体と同じように、髪の毛も口から摂取した食べ物を胃や腸で吸収して栄養に変え、血液を通して細胞に届き成長して作られています。そのため、普段の生活でどんな食事を摂取しているかが髪の毛のツヤやハリそして抜け毛などに影響します。
髪の毛に良い食べ物を積極的に摂取することで、より良い栄養を髪の毛に与えることが出来ますし、逆に抜け毛の原因へと繋がりかねない食べ物もあるのです。
そこで今回は髪の毛にいい食べ物と悪い食べ物をリストアップし、髪の毛を増やす・生える栄養素を徹底解説いたします。
食事がなぜ育毛に関与するのか?
食事による育毛効果を説明するために、まずは摂取した食事が体内に吸収されていくメカニズムから確認しましょう。
食べ物は、口から入って食道を通り体内へと移動します。食べ物はその道中でにある分解メカニズム(歯での噛み砕き、臓器の消化液)によって徐々に小さい分子の栄養素へと分解されます。
- 肉や魚(タンパク質)=アミノ酸
- 米や芋(炭水化物)=ブドウ糖
- 油分や脂身=脂肪酸とグリセリン
このように食べた物は形を変えて、小さく分解されることで初めて体内に吸収され、その後は肝臓で蓄積されて体が必要なタイミングで血中へと溶け出し、体の細部まで血液を通して供給されるのです。
食事は髪の毛へどのように供給されるのか?
前述のような形で栄養分を体内に取り込んだのち、血液を通して髪の毛を作る毛母細胞まで酸素と栄養が届くことで初めて育毛・発毛出来るようになります。
髪の毛は生命の維持に関わらない器官であること、そして体の中でも末端部分のため栄養が届きにくいのですが、十分に栄養が届く毛根は細胞分裂を繰り返し太く長く成長することが出来るのです。
日ごろから食事バランスを考えて、体に必要な栄養素を摂取することが出来れば、髪の毛を育てるために必要な栄養素を与えられます。
一方で、日頃から食事のバランスが悪かったり、栄養不足状態が続くと、毛根まで十分に栄養分が届かず、結果として髪の毛は痩せ細り、抜け毛や薄毛の原因に繋がります。
髪の毛を構成している栄養素
髪の毛に良い栄養を解説する前に、髪の毛がどのような成分で出来ているのかをご紹介していきましょう。
髪の毛の構成について
- タンパク質:約85%
内訳(ケラチンタンパク質80~90%、非ケラチンタンパク質10~20%) - 水分:11~13%
- 脂質(コレステロール):2~4%
そのため、髪の毛の8割以上を占めるタンパク質は必須となります。
そのタンパク質を分解してアミノ酸にし髪の毛の成長に必要なタンパク質へと再合成するための栄養素(ビタミン・ミネラル)も必要です。
- タンパク質
- ビタミン
- ミネラル
髪の毛が生える・増やすために良い食べ物
髪の毛に増やす・生やす食べ物といっても、これだけを食べていれば髪の毛が増える・生えるというものはありませんが、太く強い髪の毛を育て伸ばすためには必要な栄養素が沢山あります。
しかし、栄養は優先的に生命維持を司る器官へと届けられ、生命の維持に関わらない髪の毛を作る細胞には余剰分の栄養しか届かないため、髪の毛を育てるためには豊富な栄養を補給しなくてはならないのです。
約9割を「ケラチン」と呼ばれるタンパク質で構成されている髪の毛を成長させるために必要な栄養を含む食事をご紹介していくので、出来るだけ毎日摂取するようにしましょう。
髪の毛にいい食べ物・栄養素:その①タンパク質(アミノ酸)が豊富なもの
まずご紹介する髪の毛にいい食べ物・栄養素は、髪の毛の大部分を構成するタンパク質(アミノ酸)です。タンパク質は肉や魚・卵や大豆製品などに多く含まれています。
タンパク質を分解したときに出来るアミノ酸の中でも、髪の毛にはシスチンというアミノ酸が多量に含まれ、シスチンを合成するためには体内で作ることが出来ないメチオニンという必須アミノ酸が必要です。
上の画像は、1日に必要な9種類の必須アミノ酸量が分かるアミノ酸スコアです。こちらを見ていただくと分かる通り、アミノ酸スコアは100点満点で産出されており、満点の食材を積極的に食べていただきたいのですが、中でも植物性のタンパク質の大豆製品は毎日摂るようにしましょう。
髪の毛にいい食べ物:大豆
大豆に含まれる大豆イソフラボンは、腸内で吸収されると「エクオール」と呼ばれる物質へと変化します。このエクオールが女性ホルモンの「エストロゲンホルモン」に似た働きを持つため、髪の毛の成長を促すだけでなく抜け毛を予防するため髪の毛にいい食べ物と言えます。
女性の抜け毛の多くは、エストロゲンホルモンの分泌量が減少している可能性が高く、また男性にとっても髪の毛を育てる上でイソフラボンは欠かせない栄養素です。
さらに植物性タンパク質も豊富であるため、日頃から積極的に豆腐や納豆、豆乳など積極的に摂るようにしましょう。
髪の毛にいい食べ物・栄養素:その②ビタミンが豊富なもの
続いての髪の毛にいい食べ物・栄養素、ビタミンはタンパク質の分解を手助けする効果や頭皮の健康状態を保つ・脂質の代謝や血行の促進など多岐に渡る効果があります。
- ビタミンA:頭皮の健康状態を保つ
- ビタミンB群:脂質の代謝や血行の促進
- ビタミンC:コラーゲンの生成
- ビタミンE:抗酸化作用
特に髪の毛にいい食べ物・栄養素として、上記4つのビタミンは髪の毛を育てる土壌の頭皮環境を正常に維持すること、髪の毛の成長や抜け毛防止・毛根への栄養供給にケラチンの生成をサポートするなど、髪の毛を増やす・生えることに関して必要不可欠な栄養素です。
ビタミンは緑黄色野菜や果物に含まれているイメージがあるかと思いますが、ビタミンA・Bは豚や鶏のレバーやウナギ・ビタミンEはカツオやマグロといった魚や大豆・ゴマ油に含まれ、ビタミンCはブロッコリーや小松菜・柑橘類に多く含まれています。
ビタミンが豊富な髪の毛にいい食べ物一覧
ビタミンには様々な種類があり、それぞれに効果やおすすめの食べ方があります。まずは髪の毛にいい効果を持つ4つのビタミンを豊富に含む食材をご紹介します。
- ビタミンA:豚や鶏レバー・ウナギ・卵黄・ほうれん草・人参など
- ビタミンB群:バナナ・レバー・ウナギ・大豆製品・アーモンドなど
- ビタミンC:ブロッコリー・カリフラワー・小松菜・パプリカ・柑橘類など
- ビタミンE:ウナギ・大豆製品・かぼちゃ・モロヘイヤ・アボカドなど
ビタミンには油に溶けやすい脂溶性ビタミンと水に溶けやすい水溶性ビタミンがあり、脂溶性ビタミンのビタミンAやEは脂質の多いものと同時に摂取すると体内に吸収しやすく、水溶性ビタミンは水にさらす時間を短縮して熱を加えない方が吸収率が高まるものが多いので調理法には注意してください。
髪の毛にいい食べ物・栄養素:その③ミネラルが豊富なもの
次にご紹介する髪の毛にいい食べ物・栄養素のミネラルは、髪の毛を作る時の補助をする栄養素であり、人の体を正常に保つために欠かせない栄養素です。
ミネラルの中でも身体や髪の毛を構成する必須ミネラルは以下の表にある16種類で、1日の必要摂取量が100mg以上必要なものが主要ミネラル、100mg未満のものがその他の微量ミネラルと言われています。
主要ミネラル5種 | その他微量ミネラル11種 |
カルシウム・ナトリウム カリウム・リン・マグネシウム |
鉄・銅・亜鉛・セレン・ヨウ素 クロム・モリブデン・マンガン 硫黄・塩素・コバルト |
中でも髪の毛にいい食べ物・栄養素としては亜鉛・鉄・ヨウ素の3種類で、亜鉛は男性の薄毛の原因となる5αリダクターゼの働きを阻害し、アミノ酸をケラチンに合成する際にも使われます。鉄は血流促進・ヨウ素は健康な髪の毛を育てる働きがあるということから、ミネラルは髪の毛のためにも必要なのです。
ミネラルが豊富な髪の毛にいい食べ物一覧
健康な髪の毛を育てるために必要なミネラルである亜鉛・鉄・ヨウ素は、どれも1日の必要摂取量が100mg未満のものです。これらを多く含む食材は以下の通りです。
- 亜鉛:生牡蠣・ビーフジャーキー・チーズ・煮干し・アーモンドなど
- 鉄:豚や鶏レバー・しじみ・きな粉・ドライトマト・あさりなど
- ヨウ素:昆布・ひじき・海苔・わかめ・サバなど
1日の推奨摂取量は亜鉛だと成人男性で約10mg~上限45mg女性で約8mg~上限35mg、鉄は成人男性が7.5mg~上限50mg・女性は10mg~上限40mg、ヨウ素は成人男性・女性ともに130μg~上限3,000μgとなっています。
ヨウ素は昔から海産物を多く摂取することが多い日本人に不足することは少ないのですが、亜鉛や鉄は不足しやすく欠乏すると味覚異常や貧血・免疫不全などを起こしかねませんので、摂り過ぎない程度に意識して摂取するようにしましょう。
髪の毛にいい食べ物・栄養素:その④5αリダクターゼの働きを阻害するもの
髪の毛にいい食べ物・栄養素、4つ目にご紹介するのは男性特有の脱毛症であるAGAの原因、5αリダクターゼの働きを阻害し抜け毛を減らし髪の毛を増やす・生えるために必要な栄養です。
ミネラルの項目にもあった亜鉛、そしてポリ-γ-グルタミン酸は普段の食生活に是非取り入れていただきたい栄養素となり、また大豆イソフラボンには女性ホルモンとよく似た働きで抜け毛を抑制します。
また、食事以外で摂取できるサプリメントにはノコギリヤシ・イソフラボン(エクオール)があり、直接食べることが難しいものとしてはバナナの皮(シクロユーカレノン)やホップも5αリダクターゼの働きを阻害することで知られている食材です。
5αリダクターゼの働きを阻害する食べ物一覧
上記で解説したポリ-γ-グルタミン酸は納豆のネバネバに含まれる成分で、大豆イソフラボンはその名の通り大豆や大豆を使った製品に多く含まれる栄養素です。
直接5αリダクターゼの働きを阻害するものではありませんが、ジヒドロテストステロン(DHT)を抑制し抜け毛を増やさないためには、大豆製品と紅茶を組み合わせて摂取するのも効果的だということがオックスフォード大学の研究により分かっています。
大豆フィトケミカルと茶の生物活性成分がアンドロゲン感受性ヒト前立腺腫瘍を相乗的に阻害
上記の記事はAGAや薄毛ではなくヒト前立腺腫瘍に関する研究ですが、DHTの働きを阻害するということからAGAや薄毛にも深く関わっているため、今回ご紹介させていただきました。
髪の毛にいい食べ物・栄養素:その⑤腸内環境を整えるもの
続いての髪の毛にいい食べ物・栄養素は、食べたものを消化吸収する腸内環境を整える食べ物です。代表的なものとしては食物繊維や乳酸菌があります。
なぜ腸内環境が髪の毛に関係するのかというと、私達は食べ物を食べて消化された中から栄養を吸収し、末端の細胞まで血液を通して運ぶのですが、腸内環境が悪化していると栄養が吸収されにくくなり髪の毛が正常に成長できなくなってしまうのです。
また便秘になっていると、便として排出するはずだった有害物質が腸で再吸収されてしまい、血液内に溶け込んで全身を循環してしまうため血流が悪化してしまうということもあるので、腸内環境を整える栄養は髪の毛にいい食べ物と言えます。
腸内環境を整える食べ物一覧
腸内は善玉菌20%:悪玉菌10%:日和見菌70%というバランスが良い環境なのですが、肉類を多く食べるような現代では善玉菌の割合がかなり少ない方も珍しくありません。
かといって、乳酸菌の豊富な食材ばかり食べていても善玉菌が増える訳では無いので、善玉菌が豊富な発酵食品や乳製品と食物繊維やオリゴ糖を含むものをセットにして摂取する事をおすすめします。
- 食物繊維:キウイ・おくら・さつまいも・きのこ・もち麦など
- 乳酸菌:ヨーグルト・キムチ・みそ・チーズ・甘酒など
- オリゴ糖:きなこ・ごぼう・はちみつ・バナナ・いんげんなど
食物繊維には水溶性と不溶性がありますが、便秘でお悩みの方は水溶性食物繊維が豊富なゴボウやニンジン・豆や海藻類、腸の動きを活発にしたい場合は不溶性食物繊維が豊富な玉ねぎ・ニンニク・バナナを積極的に食べるようにしてください。
髪の毛にいい食べ物・栄養素:その⑥その他
髪の毛にいい食べ物・栄養素はここまで解説したもの以外にも、毛乳頭細胞まで酸素や栄養を運ぶ血流を促進するものや毛乳頭細胞を活性化させるもの、頭皮の皮脂分泌を抑制するもの等様々あります。
血流促進には鉄や魚に多いEPAやDHA、ポリフェノールやクエン酸があり、毛乳頭細胞や毛母細胞を活性化するものであればワサビの葉に多いイソサポナリンやアスタキサンチンに葉酸など、枚挙に暇がありません。
その他の髪の毛にいい食べ物一覧
- 血流促進:青魚・緑茶・赤ワイン・昆布・スパイスなど
- 細胞活性化:鮭・わさびの葉・トマト・甲殻類(エビ・カニ)・パプリカなど
- ターンオーバーを促進:羊や牛肉・卵・大豆・鮭・オートミールなど
薄毛を進行させる髪の毛に悪い食べ物・食習慣とは?
髪の毛が生える・増やすために良い食べ物がある一方で、薄毛を進行させる髪の毛に悪い食べ物や食習慣というものもあります。
もちろん、たまに食べる分には体は毒素を排出する機能があるため問題はありませんが、日常的に好んで食べている場合は、薄毛のリスクを高める恐れがあるので気をつけなければなりません。
薄毛を進行させる危険がある食べ物、そして食習慣をご紹介していきますので出来るだけ避けるようにしましょう。
髪の毛に悪い食べ物・食習慣:糖分が多い食事
疲れた時やストレスが溜まっている時に食べてしまうのが甘いものですが、糖分を摂りすぎてしまうと血糖値を上昇させる作用によって血流悪化の原因に繋がり、毛根まで栄養を届ける妨げになりかねません。
もちろん一定数の糖質(ブドウ糖)は生命活動をする上で必須ですが、ブドウ糖が過剰にあるとインスリンをいくら分解しても間に合わず、腎臓の機能が低下して血糖値が悪くなり高血糖の状態になってしまうほど髪の毛に悪い食べ物なのです。
特に糖分に関しては日常的に1日の摂取量を超えてしまっている人が多く、現代病として注意されているほどなので糖分の摂取には注意しましょう。
糖分の1日の推奨摂取量
一日の糖分摂取量は、2015年に世界保健機関(WHO)からも発表されている通り、平均的な成人で25g(ティースプーン6杯分)程度に抑えるべきだとされています。
この量を普段摂取する飲料に換算したものを、以下に記載したのでご覧ください。
- コーラ500ml⇒55g
- エナジードリンク420ml⇒52g
- 缶コーヒー200ml⇒15g
このように、コーラやエナジードリンクを1本飲む程度でも1日の糖分摂取量を大幅に超えてしまうため、毎日ジュースを飲んでいる人は日常的に砂糖を摂りすぎている状態となってしまいます。
長期的に砂糖を摂りすぎると高血糖状態となり、血液の流れが悪くなるので髪の毛にも悪い影響を与えてしまうのです。
髪の毛に悪い食べ物・食習慣:脂質が多い食事
脂身の多い肉やチーズ、バターを多く使うような脂質の多いものを日常的に食べると脂質の過剰摂取となり、体の中での分解が間に合わなくなると皮脂腺を通じて体外へと排出されます。
特に体の中でも頭皮には皮脂腺が多いため、日常的に高脂質の食事を摂取していると頭皮が皮脂でベタベタの状態になりやすくなり、皮脂が毛穴を塞いだり頭皮環境を悪化させる原因になるので髪の毛に悪い食べ物と言えるでしょう。
またそれだけでなく、脂質が多い食事を摂ることで血中のコレステロール値が上昇すると、その分血液の流れが悪くなるため頭皮への血流が悪化する傾向にあります。
髪の毛に悪い食べ物・食習慣:お酒の飲み過ぎ
適量であれば食欲増進効果や血流促進など、髪の毛を作るために良い効果があるお酒(アルコール)ですが、飲み過ぎてしまうと髪の毛に悪い影響を与えてしまうものになってしまいます。
アルコールは、体内に吸収され肝臓で分解される際にアセトアルデヒドと呼ばれる有害な物質が生成されます。このアセトアルデヒドを無害な酢酸へと代謝するときに大量のアミノ酸とビタミンが消費されてしまうのです。
アミノ酸やビタミンは髪の毛のタンパク質であるケラチンを合成する上で必須の栄養素なので、お酒を飲みすぎてしまうと髪の毛に必要な栄養が不足しやすい状況となります。
髪の毛に悪い食べ物・食習慣:ジャンクフード
体に悪い食べ物の代表とも言えるジャンクフードも髪の毛に悪い食べ物で、高カロリー・高塩分で栄養素が少ない食べ物の事を指します。
ハンバーガーやピザ・ラーメンなどファストフードに挙げられるものや、ポテトチップスやクッキー・チョコレートなどのお菓子に清涼飲料水も含まれるジャンクフードですが、食べ過ぎてしまうと糖質や脂質の過剰摂取になり、肥満や糖尿病・高血圧など生活習慣病を引き起こしやすくなるのです。
どうしてもジャンクフードを食べたくなった時には、サラダや具沢山のスープを追加したり清涼飲料水や炭酸飲料ではなくお茶やウーロン茶などを選ぶなどし、栄養バランスに注意してください。
髪の毛に悪い食べ物・食習慣:高AGEs食
続いての髪の毛に悪い食べ物・食習慣は、高AGEs食です。見慣れない方も多いかもしれませんが、AGEsとは終末糖化産物という体内を老化させる原因になる物質です。
AGEはタンパク質と糖質が結びつき劣化する糖化という反応で作られるもので、体内でも作られますがホットケーキやお肉を焼いた時の焼き色をイメージしていただければわかりやすいかと思います。
高AGEs食にはきつね色に揚げられた揚げ物や肉や魚を焼いた時の焦げ目、電子レンジで調理したものに多く含まれるので、調理する際は蒸す・煮るという調理法を選び電子レンジで温め直さないようにして、AGEを減らすクエン酸の多いレモンや酢をかけることを意識しましょう。
髪の毛に悪い食べ物・食習慣:過度なダイエット
決められた食材しか食べない・カロリーを極端に減らすなどという過度なダイエットは、髪の毛の栄養までも不足させてしまう髪の毛に悪い食べ物・食習慣の一つです。
ダイエットをする方に多いのが鉄分の欠乏による貧血で、貧血になれば全身の血流が主に生命維持に使われるため、末端である頭皮の毛細血管までは栄養が届きにくくなり髪の毛が細くなったり抜け毛が増えてしまいます。
糖質制限など偏った栄養素を避けるダイエットも、糖尿病治療においては良い効果を示すのですが、ご自身の現状に合った糖質制限ではなく自己流でおこなうと摂食障害や精神的疾患、筋肉量の減少や生活習慣病を招く恐れもあるので、絶対に止めてください。
髪の毛に悪い食べ物・食習慣:暴飲暴食
ストレスやダイエットの失敗・忘年会などのイベント時に行ってしまいがちな暴飲暴食も、髪の毛に悪い食べ物・食習慣です。年に数回程度であれば、気にするほど影響があるわけではありませんが、長期的に食べ過ぎたり飲み過ぎるようなことがあると髪の毛に悪い影響を与えます。
長期的な暴飲暴食がもたらすリスクとしては、動脈硬化や糖尿病・肥満があり血流が悪化してしまうばかりでなく、暴飲暴食時には栄養のバランスを省みず揚げ物や肉など消化しずらいものを食べる事が多いため腸内環境をも悪化させてしまうのです。
さらに暴飲暴食をすると胃や腸が疲弊してしまい、栄養を十分に吸収することが出来なくなるので、髪の毛に必要な栄養が不足してしまうということで髪の毛に悪い食べ物・食習慣の一つに数えられます。
髪の毛に悪い食べ物・食習慣:就寝前の飲食
帰宅時間が遅く寝る直前に食事を摂ることが多いという場合も、髪の毛に悪い食べ物・食習慣です。特に寝る前の2時間以内に夕食を摂るという方は、薄毛のリスクが高まる可能性があります。
その理由は、睡眠中だと消化器官の働きがゆっくりになるため消化に時間がかかること、そしてもう一つは睡眠の質が低下することにあり、睡眠中に分泌されるはずの成長ホルモンが少なくなってしまうからなのです。
可能であれば就寝3時間前までに夕食を済ませるのが理想ですが、難しいという場合は消化の早いスープや大豆製品・うどんなどを選ぶと良いでしょう。
食生活に不安があるなら専門家に相談しよう
ここでご紹介した髪の毛に悪い食べ物・食習慣を繰り返している、また改善の方法が知りたいという場合は、まず薄毛の専門家に相談することが一番の対策です。
なかなか止められない事が多いですし、どういった代替案があるのか・止めるためにどういうことをすればよいのかということも、専門家であれば理論的に解説することが出来ます。
髪の毛に悪い食べ物や悪い食習慣が無いという場合でも、生活の中に薄毛の原因が潜んでいる可能性があるので、健康な髪の毛を増やす・生えることを望むのであれば、気軽に相談してアドバイスを受けてみましょう。
食習慣以外の生活習慣も髪の毛の成長を妨げる
今現在も薄毛で悩んでいるという方、また将来的に薄毛になるのではという不安にかられている方の中には、髪の毛に悪い食べ物をあまり摂取していない人もいるでしょう。
それでも薄毛や抜け毛というものに対して不安や悩みがある場合は、食事ではなく生活習慣に問題があることが多いです。
どういった生活習慣が薄毛を進行させてしまうのか、髪の毛に悪い生活習慣を解説していくのでご自身の生活習慣を見直してみましょう。
髪の毛に悪い生活習慣:睡眠不足
仕事や勉強・遊びで忙しく睡眠の質が低下していたり睡眠時間がまとまって取れていないという方は、睡眠不足が髪の毛に悪い影響を及ぼしている可能性があります。
髪の毛の成長や頭皮が日中に受けたダメージは、寝ている間に分泌される成長ホルモンによって成長促進・回復が行われるのですが、睡眠時間の不足や質が低下していると十分に分泌されず、髪の毛を作る細胞まで届かなくなってしまうのです。
また自律神経のバランスが乱れてしまうことで血流が悪化し、髪の毛の主成分となるタンパク質の吸収率が低下してしまうこともあるので、髪の毛のためには早寝早起きを心がけましょう。
髪の毛に悪い生活習慣:喫煙
タバコには害があっても体のためになることはほとんど無いと言っても過言ではありません。
タバコに含まれる有害物質として有名なニコチンは毛細血管を収縮させ、タールは肺の機能を低下させて体内に取り込む酸素量が減り、一酸化炭素は血液中の酸素が欠乏するため頭皮に栄養や酸素が届かなくなるからです。
酸素や栄養が届かなくなれば、髪の毛は正常に成長することが出来ず成長途中で抜け毛となることもありますし、またニコチンの男性ホルモンを増やす働きによってジヒドロテストステロンが増えてしまうということから、髪の毛にとっても悪影響しかないと言えます。
髪の毛に悪い生活習慣:ストレスの蓄積
人の体は強いストレスを感じたり、小さなものでも積み重なってしまうと身体を緊張状態にしてしまうほか、ホルモン分泌の低下や免疫機能の異常等、様々な身体への影響が現れます。
体が緊張状態になるということは、自律神経の交感神経が活発になり体が休養できず血管の収縮による血流悪化、ホルモンの分泌量が減少してしまう・免疫機能が異常になれば自己免疫疾患が起こり本来守るべき正常な細胞を攻撃してしまうなど、様々な髪の毛への影響が生じるのです。
現段階ではストレスが薄毛・抜け毛に関係しているかをはっきりと示すデータは発表されていませんが、四川大学のHuan Song氏が研究した「ストレス関連障害とその後の自己免疫疾患との関連」で行われた実験では、自己免疫疾患のリスクが高まるという結果が出ています。
髪の毛が増えた・生えた報告がある食べ物
実は、ある食べ物を食べ続けるだけで薄毛が改善されたとテレビで話題になった食材があります。2019年に放送された「名医のTHE太鼓判!」という番組の中で、薄毛で悩むお笑い芸人が80日間継続してイワシ缶を食べるというものでした。
結果として、血中のEPAが27(40代男性の平均は75)しか無かったのが266にまで劇的に変化された理由は、豊富に含まれているEPAや良質なタンパク質です。
実際にイワシ缶を毎日食べることを1~3か月程度チャレンジしてみた人が多くいらっしゃるので、薄毛が少しずつ改善されていく様子が気になる方はインターネットで検索してみてください。
筆者もイワシ缶生活を1か月試してみた
私も1か月ほどイワシ缶を毎日食べる生活を試してみたところ、結果としては「中性脂肪値の低下・血流の改善・髪のハリが良くなった」という3つの効果を実際に感じることが出来ました。
毎日イワシ缶を食べるというのは飽きだけではない辛さがあるものでしたが、実際に試してみて良かったと感じています。味やバリエーションに変化を付けるためにアレンジしてみたものの、後悔するほどだったこともあるので、サプリメントなどでDHA・EPAなどのフィッシュオイルを取ることも一つの手かも知れません。
イワシ自体の髪の毛を増やす・生える効果をもっと知りたい方は、以下の記事も参考にして頂けますので是非ご覧になってみてください。
髪の毛が生える・増やすためにはサプリメントもおすすめ
髪の毛を増やす・生える食べ物や栄養素をご紹介してきましたが、実際に生活しているうえで全てを摂取するのは難しいと感じてしまう方も多いでしょう。
確かに、様々な食材を揃えて調理するだけでもお金や時間がかかってしまいますし、推奨されている摂取量を全て覚えて活用できる方はごくわずかだと考えられます。
そのため手軽に栄養を摂ることが出来るサプリメントを併用し、用法用量を守って正しく摂取することがおすすめです。
髪の毛が生える・増やすためのおすすめサプリメント:頭皮環境を整えるサプリメント
髪の毛が生える・増やすためには土壌となる頭皮の環境を良くすることが必要ですので、まずは頭皮環境を整え髪の毛を作る細胞が活性化する栄養を補給することが先決です。
細胞の活性化や血行促進に効果があるビタミンAやビタミンB群、ビタミンCやEが入ったマルチビタミン、またコラーゲンは皮脂の過剰分泌を抑え頭皮の水分量を一定にし、髪の毛を太く強くする効果が期待されます。
サプリメントで補給する栄養をしっかりと吸収するためにも、乳酸菌など腸内環境を整える栄養がセットになっているものを選んでみてください。
髪の毛が生える・増やすためのおすすめサプリメント:薄毛の原因を減らすサプリメント
髪の毛が生える・増やすためには、薄毛の原因となる5αリダクターゼの働きを阻害するものや女性ホルモンに似た働きをする栄養をサプリメントで補給することがおすすめです。
ノコギリヤシエキスや大豆イソフラボン・シクロユーカレノンは、テストステロンと結合してDHTを作る5αリダクターゼの働きを抑制する働きがあるため、薄毛の原因を減らす作用が期待できます。
また亜鉛にも同様の効果がありますので、これらの栄養素が含まれているサプリメントを探してみてください。
髪の毛が生える・増やすためのおすすめサプリメント:髪の毛の生成を助けるサプリメント
髪の毛が生える・増やすということは、正常なヘアサイクルに戻して太く強い髪の毛を育てることが必要ですので、髪の毛の主成分であるケラチンを作り出すシスチン・ロイシン・メチオニン、グルタミン酸やコラーゲンペプチドは必須でしょう。
またケラチンの生成を促すL-リジンに亜鉛を始め、栄養を頭皮まで届ける血流を促進するカプサイシンや高麗人参エキスなども必要となります。
以上の栄養素が複数含まれているもの、または単独の栄養素のサプリメントを上手く組み合わせて摂取するようにしてみましょう。
髪の毛を増やす・生える髪の毛にいい食べ物・栄養素を解説!髪の毛に悪い食べ物や習慣とは?まとめ
髪の毛が生える・増やす、髪の毛にいい食べ物・栄養素や薄毛が進行してしまう髪の毛に悪い食べ物や食習慣を解説いたしました。
今の自分の食生活や生活習慣を振り返り、髪の毛にいい食事を行なっているか悪い食生活をしているかを改めて確認しましょう。
髪の毛が生える・増やすことは、日ごろ送っている生活によって変わるものです。抜け毛や薄毛で不安・悩みがある方は、しっかりと髪の毛を育て伸ばすための生活に変えられるよう、その不安や悩みを解消するためにも専門家に相談してみてください。