額の生え際やM字部分、頭頂部などの薄毛を改善するために自毛植毛を行うと、どうしても気になってしまうのがかさぶたです。
自毛植毛後のかさぶたは、点状にできるため「一目で自毛移植をしたことがバレてしまう」「傷跡やかさぶたが気持ち悪い」など、ネガティブな声がネット上で散見されているのをご存知の方もいるでしょう。
本記事では、自毛植毛後にできるかさぶたを隠す方法やフケ・かゆみが起きないケアのやり方、かさぶたの綺麗な取り方も解説していきます。
かさぶたが取れるまでにかかる期間、自毛植毛でできた傷が治る経過・日数などが気になる方は参考にしてください。
なぜ自毛植毛の後にかさぶたができるのか?
医療の技術が進歩しているとはいえ、自毛植毛を行えば毛根を移植した場所はもちろん、ドナーとなる毛根を採取した場所にもかさぶたができます。
これは、メスやパンチ状のカッターを使い、毛根を採取・移植する際に頭皮に傷をつけてしまうからです。
まずは自毛植毛した後にかさぶたができる理由と意味、そしてできるだけかさぶたを減らす方法を解説していきましょう。
自毛植毛後にかさぶたができる理由:頭皮に傷ができ出血するから
なぜ自毛植毛後にかさぶたができるか、その理由は後頭部から毛根を採取する、また毛根を移植する際に頭皮に作る切り込みや穴状の傷から血が出るからです。
毛細血管を傷つけてしまうため、血が出ることは避けられません。また、傷ができると血液中の血相板や血液凝固因子が活性化し、固まって赤黒いかさぶたを形成します。
自毛植毛後にかさぶたができる理由:傷を治すために体液が出るから
なぜ自毛植毛後にかさぶたができるかというと、後頭部から毛根を採取する、また毛根を移植する際に作った頭皮の切込みや穴状の傷に、タンパク質や細胞成長因子などが含まれた体液が集まるからです。
血が止まっても、細胞が傷を治すために数日間は体液が滲みかゆみやフケ状のものが発生するため、正しいケアのやり方で移植株を抜いてしまわないようにしましょう。
自毛植毛後のかさぶたを減らす方法もある
自毛植毛後は傷から血や体液が出るため、かさぶたができてしまうのは必然です。しかし、少しでも かさぶたを少なくしたり小さくしたいと考える方は多いでしょう。
そういった方は、血が固まらないように患部をこまめに濡らし、洗い流すとかさぶたが大きくなるのを防げます。浴室などのシャワーは勢いが強いため、ミストのように濡らせるスプレーを使うのがおすすめです。
また、体液が出ている時も乾くと突っ張ったりする感覚になるため、こまめにスプレーで湿らせ綿棒などで優しく押さえるとかさぶたを減らせます。
自毛植毛した後のかさぶたを隠す方法4選
自毛植毛した毛根が定着するのは、かさぶたが綺麗に取れるまでの日数(2週間ほど)が目安です。
それまでの間、仕事や買い物などで外出するとなった場合におすすめの、かさぶたを隠す方法を4つご紹介していきます。
自毛植毛後のかさぶたを隠す方法:ヘアスタイルを工夫
自毛植毛した後のかさぶたを隠す方法の1つ目は、髪の毛が長い方限定になりますがヘアスタイルを工夫するというものです。
額の生え際やM字部分に植毛する場合は、自分の前髪を使ってかさぶたを覆うようにする隠し方ができます。
頭頂部の植毛の場合ですと、オールバックやコームオーバーですが、整髪料やクシで刺激しないよう注意しましょう。
自毛植毛後のかさぶたを隠す方法:少し大きめの帽子をかぶる
次におすすめの自毛植毛した後のかさぶたを隠す方法は、少し大きめの帽子をかぶることです。坊主頭にしてから自毛植毛を行った場合は、帽子以外に隠す方法はありません。
自毛植毛したばかりやかさぶたがある時は、帽子が当たると刺激になったり汗で感染症の危険性が出てくるため、傷やかさぶたに当たらないサイズで柔らかいものを選びましょう。
職場で帽子をかぶるのは難しいかもという場合は、ハチやブヨに刺された・ケガをしたなどという理由を作ると許可が得られるかもしれません。
自毛植毛後のかさぶたを隠す方法:かつら(ウィッグ)
続いての自毛植毛した後のかさぶたを隠すおすすめの方法は、かつら(ウィッグ)を利用することです。自毛植毛前に坊主にしていない方は、かつら(ウィッグ)が必須になるかもしれません。
移植毛を採取する際には、後頭部を刈り上げるケースがほとんどで、その部分にはヘアシートと呼ばれる部分カツラをつけることが多いです。
前髪や頭頂部を隠す髪に長さが足りない場合は、つむじがついた頭頂部から前髪までを隠せるかつら(ウィッグ)を利用することをおすすめします。
自毛植毛後のかさぶたを隠す方法:増毛スプレー
最後にお伝えする自毛植毛した後のかさぶたを隠すおすすめの方法は、ふりかけなどとも呼ばれる増毛スプレーを使うことです。
増毛スプレーを影になる部分の自毛植毛した場所に使うと、かさぶたが黒くなって目立たなくなりますが、人から見える部分に使うとバレバレなので注意しましょう。
また、かさぶたができるまでの経過期間や体液が滲む間は、増毛スプレーの成分が刺激になったり化膿する原因になるので使用しないようにしてください。
かさぶたが気になる自毛植毛より安全に髪を増やすなら
自毛植毛では頭皮に傷をつけるため、髪の毛が生えてくるまではかさぶたや赤みが気になってしまうものです。
加えて、自毛植毛した周りが薄毛になれば離れ小島という現象も起きるので、自毛植毛はAGA・薄毛を根本から改善するといえません。
本当に根本からAGA・薄毛を改善するというのは、本来の毛量を取り戻すことです。その為にも、ぜひ気軽にAGA・薄毛改善の専門家に相談してください。
自毛植毛した後のかさぶたのケア方法
自毛植毛した後にできたかさぶたは、丁寧にケアをしないと毛根が定着する前に抜けてしまう可能性があり、せっかく自毛植毛した毛根が無くなってしまいます。
また、ケアが適当だと感染症やシミになるリスクを高めてしまうので、正しいケアのやり方を覚えておきましょう。
自毛植毛後のかさぶたのケア:直接シャワーを当てない
自毛植毛した後にできたかさぶたの正しいケアのやり方、まず1つ目は直接シャワーをかさぶたがある場所に当てないことです。
シャワーの水圧でかゆみや痛み・赤みが増す、自毛植毛した毛根が定着しないなどの原因になります。
洗い流す際は、洗面器に溜めたぬるま湯に直接漬けたり手ですくってかける、水圧を弱めたシャワーをかさぶたと離した場所に当て、流れ落ちるお湯を使うなどしてください。
自毛植毛後のかさぶたのケア:かさぶたをこすらない
自毛植毛した後にできたかさぶたの正しいケアのやり方2つ目は、お湯などでふやけている時以外にかさぶたをこすったり引っ掻かないようにすることです。
かさぶたができるとかゆみがでたり、フケのように浮いてくるなどしますが、かさぶたがふやけていない時にこすると自毛移植した毛根を抜いてしまう恐れがあります。
寝ている時に枕などでこすってしまうケースも多いので、寝る時にはガーゼや包帯を使用したり緩めのナイトキャップを使って、できるだけ仰向けで寝るようにしましょう。
自毛植毛後のかさぶたのケア:日焼けをしない
3つ目の自毛植毛した後にできたかさぶたの正しいケアのやり方は、日焼けをしないことです。
自毛植毛をしたばかりでかさぶたができるような期間は、紫外線を吸収しやすく色素沈着が起こりやすい時期ですので、かさぶたや赤みが消えるまではしっかり日焼け対策をしましょう。
かさぶたに当たらないような大きさでつばのあるキャップやハットを使用する、タオルをゆるく巻くなどして紫外線に当たらないよう気をつけてください。
自毛植毛後の頭皮のかさぶたを早く取る方法3選と注意点
自毛植毛した後にかさぶたができると、かゆみがあったりフケと間違えられる、見た目が気持ち悪いなどして早く取りたくなってしまいがちです。
しかし、無理にかさぶたをはがしてしまうと治りが遅くなりますし、放っておいても自然にはがれるのでその時を待ちましょう。
かさぶたは傷ができた箇所をかさぶたが覆う事で、新しい皮膚の再生のために必要です。
一定期間は辛抱するのは覚悟しておきましょう。
とはいえ、かさぶたがあると痒みを生じたり、どうしても気になる方も多いのではないでしょうか。
そんな方のために、かさぶたを出来るだけ早く取る方法をご紹介いたします。
植毛後頭皮のかさぶたを早く取る方法①1週間は放置しておく
そもそもかさぶたが取れて、きれいな皮膚に戻るまでに時間がかかりますから、身体が皮膚の再生をしてくれている間は放置しておくことが一番の近道と言えるでしょう。
無理にかさぶたを剝がそうとすると、傷口が開いてしまったり、余計に血が出てしまったり、痛みを伴うなどかえって治りが遅くなっていきます。
最悪の場合無理にはがした傷口から細菌が入り、炎症などを起こしてしまう事で折角した植毛が抜け落ちてしまうなどのリスクがありますので、せめて1週間はそのままにしておきましょう。
植毛後頭皮のかさぶたを早く取る方法②かさぶたをふやかして優しくこする
よく濡らせば剥がしても良い、という訳ではなく、こちらも1週間は放置しておいてからの対策方法になります。
1週間放置してからは、かさぶたも少しずつはがれやすくなってきています。
そのため、お風呂に入る際にはかさぶたの部分をよく濡らしてみましょう。
よくお湯で濡らして、強くこすらずマッサージするように擦っていくと、ボロボロと自然にかさぶたが剥がれていきます。
爪やブラシで引っ掻く、ゴシゴシとこするなどは刺激が強く再度出血したり、毛根の定着率を下げてしまうので行わないでください。
1週間放置したけど、あまり自然に剝がれない時は?
触らずに1週間放置したのに、お湯で十分に濡らしても上手く剥がれない時は、まだかさぶたが治癒の役割を終えていません。あと数日間はそのままにしておき、再度試してみることが大切です。
植毛後頭皮のかさぶたを早く取る方法③すぐにシャンプーをしない
植毛後のかさぶたは、いわば傷ついた直後に薄い膜が張っているだけの状態。
そのため、シャンプーは2~3日控えておくことをおすすめします。
シャンプーなどの刺激になるものは、万が一傷口が開いてしまった際に染みて痛みが生じたり、化膿する恐れがあるからです。
化膿してしまったり、炎症が起きるとかさぶたが剥がれて治るまで、更に時間がかかってしまいます。
また、2~3日後であっても、シャンプー剤は水で薄めて霧吹きで患部に吹きかけ、優しく洗うようにしましょう。
かさぶたも取れ、しっかりとシャンプーで洗えるようになるまでは、お湯の温度もぬるま湯にすることが大切です。
もしくは、植毛を受けたクリニックなどの先生の指示に従う事が一番良いでしょう。
自毛植毛後のかさぶたが取れるまでには日数が必要
一般的にですが、自毛植毛後のかさぶたは毎日のシャンプーや寝具との擦れなどによって、おおよその日数ですが10~14日程度で全て取れてしまいます。
移植した毛根は、早い所だと3日程度、慎重なクリニックでは10~12日くらいで定着すると言われているので、それまではなるべく触らない方が無難です。
また、移植した髪の毛がかさぶたと一緒に抜けてしまうと「定着しなかったのでは?」と不安になる方もいますが、本来抜ける時期にあった髪の毛なので過剰な心配をしないようにしましょう。
事前に頭皮のかさぶたを防ぐ対策方法はあるのか?
結論から申し上げますと、メスを使い、切開をしたりした場合は必ず血が滲むため、かさぶたになる事はほぼ避けられず事前に防ぐ方法はありません。
しかし、かさぶたを少なく保つ方法はあります。かさぶたが少なければ治りも早くなるため、少ない方が良いですよね。
それは、施術後に滲む血をこまめに拭き取る事です。
温かい濡れタオルなどで、1日に3~4回くらいを目安に、優しくこすらずに拭き取りましょう。霧吹きや普通のタオルでも構いません。
血がかたまる前に拭き取る事で、かさぶたになる事を防ぎ、きれいな頭皮状態を保つことがかさぶたを少なくするコツです。
自毛植毛のかさぶたと一緒に髪が抜けるのは大丈夫?
かさぶたが取れ始めるときに皆さんが一番不安になるのは、かさぶたと一緒に髪が抜けた時です。
かさぶたが剥がれてくれても、一緒に髪までくっついているのを見ると、本当に薄毛は解消できるのだろうか?と不安になる方も多いでしょう。
しかし、この際の抜け毛に関しては心配しなくても大丈夫です。
一般的に自毛植毛をしたあと術後3~4日で髪の毛の組織が安定してきます。そのためその間の抜け毛は、また新しい髪の毛が生えてくる際の準備期間のようなものの可能性が高いでしょう。
万が一抜けてしまっても、「また生えてくるから大丈夫!」といった気持ちの持ちようが大切です。
自毛植毛後にできたかさぶたを隠す方法は?かさぶたのケア方法やきれいな取り方まとめ
今回は自毛植毛した後にできるかさぶたを隠す方法にケアのやり方、かさぶたのきれいな取り方などを解説しました。
かさぶたができるとかゆみが出ますし、フケに見えるなど悩まされる方もいますが、10~14日程度の一定期間が経過すればきれいにはがれていきます。
定着までの日数はクリニックにより異なりますが、おおよそ1週間~10日もすればかさぶたを優しくこすり取っても大丈夫でしょう。
自毛植毛にはかさぶたや赤みなどだけでなく、期待したほどの結果が出ないケースやショックロス、移植した場所の感覚麻痺などデメリットがあります。
まずはご自身の髪の毛が発毛可能か、専門家に相談して後悔しない選択をしてください。