する嗅覚細胞が感知して成長ホルモンであるIGF-1を分泌される」といったデータとなります。
薄毛治療の観点ではまだまだ実用性としては低いものの、白檀の香り自体にリラクゼーション効果があるため、是非参考にしてみて下さい。
白檀(びゃくだん)とは?

白檀自体は非常に日本と馴染みが深い植物であり、香木としても有名です。また仏教とも深い関わりがあり、数珠や仏像などの仏具にも使用される事があります。
白檀は別名サンダルウッドとも呼ばれ、甘さと上品さがある香りとされていることからでディフューザーとしても広く愛用されています。
この植物が発する香りに含まれる成分が、毛包を刺激して細胞を活性化させる事が示唆されているのです。
毛根が香りを感知して、髪の毛の成長を促す
今回の海外の報告は、『ネイチャー』系の雑誌『ネイチャーコミュニケーションズ』に掲載された研究報告です。ネイチャーは信頼性の高い研究雑誌として知られています。
この論文の内容としては、嗅覚を感知する細胞『OR2AT4』が髪の毛の成長を制御するという内容となり、OR2AT4は頭皮の毛包部分にある細胞が持つ受容体です。
毛包でも「香り」という刺激を受け取っていることを著者らは明らかにしています。内容としては、『合成サンダルウッドの香りは、OR2AT4受容体を特異的に刺激して成長因子であるIGF-1の分泌を促す。』ということが示唆されています。
サンダルウッドは天然ではなく、合成サンダルウッドであることもポイントであり、
この成分で刺激すると、毛包の角化細胞の細胞死が減少・成長ホルモンの分泌20~30%UPしたとのことです。
女性を対象にした臨床実験でも抜け毛予防の効果あり
白檀の香りが薄毛に対する効果を示す研究は、男性のみならず女性においても検証されています。ビャクダンの成分であるサンダロアにより抜け毛が減ったことが明らかとなっています。
20人の女性を対象として、人工サンダルウッドの成分であるサンダロア(アロマなどに使用される)の香りにより脱毛の減少が報告されています。
今後はより大規模な人数を対象に研究を進めていく予定となっております。
白檀によって分泌される成長因子(IGF-1)の薄毛への効果とは?
髪の毛は、ヘアサイクルといった循環を繰り返すことで生え変わりをしています。ヘアサイクルは「成長期⇒退行期⇒休止期⇒成長期・・・」といったサイクルを循環しています。
薄毛や抜け毛がひどい人は、このヘアサイクルが乱れて生じる可能性が高いです。通常成長期は男性が3~5年、女性が4~6年と言われています。しかし、薄毛の人はその成長期が数か月~1年になってしまう人もいます。
そのヘアサイクルの乱れを整え、髪の毛を成長させるのが成長ホルモン(Growth Factor)です。合成ビャクダンに含まれるサンダロア(サンダロール)がIGF-1と呼ばれる成長ホルモンの分泌を促します。
その結果、髪の毛が成長する期間が延長され、髪の毛の脱毛量が減少するといった原理となります。
まとめ
本記事に関しては、「サンダルウッドなどアロマオイルにも使用される成分が毛包刺激して成長ホルモンを分泌させる」ことを明らかにした論文をご紹介しました。
サンダルウッド(ビャクダン)はリラックス効果が非常に高いといて有名です。今後は、寝る時にアロマを焚いて寝ると快眠だけでなく、髪の毛にも効果が出るときが来るかもしれませんね。
医療技術の進歩とともに、薄毛治療の新たなアプローチ方法が次々と見つかってきております。常日頃、新しい知識や常識が変化するため、その情報をしっかりお客様にお伝えさせていただきます。
今回紹介した内容についてもまだまだ臨床研究の段階であり、薄毛を治すまでにはまだまだ力不足な点が多いことも事実です。
すでに薄毛や抜け毛でお悩みの人は、まずは薄毛の専門家にご相談ください。