今回ご紹介するのは、薄毛・抜け毛対策に良いとされているアーモンド。
アーモンドは、ダイエットやアンチエイジング、美肌効果などの美容効果が期待できるだけでなく育毛に良い栄養素が豊富に含まれた食品です。そのため、おつまみにお酒と食べるだけでなく、日頃からアーモンドを摂取することで、自分出来るセルフ薄毛対策の一つとして活用することが出来ます。
では、このアーモンドは髪や頭皮にどう作用するのでしょうか?
また、アーモンド以外に薄毛対策になるナッツはあるのでしょうか?
そんなアーモンドに含まれる栄養素とよりアーモンドの効果を高めるための食べ方や食べる時間、ほかの種類のナッツなどをご紹介いたします。
アーモンドの特徴は?
沢山の栄養素が豊富なことから、ダイエットや健康の為だけでなくアンチエイジングなどにも効果が期待されているナッツ。
その中でもアーモンドは、髪の毛を作る上でも必須なたんぱく質や食物繊維の含有量が特に多かったり、体にとって良い脂質が含まれていること、更に髪の毛にとって必要なビタミンが取れることから特におすすめなナッツなのです。
今回はそんなアーモンドの育毛効果や、おすすめの食べ方、またアーモンドが苦手な方でも食べられるナッツの種類をご紹介していきます。
アーモンドに含まれる育毛効果とは?
アーモンドは、ナッツの中でも多くの栄養が含まれます。アーモンドに含まれる栄養は髪に直接効果を出すわけではありませんが、数週間継続して続けることで頭皮環境を整える効果が期待され育毛しやすくなるのです。
ビタミンE
アーモンドの中で特に豊富に含まれる栄養がトコフェロール(ビタミンE)です。アーモンド100gには31.2㎎のビタミンEが含まれ、比較的ビタミンEが豊富なナッツ類の中で、圧倒的な数値を示しています。これはビタミンEが多い食品の中でもトップクラスの数値です。
品目 | ビタミンE含有量(mg/100g) |
アーモンド | 31.2mg |
ヘーゼルナッツ | 19.0mg |
ひまわりの種 | 12.6mg |
松の実 | 12.3mg |
ピーナッツ | 11.4mg |
このビタミンEは血管を広げて血行を促進する働きがあります。髪の毛が成長するためには、血液によって栄養が運ばれてくる必要があります。そのため、ビタミンEによって血行を促進させるとより毛母細胞に栄養を届けることが出来ます。
また、ビタミンEには従来よりアンチエイジング効果もあるといわれています。ビタミンEにある抗酸化作用により、活性酸素の害から体を守ることができ、体の老化を防ぐ効果が期待されています。
髪の毛を作る毛母細胞は活性酸素の分泌が多い箇所のため、ビタミンEにより頭皮の老化を遅らせる効果が期待され、更に血管を拡張する働きがあることから、頭皮の血行がよくなり髪の毛の成長に必要な栄養が行き届きやすくなる作用もあるのです。
亜鉛
亜鉛は、毛髪の成長に不可欠なミネラルです。亜鉛は、髪の毛はたんぱく質から作られますが、たんぱく質を髪の毛へ作り変える時に欠かせない栄養です。また亜鉛と髪の毛の関係はそれだけではありません。
AGA(男性の薄毛)や抜け毛の原因である5αリダクターゼという酵素の働きを抑える作用もあることで注目されています。そのため、当店でも薬を使わずに育毛させるためには、亜鉛は必須であることを皆様にお伝えしています。
この亜鉛は、牡蠣やレバーなど中々日ごろあまり食べない物に豊富に含まれる栄養であるため、必要量を食事で賄うのは困難な栄養の一つです。そして、前述のアーモンドはこの亜鉛含む身近な食品だったのです。
タンパク質(アミノ酸)
アーモンドはタンパク質、特に体内で生成することができない必須アミノ酸が豊富に含まれています。
タンパク質は色々な種類のアミノ酸がたくさん集まって作られ、そして髪の毛もタンパク質から生成されるケラチンタンパク質で出来ているため、アミノ酸が不足すると髪の毛の成長や健康に大きな影響を与えます。
中でも必須アミノ酸は体内で作ることができないため食べ物から摂取する必要があるのですが、アーモンドにはロイシン・イソロイシン・リジン・メチオニンなど9種類の必須アミノ酸スコアが78と、ナッツ類や穀物の中でも上位に位置しているので不足しがちなアミノ酸を補う為にもアーモンドはおすすめです。
不飽和脂肪酸
アーモンドは脂質が多く含まれる食品ですが、その多くは不飽和脂肪酸のオレイン酸やリノール酸で、体に良い脂質です。不飽和脂肪酸は血中の中性脂肪や悪玉コレステロールを減らして血液をサラサラにする働きがあります。
髪の毛の成長に必要な栄養は血液の流れにのって毛根まで運ばれるため、血液がドロドロの人は髪に必要な栄養が行き届きにくくなる可能性があります。
また血液がサラサラになることで高血圧や動脈硬化などを予防することも可能です。髪の毛や健康のことを考えたらぜひ摂っておきたい栄養素です。
ビタミンB群
丈夫で健康な髪の毛を作るために必要となるビタミンB群も、アーモンドには豊富に含まれています。
ビタミンB2やB6・ビオチンはタンパク質からケラチンを生成する際に使われる栄養素で、頭皮の皮脂が過剰に分泌されるのを抑え適切な環境を維持することにも使われ、さらに白髪にも効果があるのでアーモンドは育毛・薄毛対策に欠かせない食べ物なのです。
ビタミンB群には毛母細胞の活性化や糖質や脂質の代謝を助けるという作用もあり、水溶性のため多少多く摂取してしまっても尿として排出されるので普段の食事にプラスしてアーモンドを食べるようにしましょう。
食物繊維
人の体内では消化できないことから、大腸の掃除をしてくれるのが食物繊維。大体の食べ物は小腸で栄養などに変わり吸収されてしまう中で、食物繊維だけは大腸まで残ります。そのことから、便秘を防いでくれて、腸内環境を整えるために欠かせない栄養素です。
また、他にもこんな働きがあります。
- 血糖値の上昇を緩やかにする
- 糖などを排出したりして脂肪をつきにくくする
- 血中コレステロール(生活習慣病の原因の一つ)を低下させる
十分な栄養素をとれていても、体に吸収されなければ髪の毛の栄養にもなりにくいため、髪の毛の為にも摂取することがおススメです。
沢山の効果がある食物繊維ですが、なんと日本人は基準値を摂取できていないことが、厚生労働省の発表で明らかになっています。【日本人の食事摂取基準(2020年版)より】
食物繊維の理想的な摂取量は1日当たり24グラムとされていますが、成人した多くの日本人は1日当たり14グラムしか摂れていないのです。
アーモンドには育毛に繋がるこんな効果も!
アーモンドに含まれている栄養素には、直接育毛に関係するものだけでなく間接的に毛母細胞に働きかけ薄毛対策になる栄養素も含まれています。
どういった栄養素が薄毛対策となる効果を発揮するのか、アーモンドに秘められた力をご紹介していきましょう。
睡眠の質を上げる効果
アーモンドに含まれているアミノ酸のトリプトファンは、体内で分泌される睡眠ホルモンのメラトニンの材料となるため、質の良い睡眠を取り健康な髪の毛を作ることに効果を発揮します。
さらにビタミンB6・マグネシウムはメラトニンの生成に必要な栄養素でアーモンドに含まれているので、睡眠の質を上げる為にも朝食の時にアーモンドを食べるようにする事がおすすめです。
腸内環境を整える効果
アーモンドには、腸内の掃除屋と言われるほど腸内環境を整える作用がある不溶性食物繊維を豊富に含んでいます。
水に溶けない不溶性食物繊維は胃腸で水分を含んで膨らみ、腸を刺激して有害物質や体に不要なものを吸収して便のカサを増やしスムーズに排出できるようにする働きがあります。
さらに不溶性食物繊維は腸内の善玉菌のエサとなり腸内細菌のバランスを最適な状態にするという働きによって、腸内環境を整えてくれるので栄養の吸収率を高め頭皮にまで栄養を届けられるようになるという事です。
アーモンドの効果を高める方法2選
アーモンドは素焼きアーモンドがおススメ
アーモンドには大きく2種類「生アーモンド」と「素焼きアーモンド」があります。生アーモンドとはローストしていないアーモンドであり、素焼きアーモンドとは、市販で売っている茶色いアーモンドです。
安全性等を考えると「素焼きアーモンド」をおすすめします。「アーモンドはローストされることで栄養素が大きく損なわれる」など説がありますが、全くのウソです。ビタミンEでは、ローストすることによって失われる栄養素は約5%程度。31.2mg/100gから29.64mg/100gに変わるだけです。
むしろ、カルシウムやマグネシウムなどの栄養はローストすることで増えます。
また、生アーモンドは2つの危険があります。
1つ目はサルモネラ菌です。生アーモンドの保管状態によっては、サルモネラ菌に汚染されてしまい食中毒になることも…。そのため保管状態などを気にする必要があります。
2つ目に、生アーモンドは酵素抑制物質が含まれるため、ローストしたアーモンドより消化する際に内蔵に負荷がかかる可能性があります。
アーモンドミルクにしても良い
アーモンドミルクは、アーモンドと牛乳を混ぜたものではなく、アーモンドとお水を合わせた飲み物です。そのため、牛乳と比べて低カロリー、停止質、コレステロールゼロといった特徴があります。
また、乳糖やグルテンが含まれていないため、牛乳を飲むとお腹が痛くなる人にも飲む事が出来ます。ただし、市販のアーモンドミルクは、砂糖が豊富に含まれている場合がありますので、飲む量にはご注意を。
アーモンドを食べる時間は食前がおすすめ
アーモンドを食べるべき時間を実は2018年5月に研究結果で明らかとなっています。アーモンドを食べる時、推奨されるのが食前又は間食です。
体脂肪を落としたい人は、食前で、血中のコレステロール値を改善したい人は間食がおすすめです。
というのも、「アーモンドによるダイエット効果」が研究されました。
NRP誌に掲載されたこの研究は、健康な韓国人成人169名を対象に行われました。参加者を無作為に3つのグループに分け、体脂肪率と血中コレステロール値の変化を16週間測定しました。1つのグループは毎日食前にアーモンド(56g)を摂取し、もう1つのグループは毎日間食としてアーモンド(56g)を摂取、最後のグループは高炭水化物・等カロリーの制限食を摂取しました。
その結果、食前にアーモンドを摂取したグループの体脂肪率は平均0.35%(0.01±1.26kg)減少し、間食として摂取したグループは平均0.17%(0.17±1.53kg)増加しました。
また、食前にアーモンドを摂取したグループは制限食のグループに比べ、体脂肪率、内臓脂肪量、総脂肪が減少し、体組成が全般的に改善されました。
引用:https://www.sankeibiz.jp/business/news/180510/prl1805101113062-n1.htm
上記のとおり、食前にアーモンドを毎日摂取することで、食事を制限するより、体脂肪率、内臓脂肪量、総脂肪が低下したのです!
そのため、美容効果も期待できますね。
また並行して「アーモンドを食べる時間によって血中コレステロール量に差があるのか」についても研究されています。
アーモンドを摂取する前の総コレステロール値とLDLコレステロール値と比較すると、間食として摂取したグループは総コレステロール値が16.55mg/dL(±20.50mg/dL)、LDLコレステロール値が16.02mg/dL(±28.52mg/dL)と大幅に減少しました。食前にアーモンドを摂取したグループの総コレステロール値とLDLコレステロール値も減少しましたが、コレステロール値が10.84mg/dL(±20.33mg/dL)、LDLコレステロール値が9.05mg/dL(±17.75mg/dL)と大きな差がありました。
引用:https://www.sankeibiz.jp/business/news/180510/prl1805101113062-n1.htm
その結果、間食にアーモンドを摂取すると、悪玉コレステロール値が大幅に減少するといった結果が出ています。期間としては、16週の結果ですので3か月アーモンドを間食に50g前後食べるだけでこれだけ血液がサラサラに変化しています。
髪の毛には血流の流れも重要ですので、育毛にも期待できそうですね。
アーモンドの1日の摂取量は?
アーモンドの1日当たりの適切な摂取量は20~25粒程度です。男性では、約22粒、女性では約20粒で1日の摂取目安量を摂取することが出来ます。また、カロリーも120~150kcal程度のため、ダイエット中でも安心して食べることが出来ますよ。
アーモンドは食物繊維が豊富なため、食べすぎるとお腹を下す原因になることもあります。アーモンドの摂取は何よりも適正量を継続して摂取すること非常に重要です。1日の摂取量を守り継続して数か月続けることがポイントなのです。
アーモンド以外の育毛効果のあるナッツは?
では、アーモンドがどうしても苦手な方もいらっしゃいますよね。そんな方はほかにどんなナッツが育毛効果があるのでしょうか?
アーモンド以外にも髪の毛に良いナッツをご紹介していきます。
クルミ
髪の毛の材料であるケラチン(たんぱく質)は、18種ものアミノ酸から作られています。
その中でも「メチオニン」と呼ばれるアミノ酸はヒトの体内では合成することのできないアミノ酸で、クルミに多く含まれています。
メチオニンが体内から減ると、利尿機能が低下し、むくみを起こしたり動脈硬化の可能性が高まったり、抜け毛が増えるといった原因に繋がります。
また、摂取することで体内でアレルギーなどを引き起こすヒスタミンの血中濃度を下げる働きや肝臓での老廃物や毒素を排除し、代謝を良くしてくれる働きがあるのです。
他にもうつ病や精神疾患を改善する効果も期待されているメチオニンが含まれるクルミは、髪の毛の為にも日頃から摂取することがおすすめなナッツと言えます。
ちなみに1日の摂取目安は4~10粒ほどで多くても約200キロカロリーです。生でもローストでもどちらでもよいでしょう。おやつや間食にちょうどいい量ですね。
カシューナッツ
カシューナッツは髪の毛を作っているミネラルの一つ「亜鉛」が多く含まれているナッツです。
クルミと同様、髪の毛の為には欠かせない栄養素が含まれるナッツになります。
ハンバーガーやラーメンといったファーストフードばかり食べていたり、過度な食事制限などをしていると亜鉛が不足しやすい傾向がありますので注意しましょう。
また、サプリメントで摂取されている方も、基本は食事やナッツから摂取できるように心がけてあげることも大切です。亜鉛はカシューナッツ以外にも肉類や魚介類、野菜などにも多く含まれていますので合わせて摂取することもおすすめです。
1日の摂取目安量は12粒程度です。15粒程度で約150キロカロリーほどになります。
ただ、ローストしたカシューナッツは100グラムで約576キロカロリー程となりますので食べすぎには注意してくださいね。
ピーナッツ
ピーナッツにも多くの脂質が含まれていますが、アーモンドと同様に「不飽和脂肪酸」という体に良い脂質が含まれており、血液をサラサラにしてくれるための手助けをしてくれます。更には不足しがちなビタミンB1やビタミンE、葉酸(水溶性のビタミン)、髪の毛に必要なミネラルの一つであるマグネシウムが含まれています。
そして何より、ビタミンB群の一つ「ナイアシン」の含有量が野菜の中でトップクラスなのです。
ナイアシンは糖質や余分な脂質を燃やしてエネルギーに変えたり、体内でアルコールを分解する際に働く酵素を助ける「補酵素」としての役割を担っています。つまりナイアシンが不足するとアルコール分解の際に代わりに体内のビタミンが使われてしまい、抜け毛や薄毛進行の原因になりやすいのです。
ピーナッツ(いり)の1日の摂取目安は25粒ほど。手のひら一杯くらいの量になり、カロリーは約174キロカロリーになります。他のナッツに比べてカロリーは低いですが、食べ過ぎるとカシューナッツと同じく高カロリーになってしまうため注意が必要です。
マカダミアナッツ
マカダミアナッツも他のナッツと同じく、体に良い脂質が大半を占めるナッツです。食べすぎにはもちろん注意ですが、他にもたんぱく質やビタミン、ミネラルが豊富に含まれているのが特徴になります。
また、脂質が多いことから、便秘解消や体温を保つ働きがあり、冷え性にも良いとされています。
食べていくうちに良質な脂質のおかげで血管の質が上がり、生活習慣病の予防にもなることから、髪の毛の為にも是非取りたいナッツです。
1日の摂取目安は10~13粒ほどです。体調に合わせて食べることをお勧めします。
ピスタチオ
ナッツの女王と呼ばれるピスタチオ。ピスタチオ特有の栄養素は、抗酸化作用を持つ「βカロテン」や同じくミネラルの一つで身体の水分量を調節してくれる「カリウム」などがあります。
カリウムはアーモンドにも含まれていますが、ピスタチオがナッツの中でも含有量が1番多いのです。
また、ピスタチオには目をブルーライトから守る「ルテイン」と「ゼアキサンチン」と呼ばれる栄養素も含まれているため、疲れ目の軽減にも効果が期待されています。
ピスタチオの1日の摂取目安は40~45粒(25グラムほど)が適量かつおすすめです。カロリーは多くても約154キロカロリーなので、おやつとしては適正な量と言えるでしょう。
最後に
いかがでしたでしょうか?
身近な食べ物であるアーモンドは育毛に効果的なビタミン、ミネラルをはじめ、育毛や薄毛対策に効果的な様々な栄養が含まれているという事が分かりました。
ハチミツが付いたアーモンドや塩が振ってあるアーモンドなど数多くの種類が販売されていますが、気を付けてほしいのが摂りすぎには注意な、塩分と糖質です。よりおいしく食べられるように、一工夫されているものがあります。
健康や育毛のことを考えるとやはり何も添加されていないアーモンドが良いといえます。
また、アーモンドが苦手な方でも他にも多くの魅力的なナッツがあります。自分の好みや体調に合わせて摂ることで、育毛効果を期待することができますので是非食べてみてくださいね。
アーモンドは男性のみならず、女性の育毛や美容に効果的なんです。
またアーモンドには脂肪燃焼効果があることが近年の研究で明らかとなっています。