AGA治療を既にされている方や、これから薄毛治療をしたい方の中で「今飲んでいるお薬が妊活や、妊娠中に問題ないのか?」そして「精子に対して問題はないのか」と不安になる方は少なくありません。
特にAGA治療薬の一つである「フィナステリド」は男性ホルモンを調整する働きがある医薬品で、女性にとっては触ることすらも禁忌とされているお薬で有名です。
そのため「子供も欲しいけど薄毛も気になるし…」と、AGAの治療で薬を飲む事を検討している方も多くいらっしゃいます。
そこで今回は、なぜAGAの治療薬(内服薬)が妊活に良くないと言われているのか?、体に与えるリスク・精子への影響など解説いたします。将来子供が欲しい方や、若くしてAGAの薬を検討している方は必見です。
動画でも併せて解説しております、是非ご覧ください↓
フィナステリドにはどのような成分が入っているの?
男性用薄毛治療薬として有名な「フィナステリド」。
では、そもそも「フィナステリド」とはどんな薬で、どのような成分が含まれているのでしょうか?
薄毛治療薬フィナステリドとは
男性用薄毛治療薬である「フィナステリド」は元々アメリカのメルク社が開発した抗アンドロゲン薬です。
薬を摂取することで男性ホルモンテストステロンが、AGAの原因である「ジヒドロテストステロン(DHT)」になってしまうのを防いでくれます。
このことから、DHTが発生しないことでAGAによる抜け毛の進行が遅くなり、「抜け毛が止まる」という現象がおきます。抜け毛が止まれば、髪の毛の毛量を維持することが出来るため薄毛治療薬と言われているのです。
抗アンドロゲン薬って?
「抗アンドロゲン剤」とは、男性ホルモンのはたらきを抑制するための薬の総称です。別名を男性ホルモン剤とも呼ばれています。薬のため、副作用がありますが、抗アンドロゲンのタイプと特定の作用によって変わり、人体の状態によって異なります。
フィナステリド実は違う目的の薬だった
世界でも薄毛治療薬として使用されているフィナステリドですが、実は元は高用量で「前立腺肥大・前立腺癌」に対して抑制的に作用するもので、薄毛治療薬としては使用されていませんでした。
ところが、患者が服用した際に髪の毛が増えたことによって薄毛治療薬としても使用されるようになったのです。しかし、高用量での前立腺の治療薬としては、安全性の面で一部日本では認可が下りていません。
※フィナステリドの人体への影響については、日本皮膚科学会のガイドラインで示されています。
参考:日本皮膚科学会ガイドライン2017(※2024年11月現在最新)
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
フィナステリドの成分
フィナステリドは基本的に内服薬のみで、日本では現在主に※ファイザー株式会社から出ていた「プロペシア」が医療機関でも処方してもらえるフィナステリド内服薬として多いでしょう。現在は他からもジェネリックのフィナステリド内服薬なども出ておりますが、正規の「ジェネリック」は安全性としては新薬と同じものになります。
プロペシア錠 0.2mg
販売名 | プロペシア錠0.2mg |
有効成分 | フィナステリド |
分量 | 0.2mg |
添加剤 | 結晶セルロース、乳糖水和物、部分アルファー化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、ジオクチルソジウムスルホサクシネート、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酸化チタン、タルク、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、カルナウバロウ |
プロペシア1㎎
販売名 | プロペシア錠1mg |
有効成分 | フィナステリド |
分量 | 1mg |
添加剤 | 結晶セルロース、乳糖水和物、部分アルファー化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、ジオクチルソジウムスルホサクシネート、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酸化チタン、タルク、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、カルナウバロウ |
フィナステリドの副作用は?併用禁忌薬はあるの?
現在日本ではプロペシアが一般的に有名ですが、プロペシアの他にも「フィンペシア」や「ザガーロ」といったフィナステリド内服薬が存在します。
★フィンペシア
「フィンペシア」は成分的にはプロペシアとあまり変わりありませんが、出している会社が異なり、安全性に違いがあります。プロペシアは日本で厚生労働省から安全性が認められていますが、フィンペシアは日本国内では承認されていないのです。そのため、個人輸入での服用となります。
★ザガーロ
ザガーロとは、主成分がフィナステリドよりも強い「デュタステリド」という成分で作られた薬になり、発毛の効果としてはフィナステリドの1.6倍ともいわれています。しかし、強い薬を飲んだからと言って絶対に生えてくるとは限らず、通常のフィナステリドであっても0.2mgと1㎎を飲み続けた臨床試験で発毛率に左程変化がなかったという結果も出ています。
フィナステリドの副作用は?
薬に副作用はつきもので、フィナステリド内服薬にも副作用はあります。
主な副作用は以下のようなものです。ただし、服用者全員に起こるわけではなく、1%の確率、つまり100人1人の割合で起こると言われています。
フィナステリドの副作用
- 性欲減退や勃起不全
- 射精障害
- 精液量の減少
- 睾丸痛
- かゆみ、じんましん、発疹
- 抑うつ
- めまい
また、もし薬の服用をこれから検討している方は、まずは他の対策方法を確認したり、少量のものから始め、自分に適切な量を確認しながら服用することが推奨されています。
フィナステリドの併用禁忌薬はあるの?
プロペシア錠には、現在併用禁忌薬はありません。
日本では成人男性のフィナステリドの服用量は最大1㎎までとされています。
そのため、何か不安なことがある場合はきちんと服用量を守り医療機関やかかりつけの医師に必ず相談することを強くお勧めします。
AGA治療薬は妊活中でも大丈夫?胎児に与える確率とは?
AGAの種類は大きく分けて飲むタイプである内服薬と塗るタイプである外用薬の2つ分かれます。
その中でも最も子供が欲しい夫婦に注意してほしいのが、内服薬です。内服薬には、今までご紹介してきた「フィナステリド」の他に、血管を拡張させる働きがあるミノキシジルタブレット、通称「ミノタブ」が存在します。
このお薬の中で特に注意して欲しいのがフィナステリドです。フィナステリド はAGAによって増える抜け毛の量を減らす効果があるとして、有効性も証明されていますが、副作用に精子数の低下や、奇形児が生まれてしまうリスクが懸念されています。
フィナステリドは女性には禁忌薬
薄毛治療薬として有効な「フィナステリド」ですが、前述通り女性は服用はもちろん、触れる事さえ絶対にしてはいけない禁忌薬となります。
触れることすらNGな理由としては、皮下吸収されるからです。内服薬であっても、粘膜に触れたりすることは良くありません。
例えば妊娠中の女性がフィナステリドやデュタステリドといった成分を含むAGA治療薬を服用すると、薬の作用で胎児の発達に影響が起きる可能性が考えられます。
男児を妊娠中にフィナステリドやデュタステリドを服用することで胎児のジヒドロテストステロン値が低下すると、生殖器などの発達に悪影響が起き、最悪の場合奇形児が生まれるといったリスクもあるのです。
フィナステリドが胎児に与える可能性は、限りなく低い
フィナステリドが妊婦に与えるリスクはどのぐらいあるのでしょうか?この検証結果は、お薬の添付文書に明記されています。
それがこちらになります。
男性型脱毛症患者にフィナステリド1mg を1 日1 回6 週間経口投与し、精液中濃度を測定したが、60%(35 例中21 例)でフィナステリドは検出されなかった。平均フィナステリド濃度は0.26ng/mlであり、最高濃度は1.52ng/ml *2) であった。 この最高精液中濃度を使用し、射精量1 日5mlとして、かつフィナステリドが100%吸収されるものと仮定すると、経膣吸収による人の曝露は最高7.6ng/日となり、これはアカゲザルの発育異常に対する無影響量の750 分の1 より低い。
少し分かりづらいかと思います。噛み砕いて説明すると、フィナステリド を毎日1錠を6週間(約2ヶ月弱)服用をした場合の精子にフィナステリドが含まれるか検証しています。
対象人数35名
- 精子中にフィナステリドなし:21名(60%)
- 精子中にフィナステリドあり:14名(40%)※)極めて微量
この14名のうち、膣内に吸収され、胎児に影響するリスクは、サル(人の代わり)の影響がない濃度の750分1となります。
フィナステリドを服用することによる胎児へ与える確率:限りなく0には近い。
臨床試験を元に算出すると、ほとんど影響としてはない。となります。とはいえ、検証例が35名と少ないこと・さらに胎児に対する影響を検証したのが人ではなくあくまでサルであることを考えると、フィナステリド の服用を妊活する6ヶ月ほど前には服用を中断することが好ましいです。
AGA治療薬のフィナステリドが精子の活動に与える影響とは?
フィナステリドが精子中に含まれる確率は、40%程度であり、これが実際に胎児に与える影響は限りなくゼロに近いことがわかりましたが、精子の活動(形・動きなど)に与える影響はどの程度あるのでしょうか?
多くのサイトでは、上記の「フィナステリドを飲んでも子供に与える影響は限りなく少ない」だけで終わってしまうことが多く、精子に対するダメージを加味していないケースが多いのでしっかりお伝えします。
精子の量の減少に関しては、米国に置いて1例あることから、1%未満の確率で服用することによって低下することが明らかとなっています。そのため、もしも妊活をする際は産婦人科で精子の検査をしてから精子に問題はないか確認してみることをお勧めします。
フィナステリド服用中に子供ができたら?
Q,夫がフィナステリド服用中に妊娠が発覚しました。胎児への影響は?大丈夫?
様々なサイトに、数多くのことが書かれており、結局大丈夫なのかそうでないのか不安な方も多いと思います。
結論から申し上げますと、フィナステリド服用中に妊娠が発覚した場合でも胎児への影響は低いと言えるでしょう。
なぜなら、フィナステリドが体をめぐり精液中に溶け込む量はごく微量な為、性交によって女性の体内に成分が伝わってしまうことは殆どないからです。
ちなみに精液を触ったり、飲んだりしても問題はないそうです。
ですから、フィナステリドを服用中の男性との間に子供ができても、とくに問題はないと言われています。
妊活するときは、AGA治療薬のフィナステリドの服用を控えた方が安全
これまで、AGA治療薬のフィナステリドが精子に与える影響をお伝えしましたが、与える影響は限りなく少ないもののゼロではありません。妊活をするときに、「子供への影響は大丈夫かな?」と少しでも不安になるようでしたら、一度服用を中断することをオススメします。
妊活は、お薬を使わなかったとしても奇形児が生まれてしまうリスクは多少なりともあります。そのため、お薬のせいで…と後悔しないためにも妊活を始める前に夫婦間で話してどのようにしていくか決めていくことが大切だと言えます。
まとめ・お薬によるリバウンドがしにくい薄毛治療
いかがでしたでしょうか?
今回はフィナステリド服用中に妊活・妊娠は大丈夫? 精子に与える影響について解説させていただきました。
妊活のために、お薬(フィナステリド)を辞めるとなると、せっかく生えてきた髪の毛が抜けてしまうリバウンド作用が不安になりますよね。このリバウンドが不安で子供の事を考えて服用を辞めたいけど、中々やめられないという方は少なくありません。
自分でケアしている方・既にお薬を飲んでいる方は、「妊活中は内服薬でなく外用薬に切り替えてみる」というのも選択肢の一つです。
内服薬より効果は劣るもののリバウンドによる抜け毛を緩和させる効果が期待できます。
実は、薄毛治療には内服薬を使用せず自毛を増やす方法もございます。
体の外(頭皮)と体の中を髪の毛が生える環境を整え、そこに育毛剤を導入して毛髪を生やす方法です。
当店ではこの方法を実施しており、ご自身の力で髪の毛を増やしていただいております。その結果、薬などの対症療法などの副作用を気にせず、髪の毛を増やすことを可能にしました。
実際の口コミが気になる人は下記のリンクもご一緒にぜひご覧になってみて下さい。
お薬のこと以外でも、薄毛・抜け毛に悩まれていらっしゃる方は当店に一度お気軽にご相談くださいね。