タバコは、「仕事のストレスから解放されるために必要。」「タバコでコミュニケーションが増えるタバコミュニケーションだ」などさまざまな理由でついつい喫煙してしまいがちです。
しかし、タバコの成分は健康被害だけでなく薄毛やハゲの原因にもなることをご存知でしょうか?最近、【髪の毛が気になってきた・ハゲてきたかも知れない】と感じた喫煙者は、タバコによる薄毛への影響によるものかも知れません。
そこで今回は、何故喫煙者の薄毛リスクが高くなるのか、タバコにある脱毛作用についてお伝えします。
私は、電子タバコだから大丈夫って安心している人は、「【電子タバコならハゲにならない説】を薄毛治療の専門家が検証してみた」を一緒に見て頂くと自分の生活を見直すきっかけになりますよ。
タバコはハゲる(薄毛)原因になる
結論からお伝えしますと、タバコは薄毛の原因になります。タバコにはフィルターがあるにしろ、体へ有害物質を取り込んでしまうのです。1回あたりの摂取量は微量としても、タバコを1日5~20本と毎日吸っているとどんどん薄毛のリスクを高めてしまうのです。
タバコには200種類を超える有害物質(ニコチンやタール、一酸化炭素、活性酸素など)が含まれているため、これらの作用によってハゲやすくなるのです。
これらの成分が、心肺機能の低下や血中に取り込まれて体への悪影響を及ぼします。もちろん。髪の毛や頭皮も例外ではありません。
ハゲるリスクが上がるだけで、喫煙者全員が薄毛になるわけではない
人によっては、タバコを吸ってもハゲていない人も当然います。
それはそうですよね。
タバコを吸う事によって肺がんのリスクを高めるのと同じで、タバコを吸うと薄毛になる可能性を高めてしまうということなのです。とはいえ、箱の横には、「たばこ警告表示」の記載が義務付けられているように、タバコが人体に及ぼす影響は大きいです。
喫煙したからといって、必ず薄毛になるわけではありません。ですが喫煙率と薄毛の発症率は比例関係にあり、喫煙者ほど薄毛である確率は増加します。なので、喫煙者の中に頭皮や髪の毛が少しでも気になる人がいたら、禁煙することをおススメします。
タバコによって薄毛や抜け毛が増える4つの原因とは?
慢性的にタバコを吸うことによって頭皮や髪の毛へ影響することはさまざまですが、喫煙による4つの影響により薄毛になりやすくなると言われています。
- 頭皮の毛細血管の収縮
- ビタミンCの消費
- 肝臓の機能低下
- 男性ホルモンの分泌促進
- 悪玉コレステロールの増加
これら5つの影響により、髪の毛の成長がしずらくなり薄毛の原因になると考えられています。
[1]頭皮の毛細血管の収縮
タバコに含まれるニコチンには、血管を縮小させ、血行不良状態にする働きがあります。この血管の縮小は、頭皮だけでなく、手足などの末端も血行が悪くなります。
髪の毛が成長するためには、毛根部分にある毛母細胞へ毛細血管が栄養を送らなければいけません。
しかし、タバコを吸うことでその毛細血管が縮小してしまい、栄養を髪の毛に与えることが出来なくなってしまうのです。
実際に喫煙を行うと、毛細血管の血流がどのように変化するのか検証した結果が下記の通りです。
いかかですか?
喫煙直後は、血管の縮小が始まり、血流が滞っているのが見受けられます。その後30秒経つと、徐々に血流が戻ってきていますね。このように、喫煙すると血行が悪くなり、頭皮に栄養を届けることが出来ず、薄毛の原因に繋がります。
[2]ビタミンの消費
タバコを吸うと大量のビタミンCが消費されます。これは、タバコの成分であるニコチンなどの有害物質を摂取すると、それらの有害物質から体を守るために免疫細胞が攻撃します。
その結果、体の中には大量の活性酸素が生成されます。活性酸素は、いわゆる「体のサビ」のようなもので老化など様々な悪影響を及ぼす物質です。この活性酸素を取り除くために消費されるのがビタミンCとビタミンEなのです。
ビタミンEは抗酸化作用が強く、活性酸素を多く取り除く役目があります。対してビタミンCはビタミンEを補助する力を持っています。タバコ1本吸うごとにビタミンCが25㎎消費されるため、喫煙者はビタミンCをタバコを吸わない人と比較して2倍もの量をとることが推奨されています。
このビタミンCとビタミンEは髪の毛を作る上でも重要な働きをしています。
ビタミンCの働き
髪の毛が生えている頭皮は3層構造をしており、【表皮⇒真皮⇒皮下脂肪組織】といった構造をしています。
この真皮には、頭皮の柔軟性を維持するために必要なコラーゲンが存在します。
このコラーゲンを作る材料としてビタミンCが必要なのです。
コラーゲンが不足すると、頭皮の保湿が出来ず、頭皮から過剰に皮脂が分泌してしまい、べたつく頭皮へと変化します。
その結果、頭皮環境が悪くなり、薄毛へと繋がります。
ビタミンEの働き
ビタミンEは、抗酸化作用があることで有名です。細胞が増殖する際には、その増える過程で活性酸素と言われる老化や細胞を傷つける物質が産出されます。
髪の毛が伸びるときに行われる細胞分裂も例外ではなく、髪の毛が伸びる際に活性酸素が作られます。
この活性酸素を取り除く働きをしてくれるのがビタミンEなのです。
また、ビタミンEには血管を拡張させる効果もあるため、毛根に多くの栄養を送ることを促進し、抜け毛を予防する効果も期待できます。
[3]肝臓の機能低下
肝臓は体に蓄積した毒素を処理してくれるだけでなく、食べたものを栄養へと変換してくれる重要な臓器です。
肝臓が元気だと、それだけで体内に毒素が蓄積せず、良質な栄養が供給できるのです。
もちろん肝臓が健康だと髪の毛にも良い栄養を与えることが出来ます。
この毒素を除くという部分がタバコと密接に関係しています。
タバコには数多くの毒素が含まれています。
タバコを吸っても元気な理由は肝臓が頑張って毒素を処理してくれるからなのです。
しかし、肝臓にも限度があります。何度も喫煙することにより、その処理に追われ、栄養への変換が出来なくなってしまします。
そのため、いくら食生活を改善しても肝臓が疲れていたら体へ良い栄養を供給することが出来ないのです。髪の毛へも例外ではありません。
[4]男性ホルモンの分泌促進
喫煙は、男性ホルモンを刺激し、女性ホルモンの働きを弱める働きがあります。そのため、体内のホルモンバランスにおいて男性ホルモンが相対的に増加しやすくなります。
結果、男性ホルモンが高まると、薄毛の原因物質でもある悪玉男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)の量も増加します。薄毛が気になっている人は「AGA【男性型脱毛症】の判定基準って?1分で出来る自宅で簡易チェック」にて自宅で確認してみましょう。
また、女性ホルモンのエストロゲンは髪の毛の健康を維持する上で重要な働きがあります。
エストロゲンは、髪が生える~抜ける周期であるヘアサイクルを整えることができます。逆にエストロゲンが減ってバランスが乱れると髪にうねりやパサつきが目立つことから始まり、1本1本が弱々しく細くなってボリュームの低下、薄毛(抜け毛)といった症状に繋がります。
[5]悪玉コレステロールの増加
タバコを吸い続けると、血中に悪玉コレステロールが増加しやすくなります。
すると、悪玉コレステロールを減少させる為にタウリンが生成されます。
タウリンの合成過程では必須アミノ酸であるメチオニンが使われてしまいます。
(メチオニンは髪の毛を構成するアミノ酸の中でも一番重要とされていて、髪の生育には必要なアミノ酸)
喫煙による悪玉コレステロール増加は必須アミノ酸であるメチオニンを消費させるため、その分栄養価が髪に行き渡らなくなり抜け毛の原因に繋がります。
また、悪玉コレステロールはの増加は動脈硬化のリスクを高める要因です。
動脈硬化が進行して血管内が狭くなると、血行不良になり、髪の毛に十分な栄養を届けることができなくなり、薄毛に繋がっていってしまいます。
喫煙をしながら薄毛や抜け毛を治すことは可能か?
当店では喫煙しながら、髪の毛を増やすことが出来たケースが多々あります。この場合は、タバコ以外の薄毛要因を徹底的に改善するだけでなく、施術の頻度を多くしてやっと髪の毛が生えてきてくれたという印象でした。9
タバコを吸いながらも生やしていきたい場合、タバコによって消費されてしまう栄養を多く補給することや、AGAの治療薬(フィナステリドやミノキシジル)などでより強い発毛力を与えていく必要があります。
フィナステリドやミノキシジルのについて詳しく知りたい人は下記の記事を参考にして下さい。
喫煙者が禁煙により薄毛が改善したケース
こんなケースもあります。その方はヘビースモーカーで最初の3か月タバコを辞めることが出来ませんでした。
3か月たっても薄毛改善の効果はイマイチでした。
しかし、その後禁煙することによって3か月で劇的に髪の毛が生えることに成功しました。
行ったことは、タバコを止めたことだけです。施術・生活習慣は変えていません。
もし薄毛で悩んでいる方でタバコを吸っている方がいましたら、髪とタバコのどちらが大事か、天秤にかけて判断することをお勧めします。
やっぱりタバコも大事!という人は専門家に相談して自分にあった薄毛治療を考え取り組んでみましょう。