自分の部屋に髪の毛がポロポロと落ちているのを見て「こんなに抜けるのは病気だろうか?」と心配になっていませんか?
結論から言うと、髪の毛がポロポロと抜ける原因には病気の前兆やヘアサイクルの異常などが疑われ、何らかの脱毛症を引き起こしている可能性があります。
この記事では、危険な抜け毛や脱毛症の種類と、髪の毛が異常に抜ける原因を解説するので、薄毛が不安な方もぜひ参考にしてみてください。
髪の毛がポロポロ抜ける原因は病気?
普段よりも髪の毛がポロポロと抜けるようになると、誰でも心配になってしまうものです。
本来、髪の毛は自然なサイクルで抜けるようになっていますが、場合によっては病気が原因で抜け毛が増えているケースもあるので注意が必要です。
まずは、髪の毛がポロポロと抜ける原因やヘアサイクルの仕組みにといった、基本情報から確認していきましょう。
病気によって髪の毛がポロポロ抜ける場合もある
以前と比べて髪の毛がポロポロと抜けることが多くなった場合に、何らかの病気が進行している可能性があります。
男性型脱毛症のAGAを始めとして、鉄欠乏性貧血・新型コロナウイルス感染症による症状や、服用する薬の副作用で髪の毛が抜けることがあります。
抜け毛は自然なものと危険なものを見分ける必要があり、病気などの危険性が疑われる場合は専門家のアドバイスや治療が必要となるでしょう。
正常なヘアサイクルによる抜け毛の仕組み
正常な髪の毛は約3年~6年ほどかけて成長し、成長が止まると自然に抜け落ちて、新しい髪の毛が生えるというサイクルを繰り返しています。
そのため、健康な頭皮環境でも1日に50本~100本程度の抜け毛は普通に起こっているので、抜け毛そのものを過度に恐れる必要はありません。
しかし、何らかの理由でヘアサイクルが乱れると、細く短い未熟な抜け毛がポロポロと増え始めるので注意が必要です。
異常な抜け毛はヘアサイクルの乱れが原因
食生活の偏りや病気などでヘアサイクルが乱れると、異常な抜け毛が増え始めます。
頭皮の環境が悪化して血流が滞ると、毛根に栄養素が届かず未熟な髪の毛が生えるようになり、抜け毛の量も段々と増えてくるでしょう。
明らかに抜け毛の量が増えたり、髪の毛が細く弱々しくなったなどの変化を感じている場合は、危険の前兆である可能性が高いです。
毛周期 | 期間 | 特徴 |
---|---|---|
成長期 | ・男性は3年~5年 ・女性は4年~6年 |
・毛母細胞が活発に細胞分裂する ・髪の毛が成長する |
退行期 | ・約2週間~3週間 | ・髪の毛の成長が緩やかになる |
休止期 | ・約2ヶ月~3ヶ月間 | ・髪の毛の成長が止まる |
髪の毛が異常に抜ける危険な抜け毛の特徴
健康な方でも抜け毛は起こりますが、ポロポロと異常に抜ける場合はヘアサイクルが乱れている可能性があります。
ここからは、正常な抜け毛と危険な抜け毛を見分ける3つのポイントを解説していくので、抜け毛の量でお悩みの方はぜひチェックしてみてください。
- 1日に200本以上抜ける
- 短く細い髪の毛が抜ける
- 毛根に異常が見られる
危険な抜け毛①:1日に200本以上抜ける
髪の毛が1日に200本以上抜ける場合は、頭皮や髪の毛に何らかの異変が生じている可能性があります。
抜け毛が200本以上ある時はヘアサイクルが乱れている可能性が高いので、食生活のバランスや生活習慣の見直しについて考えてみる必要があるでしょう。
危険な抜け毛②:短く細い髪の毛が抜ける
短く細い髪の毛が抜ける場合は、毛根に栄養がしっかりと届いておらず、成長サイクルが短期化している恐れがあります。
髪の毛の根っこにある毛母細胞の活動が低下している証拠であり、人によってはAGAなどの脱毛症が既に進行している可能性もあるでしょう。
危険な抜け毛③:毛根に異常が見られる
正常な抜け毛の根本には白くて丸みを帯びた毛根が付いていますが、毛根の形に異常が見られる場合は要注意です。
毛根の色が黒い・毛根がない・ベトベトした皮脂や血が付いている場合、毛根の成長サイクルや頭皮環境に何らかの異常が発生している可能性があります。
- 毛根がない
- 黒い毛根
- いびつな形状の毛根
- 皮脂や血が付着した毛根
危険な抜け毛は原因を正しく特定しないと改善できない
危険な抜け毛を改善するには、原因を正しく特定して適切な治療を受ける必要があります。
しかし、一般の方が自力で原因を特定することは難しく、仮に原因が病気であった場合などには取り返しがつかなくなることもあるでしょう。
当店では専門のスタッフが一人一人の状態に合わせたアドバイスや治療を行っているので、小さなお悩みでもお気軽にご相談ください。
7種類の脱毛症の特徴を解説
髪の毛がポロポロと異常に抜ける場合は、何らかの脱毛症を引き起こしている可能性があると解説しましたが、性別や脱毛症の種類によって抜け方の特徴が異なります。
ここからは7種類の脱毛症の特徴を解説していくので、ご自身に当てはまる項目があるかどうかをチェックしてみてください。
脱毛症の種類 | 髪・頭皮の状態 | 主な原因 |
---|---|---|
AGA (男性型脱毛症) |
・生え際の髪が薄い ・頭頂部の髪が薄い |
・男性更年期 ・ストレス ・睡眠不足 ・食生活の乱れ ・紫外線ダメージ |
FAGA (女性男性型脱毛症) |
・細い髪が多い ・全体的に薄い |
・ホルモンバランスの乱れ |
円形脱毛症 | ・円形や楕円形に薄くなる | ・自律神経の乱れ ・免疫疾患によるもの |
脂漏性脱毛症 | ・頭皮に炎症がある | ・皮脂が過剰分泌している |
休止期脱毛症 | ・短い・細い抜け毛が増えた ・半年以上のペースで進行する |
・ホルモンバランスの乱れ ・強いストレス ・貧血 ・栄養不足 ・内蔵の機能障害 |
圧迫性脱毛症 | ・生え際の髪が薄い ・頭頂部の髪が薄い |
・ヘルメットや帽子の長時間着用 ・硬い枕の使用 ・強い力での頭皮マッサージ |
牽引性脱毛症 | ・こめかみやおでこの髪の毛が薄くなる | ・髪の毛を引っ張る髪型 ・頭皮に負担を与えている |
脱毛症の種類①:AGA(男性型脱毛症)
AGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモンの影響によって毛根が小さく・弱くなることで起こる脱毛症です。
生え際が後退しておでこが広くなったり、つむじ周辺の髪の毛が薄くなってボリュームが減るなど、一般的にイメージされる脱毛症と言えるでしょう。
脱毛症の種類②:FAGA(女性男性型脱毛症)
FAGA(女性男性型脱毛症)は、Female(女性)のAGAという意味を持っており、抜け毛が増えたり分け目が薄くなるといった症状が現れます。
男性のように生え際がM字型に後退することはありませんが、頭頂部や分け目のほかにも、全体的に髪の毛がボリュームダウンするのが特徴です。
脱毛症の種類③:円形脱毛症
円形脱毛症は、頭頂部・こめかみ・後頭部などに、硬貨サイズの脱毛斑が1個から複数個発生するのが特徴です。
人によっては複数の円形脱毛が繋がって広範囲に渡ることもあるほか、髪の毛以外の眉毛や陰毛など全身に症状が現れる場合があります。
脱毛症の種類④:脂漏性脱毛症
脂漏性脱毛症は頭皮から皮脂が異常に分泌されることで頭皮環境が乱れ、正常な髪の毛が育ちにくくなることで起こります。
頭に湿疹ができてかゆくなったり、脂で湿ったフケが多く出るようになっている場合は、脂漏性脱毛症を発症している可能性があるでしょう。
脱毛症の種類⑤:休止期脱毛症
休止期脱毛症は、髪の毛全体が徐々にもしくは速いスピードで抜けていくのが特徴的です。
鉄欠乏性貧血・甲状腺の病気が原因として挙げられるほか、手術後など体力が著しく消耗している時に起こりやすいとされています。
休止期脱毛症は原因として考えられる要素が多く、一般の方が自分で特定することは困難であるため、専門家による診断やアドバイスが必要となるでしょう。
脱毛症の種類⑥:圧迫性脱毛症
圧迫性脱毛症は、常にヘルメットや帽子を被ることで頭皮が圧迫され、血流の悪化により髪の毛が弱くなるのが抜け毛の原因です。
外部からの影響が原因で起こる脱毛症なので、ヘルメットや帽子を被る頻度を減らしたり、締め付け過ぎないようにすることで改善される可能性があります。
脱毛症の種類⑦:牽引性脱毛症
牽引性脱毛症は女性に起こりやすい症状で、毎日髪の毛を結ぶことで生え際や分け目に負担がかかり、抜け毛や切れ毛が増えるのが特徴です。
AGAやFAGAのようにホルモンの変化を原因とする脱毛症ではないため、年齢や性別に関係なく発症する可能性があります。
髪の毛が異常に抜ける危険な抜け毛の7つの原因
髪の毛がポロポロと抜ける脱毛症の種類と特徴を解説しましたが、抜け毛が増える原因を知りたい方も多いはずです。
最後に、危険な抜け毛の原因を7つのパターンに分けて解説していくので、対策を考える上での参考にしてみてください。
- 頭皮環境の悪化
- 栄養不足
- ストレス
- 季節性の抜け毛
- 加齢によるもの
- 更年期障害
- 病気の疑いがある
原因①:頭皮環境の悪化
運動不足や睡眠不足、過度な喫煙や飲酒といった生活習慣の乱れは、頭皮環境の悪化を招くため抜け毛が増える原因になります。
美容院でのカラーやパーマも頭皮や髪の毛への負担になるため、頭皮にかゆみや湿疹が出ている時などは控えた方が良いでしょう。
原因②:栄養不足
髪の毛を作るための栄養が不足している場合も、ハリやコシのない弱々しい髪の毛になってしまいます。
そのため、肉や魚などから摂れるタンパク質や、亜鉛などのミネラルのほか、ビタミンや鉄分などをバランスよく摂取する必要があるでしょう。
髪の毛を作るのに必要な栄養素と食材を下記にまとめているので、無理のない範囲で日々の食事に取り入れてみてください。
栄養素 | 働き | 主に含まれる食品 |
---|---|---|
たんぱく質 | 髪を作るために必要 | 肉・魚・卵・チーズ・納豆・豆腐 |
ビタミン | 細胞活性化・増殖に必要 | いわし・レバー・トマト・ブロッコリー・きのこ |
ミネラル | 髪の成長を促進する | 牡蠣・カシューナッツ・アーモンド |
原因③:ストレス
仕事や家事・育児などの日々のストレスが蓄積されると、抜け毛や脱毛症が進行する恐れがあります。
抜け毛の本数を毎日数えたり、鏡で薄くなった部分を確認し続けることも、ストレスが溜まる原因になってしまうでしょう。
気持ちが軽くするためにも、ストレスや不安を身近な人に話したり趣味の時間を増やすようにするなど、自分なりのストレス解消法を実践することも大切です。
原因④:季節性の抜け毛
季節の変わり目に体調を崩す方が多いのと同様に、気温の変化による自律神経への影響などで抜け毛が増えることがあります。
春は会社や学校など環境の変化によるストレスが増えやすく、夏は紫外線による頭皮へのダメージが増えるなど、季節性の抜け毛には様々な原因があります。
冬場は頭皮が乾燥して過剰に皮脂が分泌されることもあるので、ご自身の体調や体質を見ながら適切なケアを行う必要があるでしょう。
原因⑤:加齢によるもの
加齢によって毛根にある「毛母細胞」の活動力が落ちると、次第に髪の毛が細くなって抜け毛が増えていく傾向にあります。
誰にでも加齢は訪れるので、食生活の見直しや睡眠の質を改善するなど、少しでも頭皮を健康に保つ習慣を取り入れていくことが重要になるでしょう。
原因⑥:更年期障害
更年期障害はホルモンバランスの変化が原因で起こりますが、症状には抜け毛も含まれています。
ヘアサイクルの乱れによって髪の毛の成長期間が短くなるほか、コラーゲンの減少で髪の毛が細くなるなど、頭皮や髪の成長に大きな影響を及ぼすことが原因です。
更年期障害の症状には個人差がありますが、飲み薬の服用などで抜け毛を治療することは可能なので、まずは専門のクリニックを受診してみてください。
原因⑦:病気の疑いがある
記事の前半でも解説しているように、何らかの病気が原因となって抜け毛が進行している可能性もあります。
病気だけが原因となっている訳ではなく、病気に伴うストレスや生活習慣の乱れも含めて、様々な要因が複雑に絡み合っているケースも少なくありません。
抜け毛以外の体調不良や気分の落ち込みなどがある場合は、病気が隠れている可能性も疑ってみた方が良いでしょう。
抜け毛を伴う病気 | 抜け毛の状態 | 病気としての症状 |
---|---|---|
膠原病 | ・人により部分的、全体的に脱毛する | ・血管、皮膚、内蔵が炎症を起こす |
バセドウ病 橋本病 |
・円形脱毛 | ・倦怠感 ・筋力が低下する |
鉄欠乏性貧血 | ・抜け毛が細い、短い | ・動悸 ・めまい、立ちくらみ |
梅毒 | ・まだら状、複数の円形脱毛 ・人により全体的に脱毛する |
・発熱 ・喉が痛む |
新型コロナウイルス感染症 | ・一時的に髪全体がボリュームダウンする | ・人により発熱、咳、頭痛、喉の痛みが生じる |
異常に髪の毛がポロポロと抜ける理由とは?抜け毛がある危険な病気の種類まとめ
この記事では、髪の毛がポロポロと抜ける原因や、異常な抜け毛に繋がる危険な病気についてお伝えしてきました。
誰にでも自然な抜け毛は起こるものですが、抜け毛の本数が多かったり毛根や髪の毛の状態に異常がある場合は、何らかの脱毛症になっている可能性があります。
抜け毛は原因を正確に特定して適切な治療を行うことが改善の近道なので、お困りのことや心配な点があればぜひ当店へ気軽にご相談ください!