貧血は体のだるさだけでなく、抜け毛や薄毛の原因になりうることをご存知でしょうか?
貧血は、男性よりも、女性の方の割合が多く、知らず知らずのうちに貧血による抜け毛が増えていることも。
さまざまな体の不調や悪影響を及ぼす可能性がある貧血ですが、なぜ貧血により抜け毛が増えてしまうのか原因と対策を確認していきましょう。
貧血は抜け毛・薄毛の原因になる
先ほどもお伝えした通り、貧血になると薄毛や抜け毛の原因になります。
具体的な理由としては、3つあります。
- 貧血によるヘモグロビン不足による頭皮の栄養不足
- 栄養不足による髪の生成力の低下
- 頭皮の健康状態の低下
貧血によるヘモグロビン不足による頭皮の栄養不足
血液に含まれるタンパク質の一種で赤血球(ヘモグロビン)が存在します。
このヘモグロビンがあることで、体中へ酸素と栄養素を運ぶことが出来ます。
ということは、貧血によってヘモグロビンが不足してしまうと、体は酸欠・栄養不足状態。
当然、末端にある頭皮や毛根に必要な栄養分は足りない飢餓状態になってしまいます。
ヘモグロビンは、ヘム鉄とグロビン(タンパク質)から合成されるため、鉄分不足による貧血が続くと抜け毛や薄毛の原因となります。
ヘモグロビンの基準値の基準値は男性で血液1dl中に13.0~16.6g、女性の場合は11.4~14.6gです。健康診断で確認してみましょう。
- 男性:13.0~16.6g
- 女性:11.4~14.6g
血液が赤いのは、ヘモグロビンが赤い色素を持っているためです。
余談ですが、イカなどは鉄ではなく銅を血液に含んでいるため、酸素に触れると青色になります。
栄養不足による髪の生成力の低下
先ほどお伝えした通り、貧血によりヘモグロビン量が低下すると、体を循環する酸素と栄養素が低下します。
髪の毛は、血液から吸い上げた栄養と酸素を使い、髪の毛を合成して成長させるのです。
貧血状態になると、毛母細胞(髪を作る細胞)へのご飯が不足して髪の合成が出来ない状態となります。
結果として、髪の発育が十分に進まず、短くて細い弱弱しい髪となり抜け毛につながってしまいます。
頭皮の健康状態の低下
血液不足が続くと、頭皮の皮膚組織の構成が脆くなり、頭皮の痒みや健康状態の低下につながります。
理由としては、貧血による鉄分不足により頭皮の健康を支えるコラーゲンの生成が悪くなるためです。
コラーゲンやエラスチンは肌の真皮に存在し、頭皮の柔軟性や健康状態(保湿・ハリ・弾力)を低下させます。
その結果、頭皮が硬くなり更なる血行不良の原因になることもあるのです。
頭皮の内部がボロボロだと当然生えてくる髪は弱く、抜け毛の原因となります。
コラーゲンは高分子で肌から浸透することはありません。そのため、コラーゲン入り○○のような製品をいくら肌につけても、効果はありません。
それよりも、コラーゲンは肌の内側から生み出す力を高める必要があります。
硬い頭皮は眼精疲労によっても引き起こされます。詳しくは「【眼精疲労は薄毛の原因】疲れ目がカチカチ頭を作る理由とは?」をご覧ください。
女性は貧血によって抜け毛や薄毛になりやすい
貧血による抜け毛や薄毛は、男性より女性の方が起こる確率が高い脱毛症です。
なぜなら、女性ならではの月経周期や、妊娠中、産後など女性特有のライフイベントが沢山あり体調不良になりやすいからです。
特に注意が必要なのが、「産後の貧血」です。
産後は貧血×ホルモン低下による抜け毛が増えやすい
出産後は、女性ホルモン量が一気に低下するだけでなく、授乳などにより通常より多くの血液量が必要となります。
赤ちゃんにあげるミルクは、お母さんの血液を元にして作られます。そのため、授乳期になると必然的に赤血球量が低下しやすくなってしまうのです。
産後は家事に育児にそして数年後には復職など大忙しな日々が続くことも。
その結果、自分の食事が適当になってしまい、血液を作るための必要な栄養分が足りなくなってしまうこともあります。
栄養分が足りない状態が続くと、ホルモンバランスの乱れと貧血を引き起こしやすくなり、抜け毛を増やす原因となります。
産後の抜け毛について詳しく知りたい人は「産後の抜け毛はホルモンだけじゃない。育児ストレスで薄毛へ」をご覧ください。
- 授乳するためのミルクは血液を元に作られる
- 女性ホルモンの低下
- 多忙な日々による、栄養不足や睡眠不足
貧血予備軍を爪でセルフチェック
貧血かどうかは、実は簡単に自宅て確認することが可能です。
確認するのは、ご自身の「爪」です。
爪は、血液が不足すると、3つの症状が起きやすくなると言われています。
- 爪が割れやすくなる
- 爪に横筋が入る
- 爪が2枚爪になる
このようなトラブルがあれば要注意です。
髪の毛も爪と同じ末端部分であるため、貧血の症状の自覚がないとしても抜け毛増えてしまう貧血予備軍になっているかもしれません。
貧血予防効果がある抜け毛対策とは?
貧血による抜け毛を予防するためには、食事から補給することで改善する方法と、専門家に相談することではないでしょうか。
貧血を予防するには、食事から鉄分を摂取することが最も効果的で効率が良いと言われています。
- 食事から鉄分を補給
- サプリから鉄分を補給
- 薄毛の専門家に相談する
食事から鉄分を補給
普段の食事から鉄分を豊富に含まれる食べ物を摂取することを意識することは、貧血の解消へとつながります。
大前提として鉄分が多い食材を意識する前に、1日3食しっかりと食べることが基本となります。
鉄分の多い食材を紹介すると共に、貧血の人はあまり摂取しない方がよいNG食材を紹介します。
鉄分が多い食材
- レバー
- かつお
- あさり・牡蠣
- ほうれん草(鉄分が多いが吸収率が悪い)
- 小松菜(鉄分が多いが吸収率が悪い)
鉄分は、ビタミンCと一緒に摂取することで吸収率を高めることが可能です。
鉄分の吸収を抑制する食材
実は、鉄分の吸収率を抑制してしまう食材も存在します。
そのため、食べ合わせを意識してあげることも重要です。
- 玄米
- お茶・コーヒー(タンニン)
- カルシウム
鉄は、もともと体内では吸収されにくい成分です。動物性食品(レバーなど)で15~25%、植物性食品(小松菜など)は約2~5%の吸収率しかありません。
鉄分の吸収率を高める食べ合わせを意識することも大切ですよ。
サプリから鉄分を補給
前述した通り、鉄分はもともと体内で吸収されにくい成分です。
その上、鉄分が多く含まれる食材は中々食べにくいものばかり。
働いて、育児して、家事をして…など忙しい中でなかなか時間を取れないことが多いですよね。
そんな場合は、サプリメントによる補給も一つの手です。
「女性向けのライフスタイルに合わせたサプリメントは数多くあるため、どれが良いか分からない。」
なんて人も少なくありません。
その場合は、専門家の知識を頼りましょう。近くのドラックストアで薬剤師に相談しておススメの製品を買うことで自分の体質にあった1品を選ぶことが出来ますよ。
薄毛の専門家に相談
最も手っ取り早いのは薄毛や抜け毛治療院に相談してしまうことです。
自分では貧血が原因で抜け毛が増えていると思っていても、他にも複数の理由が重なり抜け毛増えていることも。
とはいえ、薄毛治療院などに相談することが恥ずかしくていくことが出来ない人は少なくありません。
最近では電話による無料相談を受け付けている店舗は少なくありません。
ぜひ活用してみましょう。
「薄毛を改善した女性のアンケート結果」も良ければご覧ください。
【結論】貧血気味の段階でしっかり治してあげましょう
いかがでしょうか?
貧血は意外と軽く見られて何十年も貧血気味なんて人もいらっしゃいます。
血液は、全身へ酸素と栄養を運ぶ重要な働きがあります。
貧血が抜け毛の原因の場合は、髪が酸素不足・栄養不足状態です。
規則正しい生活を心がけて、かつ食べ合わせにも意識してあげましょう。
貧血を改善することで、抜け毛の解消にもつながるかもしれませんよ。
- 貧血は甘く見ては絶対にダメ
- 爪を見ることで貧血予備軍かどうか分かる
- 食べ物は、食べ合わせが大切
- 毎日3食食べて規則正しい生活を送る
- 薄毛の専門家に相談するのも一つの手
「鉄分を取ればOK!」だけでなく
私生活で改善できる対策法をお伝えしていきますね。