若白髪の原因はストレスや遺伝だと言われ、見つけると抜く・染めるという方が多いですよね。しかし、近年では「若白髪の人は心臓病で早死する」という説が広まっています。
まるで都市伝説のような説ですが、実は医学的な研究結果を見ると、到底嘘だと言い切れないということがわかりました。
本記事では、若白髪は本当に心臓病で早死する前兆なのか、また若白髪が多い人の特徴に加えて増やさない方法や治し方を解説していきます。
若白髪は心臓病で早死する前兆って本当?
若白髪とは、一般的に白髪が増えてくる35歳前後よりも早く、10~20代の若者に数本~数十本の白髪が生えてくることを指します。
これまでは「遺伝だから仕方ない」「薄毛になるよりマシ」という声や、若白髪を見つけたら目立たないように抜く・染めるといった方法をとってきた方もいるでしょう。
しかし、近年の臨床研究で若白髪がある人は心臓病のリスクが高く、早死する可能性があると考えられるようになったのです。
若白髪が心臓病のリスクを知らせている可能性
2014年以降、心臓病の学会や医学雑誌などで「若白髪の男性は心臓病のリスクが高く早死の可能性がある」といくつもの論文が発表されています。
2023年にインドのレディハーンジ医科大学より発表された論文では、対象者の人数が少なかったものの心血管リスクマーカーに異常が認められたため、若白髪の患者にはより精密な検査や経過観察を行うそうです。
また、エジプトのカイロ大学医学部が発表した論文によると、若白髪が多い人は心臓病の中でもアテローム性動脈硬化性のリスクが高まると発表しています。
動脈血管の中に脂肪(コレステロールなど)でできた粥状の物質や白血球などが付着し、蓄積されて血管内部が狭くなり柔軟性が失われてしまう病気です。
最も一般的な動脈硬化のパターンで、高血圧症や糖尿病、肥満・運動不足・喫煙などがアテローム性動脈硬化の危険因子とされています。
若白髪は心臓病になるリスクが約5倍上がる
こちらは2017年にインドで発表された研究結果なのですが、AGA(男性型脱毛症)と若白髪は40歳未満の心臓病リスクが5倍以上高くなるとしています。
この研究結果を発表した国連メータ心臓病研究所・研究センターによると、これまで危険因子だとされていた高血圧や肥満・脂質異常症や喫煙よりも、AGAや若白髪の方が心臓病に罹患するリスクが約5倍以上も高くなったそうです。
しかし、現在でも若白髪が心臓病のリスクを高める正確な理由が解明されていないため、今後の臨床研究が注目されています。
あなたの白髪は若白髪?別の影響による白髪かをチェックしよう!
10~20代の方に白髪が増えたからといって、一概に心臓病のリスクを高め早死するとは言い切れません。白髪が増えてしまう理由には栄養や生活習慣・ストレスなど、原因がさまざまあるからです。
ご自身の若白髪が心臓病のリスクを高めるものなのか、または不摂生やストレスなど別の原因があるかを専門家に相談してみませんか?
白髪の本数を減らしたい、心臓病やその他疾患のリスクがあるかを知りたいという方は、ぜひ私共へ気軽にご相談ください。
若白髪が多い人の特徴を5つ解説
白髪が生えるにはまだ早い、10代や20代の方でも若白髪に悩む人が増えているということは、若白髪の原因が遺伝だけではないと証明されているのではないでしょうか。
世界的にも有名な科学雑誌のNatureにも白髪の遺伝率は髪や肌の色などと比べて最も低いとあります。
若白髪が多い人の特徴にはどのようなものがあるのか解説いたしますので、今後若白髪を増やしたくない方もぜひ参考にしてください。
若白髪が多い人の特徴①:ストレス過多な状態である
若白髪が多い人の特徴として、人間関係や気温差、タバコや公害物質などさまざまなストレスが過剰になっているというものがあります。
これらのストレスによって、自律神経のバランスが乱れ活性酸素が増加して血流を悪化させるため、髪の毛の成長に悪影響があるのです。
自律神経の乱れが起きて交感神経が過剰に働くと、髪の毛を黒く色づけるメラノサイトという細胞が過剰に働くため、色素が枯渇して白髪が増えるという研究結果もあります。
若白髪が多い人の特徴②:必要な栄養が不足している
若白髪が多い人の特徴2つ目は、メラニン色素の材料として必要な栄養が不足しているというものです。タンパク質やビタミン、ミネラルは髪だけでなく体を作るもとになるので、バランスよく摂取する必要があります。
特に、アミノ酸(タンパク質)の1種であるチロシンはメラニンの材料となり、メラニンの合成には銅が必要なのですが、これらは一般的な食生活であれば基本的に不足する心配はありません。
ただし、ジャンクフードやファストフードばかり食べている、過度のダイエットをしているなどの場合だとチロシンや銅が不足することもあるので気をつけましょう。
若白髪が多い人の特徴③:睡眠が不足している
続いての若白髪が多い人の特徴、3つ目は睡眠不足になっているというものです。勉強や仕事・家事に遊びなど、若いうちは睡眠不足でも元気に動けてしまうのですが、体内ではダメージを蓄積しています。
起きている間に受ける細胞のダメージは、睡眠中に分泌される成長ホルモンによって修復されます。しかし、睡眠の質が低下していたり睡眠時間が短いと修復できないため、メラノサイトも働けなくなってしまうのです。
さらに、睡眠不足が続くと自律神経のバランスが乱れ、メラノサイトを枯渇させるほど過剰に活性化させてしまい、白髪が増えるという負のスパイラルを発生させてしまいます。
若白髪が多い人の特徴④:スマホやパソコンを見過ぎている
4つ目にご紹介する若白髪が多い人の特徴は、スマホやパソコンの使いすぎによる眼精疲労です。近距離で長時間スマホの画面を見続けると、目の周りの筋肉が固まって血行が悪くなってしまいます。
さらに、多くの方はうつむきがちな姿勢でスマホを見ていることが多いのですが、首や肩の筋肉に負荷がかかって血流が悪化するため、頭部まで十分に血液が運ばれなくなるのです。
眼精疲労は睡眠の質を低下させる、活性酸素の増加にもつながってしまうため、若白髪で悩んでいる方はスマホやパソコンを使う際の姿勢や時間に注意してください。
若白髪が多い人の特徴⑤ホルモンバランスが乱れている
5つ目に若白髪が多い人の特徴は、ホルモンバランスが乱れている方です。
特に思春期や更年期といったホルモンバランスが不安定になる時期は、体内のホルモンバランスが大きく変化し、髪の毛を黒くするメラニンの生成に影響を与えることがあります。
メラニンは髪の色を決定する重要な色素ですが、ホルモンバランスが崩れるとその生成が妨げられ、その結果白髪が増えやすくなります。
若白髪を増やさない治し方を解説
若白髪は周りの髪色が黒いと目立つため、抜くという方も多いでしょう。昔から「白髪を抜くと増える」と言われていますが、実際に抜いても増えるわけではありません。
しかし、抜くという行為を何年も続けると毛根が損傷し、薄毛になる危険性があるので抜くのはやめましょう。
若白髪を抜くよりも効果的な、若白髪を増やさない治し方をご紹介していきますので、こちらを参考に白髪を減らしていきましょう。
若白髪を増やさない治し方①:メラニン色素の材料になる栄養を摂取する
1つ目の若白髪を増やさない治し方は、メラニン色素の材料となるタンパク質(チロシン)や銅を含むミネラル、またビタミン類をバランスよく摂取することです。
チロシンなどアミノ酸はタンパク質から作られるため、卵や魚・肉類をはじめ大豆製品は欠かせません。銅や鉄などのミネラルは、体内で生成できないので食べ物から摂取しましょう。
海藻に含まれるヨードはメラノサイトの働きを活性化しますが、食べ過ぎると甲状腺機能を低下させる恐れがあるので注意してください。
若白髪を増やさない治し方②:ストレスはためずに発散する
若白髪を増やさない治し方の2つ目は、ストレスをためずに発散することです。前述した通り、ストレスは交感神経を活発化してノルアドレナリンという神経伝達物質を過剰に発生させます。
ノルアドレナリンが色素幹細胞を活性化すると、メラニン色素を作るメラノサイトに変化します。これが、過剰に発生してしまうと色素幹細胞が枯渇してしまうため、メラノサイトが生成できなくなるのです。
色素幹細胞は枯渇してしまうと再生できないため、その前に自律神経のバランスを整えるよう頭皮マッサージやストレッチなど軽い有酸素運動をする、笑ったり泣いたりしてストレスを発散しましょう。
若白髪を増やさない治し方③:質の良い睡眠をとる
最後にご紹介する若白髪を増やさない治し方は、質の良い睡眠をとることです。睡眠は活動時に受けた体内のダメージを修復したり疲労を回復させる働きをしているため、色素幹細胞を守るためにも質の良い睡眠が不可欠です。
また、睡眠時間が6時間未満だと心臓病の有病率が上がり、4時間未満のショートスリーパーだと心臓病の有病率は8時間睡眠の人の2倍にもなります。
若白髪を治すため、さらに心臓病のリスクを下げるためにも質の良い睡眠をとるようにしてください。
若白髪は早死の前兆?心臓病になるリスクや若白髪が多い人の特徴・治し方まとめ
今回は若白髪は心臓病になるリスクが高く早死の前兆なのか?若白髪が多い人の特徴や今以上に増やさない治し方を解説しました。
実際にさまざまな研究により、若白髪は心臓病のリスクがあると分かりましたが、早死するかは治療により変わるでしょう。また、白髪は抜くよりも染める方が、将来的な薄毛のリスクを下げます。
若白髪が多い人の特徴に当てはまる方でも、治し方次第で若白髪の量を減らせるので、ご自身に合った治し方のアドバイスを専門家に相談してみましょう!