男性型脱毛症(AGA)は、既に知らない人はいないほど有名になりました。「AGAには薬が必要」「AGAは病院で」といったフレーズをよく耳にしますが、AGA治療を薬を使用して治すデメリットはご存知ですか?
現在のAGA治療の主流は、「1日1錠内服薬を服用して治療する」です。確かに、楽だし、簡単です。更には月々5000~6000円程度で行うことが出来る手ごろな治療法です。
「この金額を数年単位で払い続けるのも嫌になってきた」「子供も欲しいし、そろそろやめたい」「もう満足できるまで改善した」これらの理由で辞めたい人はたくさんいらっしゃいます。
ですがその薄毛治療は、始めたら中々辞めることが出来ない治療法でもあります…。今回は、AGA治療薬の服用を辞める方法をご紹介します。薬の副作用が気なる人は必見です。
AGA治療の薬は一生飲み続ける必要がある?
AGAの治療を進めていく上で、どうしても出てくる不安点や疑問点があるのではないでしょうか?そこでまずは、次に上げる4つの項目を明確に理解して、その後どのように薄毛治療を進めていくのかの目途を立てましょう!
髪の毛が生えた後でもAGA(男性型脱毛症)はまた進行するの?
プロペシアなどAGA治療薬を服用して数か月。徐々に髪の毛が増えてきたからもう大丈夫だろうと薬を辞めたい人は少なくありません。しかし、AGAの薬って服用を辞めると薄毛が進行していまいます。
というのも、AGAの薬は、薄毛の原因物質ジヒドロテストステロン(DHT)を合成する5αリダクターゼ(酵素)と拮抗することで抜け毛の予防をしています。この効力は「あくまで服用している間のみ」となります。
そのため、薬だけでAGAを治療した場合は、服用をやめると当然DHTの生成量がグッと増加していまうため、抜け毛の本数が急増します。そのため、服用を辞める時は慎重に薬から離れていく必要があるのです。
自分でもう大丈夫だろうと思って、いきなり服用を辞めると、服用を始める前よりももっと薄毛が目立ってしまう場合もあります。そんな人は、専門家にセカンドオピニオンとして意見を求めることをお勧めします。
私のお客様では、プロペシアを服用を卒業することに成功した人は何人もいますが、どうしても抜ききることが出来なかった人もいらっしゃいますので、服用される前にこの記事を読んでいる人は、まずは、薬を使わない発毛療法にチャレンジしてみることをお勧めします。
AGAの薬は妊活中でも大丈夫?
AGAの薬で良く懸念されるのが、妊活中でも大丈夫かといったことです。というのも、AGAの治療薬であるプロペシアは、DHTの阻害をする薬です。このDHTは胎児の生殖器の生成に関わる大事なホルモンであるため、妊婦がプロペシアを服用や触った場合に、性器に何らかの異常が出てしまう恐れもあります。
基本的には、ほとんど心配はないと言われていますが、服用中は精子量が減少してしまうのは事実です。
アメリカの生殖医学会の雑誌Fertility and Sterilityに掲載された論文を紹介しましょう。フィナステリドを飲んでいた男性14人について、服用中と、中止後の精子濃度を比較しました。服用中の平均濃度は1ミリリットルで1,320万でしたが、中止すると4,225万に明らかに上昇していました。
もう少し詳しく結果をみましょう。精子の量も、平均で11.6倍に増加していました。服用を中止した後に精子数が減少した男性はいませんでした。
この結果からわかることは、フィナステリドを服用すると精子の数が減少してしまう可能性があるということです。
この薬は男性不妊の原因となる可能性があるため、子どもを望む世代の男性は、知っておいてほしいと思います。
髪の毛を取るか、精子を取るか | ヨミドクター(読売新聞) 今年も早くもクリスマス。皆さん、どのようにお過ごしでしょうか? さて、今回は「フィナステリド」という薬について書きましょう。昨年のクリスマスにもこの薬につい...
この記事でもわかる通り、精子1mlに含まれる精子量が服用中と辞めた後では3倍近く変化するといった報告もあります。そのため、仮に奇形児の心配はなかったとしても、妊活中にはあまり服用しない方が良いかも知れません…。
また、現在妊活を考えている人は、3か月前からフィナステリドを含む薬の服用を控えることをおすすめします。精子は精巣で3か月弱で生成されるためそこから逆算して妊活に取り組みましょう!
AGAの服用を辞めたら、副作用もなくなる?
プロペシアは、医薬品であるため当然副作用もあります。一般的には服用を中止すれば、次第に副作用も終息すると言われています。しかし、問題視されているのが、ポストフィナステリド症候群(PFS)です。
このポストフィナステリド症候群とは、服用を中止して、副作用が終息したとしてもまた数週間~数か月後副作用が発症してしまう症状です。具体的な副作用としては、フィナステリドと同様です。
- 鬱
- 勃起不全
- 精子減少
- 倦怠感
- 性欲減退
この症状が問題視されているのは、「収まることがない」ことです。また、この症状が起きる原因や治療方法は明らかとされていないのが現状です。また、若い人ほどポストフィナステリド症候群(PFS)は起こりやすいです。
そのため、薬の継続期間・後遺症のリスクを考えた時に、まずは体質改善・頭皮環境改善・生活習慣改善などにより育毛・発毛させることを推奨します。
AGA治療の薬を辞めるには時間が必要
ここまで記事を読んで頂き、AGAの内服薬に頼らずに育毛・発毛したいと考えている人は少なくないでしょう。そんな人へAGAの内服薬を辞める方法をご紹介します。
AGAの内服薬は薄毛に対して非常に効果を発揮する薬です。そのため、服用を辞める際には薄毛が進行してしまう恐れがあります。また個人差もあるので一気に行わず慎重に行いましょう。
また、人によっては全て抜け切ることが出来ない人もいらっしゃいますので、予めご了承ください。
服用を辞める方法①:徐々に量を減らす
まずは、徐々に服用量を減らしてみることにチャレンジしましょう。一気に抜いてしまうと、離脱症状が強く出る場合があるため注意してくださいね。
数週間単位で、どのあたりまで減らしても現状を保てるか?自分なりに検証してみて下さい。どうしても減らす量には個人差があるため、一概に目安はないため、模索しながら行いましょう。
下記の2つ方法も同時に行うことをおすすめします。
服用を辞める方法②:サプリメントなどでインナーから生える環境を整える
食生活や必要な栄養が髪の毛へ供給することが出来ていなければ、薬を抜いた際の副作用は大きくなるでしょう。そのため髪の毛を生成する上で必要な栄養を供給して上げる事をおすすめします。
私も常に患者様には髪の毛は体からケアすることが大事と伝えている通り、しっかりと継続して栄養を与えることが出来る環境を作り出してあげましょうね。
服用を辞める方法③:頭皮環境の改善
髪の毛は健やかな頭皮から生えてきます。そのため、薬を中止しても髪の毛が生えてくる環境づくりをしてあげましょう。例えば頭皮がベタベタだったら、皮脂腺から分泌される5αリダクターゼも必然として多くなります。
そのため、シャンプーや日々の食生活を野菜中心の生活へと変えるなど日々の積み重ねで、AGAの薬を抜いても維持できる頭皮環境を作り出していく必要があります。
最後に
いかがでしたか?
AGAの薬の辞め時はどうしても人それぞれとなってしまい、個人で判断するのは難しいのです。
もし、AGAの薬に頼らず薄毛治療をしたい!副作用を気にせず育毛したい!そんな人は、元大手製薬メーカーで研究していた発毛技能士に相談して下さい。きっと貴方の悩みに役に立てると思います。
後半に薬を使わずに治した薄毛治療のケースをご紹介するよ!