今や日本の国民食と呼ばれるほど浸透しているラーメン。
飲食店はもちろんカップラーメンなどを日常的に食べる機会も多いかと思います。
ですが「ラーメンのような脂っぽい物を食べ続けるとハゲやすい」なんて噂を聞いたことはありませんか?
本記事では、ラーメンを食べ続けることでハゲるリスクに影響を与えるのかについて解説していきます。
また、ラーメンに含まれる成分表を分析する他、薄毛を予防する効果が期待できる食事も合わせてご紹介していきますので、是非参考にしてみてくださいね。
ラーメンを食べるとハゲる噂の真相は?
ラーメンを食べることによってハゲるという噂について、結論からお伝えすると医学的因果関係は存在しません。
しかし、ラーメンやインスタント麺はご存知の通り高カロリー・高塩分・高脂質と体にあまり良い成分とは言えません。
実際に、米専門誌「Journal of Nutrition(栄養学ジャーナル)」においてラーメンなどインスタント麺を週に2回以上食べる女性は、高血圧・高コレステロール・血糖値の上昇などのリスクが高くなる研究論文が発表されています。
上記には女性で限定されていますがもちろん女性だけでなく、男性でも健康被害や薄毛のリスクが高まる原因の一つです。
そのため、日常的にラーメンを食べている人は、身体に悪影響を及ぼすことが危惧されています。
体に悪影響があるということは、結果として頭皮環境や育毛に対しても影響を与える可能性があるのです。
ラーメン・インスタント麺の成分について
飲食店で食べるラーメンや、インスタント麺がどのような栄養素が含まれているのかまずは確認してみましょう。
こってり系豚骨ラーメンの成分表
お店でこってり系の豚骨ラーメンを食べた場合にどれだけのカロリー・塩分・脂質・糖質が含まれているのか確認しましょう。(天下一品こってりラーメンを参照)
並1杯辺り (486.9g) |
エネルギー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | ナトリウム | 食塩相当量 |
名称 | 949kcal | 37.5g | 66.2g | 53.6g | 2.5g | 6.4g |
カップラーメンの成分表
簡単に食べることができる定番のカップラーメン。今回は、日新製薬が販売されているカップラーメンの成分表をご紹介しております。
1食 (78g) |
エネルギー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食塩相当量 |
名称 | 351kcal | 10.5g | 14.6g | 44.5g | 4.9g |
1日の必要栄養分とラーメン1食の栄養分を比較
ラーメンに含まれる栄養分を確認して頂いた所で、厚生労働省が推奨する日本人の食事摂取基準と比較してみましょう。
成分比較 | エネルギー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食塩相当量 |
---|---|---|---|---|---|
食事摂取基準値 男性 |
2000~3000kcal | 体重1kg辺り0.8g | 平均:50g前後 | 260g | 5g未満 |
食事摂取基準値 女性 |
1400~2000kcal | 体重1kg辺り0.8g | 平均:50g前後 | 260g | 5g未満 |
豚骨ラーメン | 949kcal | 37.5g | 66.2g | 53.6g | 6.4g |
カップラーメン | 351kcal | 10.5g | 14.6g | 44.5g | 4.9g |
上記のデータを見てわかるように、外食にてラーメンを1杯食べた場合、カロリーが成人男性の約半分の摂取、脂質・食塩はラーメン1食で摂取基準値を超えてしまうのです。
ラーメンを食べるとハゲると言われる理由について
前述した通り、ラーメンは高カロリー・高脂質・高塩分ということが1日の目安摂取量を比較することで明らかとなりました。では、これらが超過してしまうとどのような薄毛へ影響を与えるのかお伝えします
薄毛への影響①:高脂質
近年、マウスを使用した実験において脂っこい食事を6ヶ月間継続する事で、薄毛・脱毛を促進するメカニズムが存在する事が明らかとなったように、ラーメンのような高脂質な食事を継続する事でハゲる危険が高まります。
また、高脂質の食事を取り続けることによって現代病と呼ばれる肥満やメタボリックシンドロームになる恐れがあり、血管のつまりなどを引き起こす原因とも言われています。
髪の毛は、血流から栄養分を吸い上げることで初めて発育するため、高脂質のラーメンなどを高頻度で食べていると十分に毛根まで栄養分が届かず抜け毛の原因につながります。
薄毛への影響その②:高塩分
高塩分によってハゲるという直接的な因果関係は存在しませんが、次ようなことが引き金となり薄毛へ影響が懸念されています。
適度な塩分は体のpHや生理活性を行う上で必要不可欠です。しかし、必要以上に摂取をすると塩分は体へ余分な水分をため込み、むくみなどの症状を引き起こします。
長期的に塩分過多の状態が続くと、高血圧の原因となります。高血圧の状態というのは、血管に常に圧がかかってしまっている状態であるため、毛細血管など毛根まで栄養を運ぶ血管の柔軟性が低下してしまいます。
その結果、十分に毛根まで栄養分を届ける事が出来なくなり、薄毛になるリスクが高まると考えられています。
薄毛への影響その③:高糖質
ラーメンの麺に多く含まれている糖質の過剰摂取は、薄毛になり得る原因の1つです。
ラーメンに含まれている糖質の多さは、仮にうどんと比較した際に6gの差があります。
角砂糖1個が約3gのため、角砂糖2個分はラーメンの方が糖質が多い計算になり、あっという間に糖質の過剰摂取になりやすいのです。
糖質を摂りすぎてしまうことで、糖が体内に余り体内のタンパク質と結合します。
これが体内で起こる「糖化」と呼ばれる現象で、糖化は体のあちこちで起こっていきます。
細胞の働きを鈍らせ、老化させてしまうため、皺が増えたりシミなどの原因になりやすいです。もちろん肌等だけでなく頭皮でも起こるので、毛包幹細胞や毛母細胞の元気がなくなり薄毛や抜け毛が進行していくのです。
また、糖質過多により内臓脂肪が増加して代謝が低下することで、髪の成長に影響を与えるホルモンの働きが悪くなっていきます。
糖尿病や脂肪肝などのリスクも高まるため、ラーメンの食べ過ぎは控えた方が良いことがわかります。
【でもラーメン食べたい!】ハゲるリスクを抑える食べ方5選!
ラーメンが体に悪いことや、薄毛に繋がる事はわかっていてもどうしても食べたいと思う方も多いのではないでしょうか。
そんな方は、以下のことを気を付けて守りながら食べていくことをお勧めします。
ハゲないためのラーメンの食べ方①:大盛りや替え玉をしない
美味しいからこそ、沢山食べたくなる気持ちも分かります。
しかし、大盛りにして頼んだり替え玉を頼んでしまうと、食べる頻度を抑えていても食べている量が多いため「塩分・脂質・糖質」の摂り過ぎになってしまうのです。
特に麺は小麦粉から出来ている為、小麦粉を大量に摂取することになりニキビが出来やすくなったり肥満の原因にもなっていきます。
結果、薄毛の進行や抜け毛の原因に大きく繋がってしまいます。
いつも必ず大盛りや替え玉を頼む方は、次回から控えるように心がけてみましょう。
ハゲないためのラーメンの食べ方②:セットメニューを頼まない
ラーメンを頼む際に必ず一緒に餃子屋ご飯を頼む方も少なくありません。
また、店舗によっては白いご飯は「おかわり無料!」なんてお店もありますが、こちらも要注意です。
麺と一緒にご飯を食べると炭水化物の摂り過ぎになるほか、摂取する糖質の量も多くなりますし、餃子やチャーハンなどは多くの油を含んでいる為脂質の摂り過ぎになります。
更に食べる時間帯によっては消化に時間がかかり、体に大きく負担をかけることになり、睡眠の質も落ちやすくなるため、総合的に薄毛を進行させてしまうのです。
睡眠と薄毛の関係性についてはコチラ↓
ハゲないためのラーメンの食べ方③:スープは飲み干さない
ラーメンの麺を食べ終えた後に残っているスープにはかなりの塩分が含まれていることはご存知でしょうか?
「もったいない!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、残ったスープを飲み干すと、それだけで1日分以上の塩分を摂取してしまう場合があります。
ポイントは、スープは半分以上残すこと。この習慣が身につくだけで、約2分の1~3分の1の減塩につながります。
日常的に沢山汗をかいている方や、季節によっては汗をかいて塩分が出ているから良いのでは?というご質問もありますが、当日中に出た塩分がその食事ですぐに体に補われるわけではありません。
体内で消化されて吸収されて行くため、汗をたくさんかいたからと言って、多くの塩分を取ってプラマイゼロになるわけではありませんので注意してください。
ハゲないためのラーメンの食べ方④:濃い味を頼まない
ラーメン屋さんに行くと、麺の太さや硬さに加え、味の濃さを選べるお店があります。
元々濃い味のつけ麺なども同じく、濃い味のラーメンは量を増やさずとも多くの「塩分・脂質・糖質」を摂取できてしまう為、控えることがお勧めです。
絶対にNGという訳ではありませんが、身体の事や薄毛のためであればなるべく濃い味にはせず、更にしっかりと水分を取っていくことがとても大切です。
また、アルコールの摂取後に「〆の一杯」などとラーメンが食べたくなる理由は、アルコールの分解に多くのブドウ糖が失われ、更にアルコールの利尿作用で塩分などが体内から失われるため「カリウム」を素早く摂取できるようにするためです。
しかし、身体への負担は大きく薄毛の大きな原因にもなりますので、そんな時は「野菜や果物」などでしっかりとカリウムを補うのが良いでしょう。
ハゲないためのラーメンの食べ方⑤:脂質や糖質などの代謝を高める食べ物を摂る
ラーメンを食べて体に糖質や脂質を蓄積してしまうと、肥満にもつながるほか高血圧や、薄毛以外の病気の原因にもなっていきます。
そんな時は糖質や脂質などの代謝を高める栄養素を摂ることで、身体に糖質や脂質を蓄積させにくくする効果が期待できます。
糖質や脂質などの代謝を高める栄養素として挙げられるのは、ビタミンB群です。その中でも特にB1、B2、B6の働きにより、糖質と脂質が分解され、ATPと呼ばれるエネルギー源物質に変換されやすくなります。
ビタミンB1、B2、B6が多く含まれている食品には、以下のようなものがあります。
ビタミンB1…豚肉、玄米、豆類
ビタミンB2…レバー、卵、魚、乳製品、ほうれん草
ビタミンB6…赤身の魚、脂身の少ない肉類、ピスタチオ、バナナ
他にも髪の毛の為に必要なビタミンについてはコチラ↓
ラーメンを食べすぎると必ずしもハゲる訳ではない
これまでラーメンを食べることによる薄毛のリスクを解説してきましたが、誰しもがラーメンを食べ過ぎる事でハゲる訳ではありません。あくまで、薄毛の要因の一つになり得るという事です。
多くの薄毛の原因は男性ホルモンなど内側の要因が原因となり、ヘアサイクルが乱れてAGA(男性型脱毛症)が進行します。そのため、薄毛や抜け毛の症状が気になった場合は、食事だけでなく内側の問題かどうかを判断する必要があります。
その際は一度専門家に相談するなどして自分の悩み(薄毛)の原因が何か明確にすることをお勧めいたします。
髪の毛に良い食事とは?
髪の毛はケラチンと呼ばれるタンパク質で約9割を構成されています。そのため、このケラチンタンパク質を合成するための材料となる栄養、及びケラチンを合成する酵素を活性化させるような栄養素を摂取する事が良いとされています。
- タンパク質
- 亜鉛
- ビタミンA
- ビタミンB6、B12
- ビタミンC
- ビタミンE
まとめ
本記事では、ラーメンがハゲると言われる噂の真相を解説すると共に、髪の毛に良い栄養素をご紹介いたしました。
普段食べている些細なものでも積み重ねが原因となり、薄毛が進行してしまうようなケースも存在します。そのため、抜け毛や薄毛が気になる場合は、是非普段の食生活から見直してみてはいかがでしょうか?
また、解決しない薄毛の悩みはぜひ一度専門家までご相談くださいませ。