昨今「サ活」「サ道」などの言葉が一般的になりつつあるサウナですが、「サウナに入ると薄毛になる」という説があるようです。その一方で「サウナには育毛効果がある」という説もあるようですが、いったいサウナは髪の毛に対してどのような効果があるのでしょうか。
今回はサウナに入ると薄毛になるといわれている理由、サウナには育毛効果があるといわれている理由、そして髪の毛に対して効果的なサウナの入り方を解説します。
サウナに入ると熱の影響でハゲるという噂は本当？
結論からいうと、サウナの入り方によっては髪や頭皮に悪影響が出る場合がありますが、ハゲるリスクはかなり低いです。
むしろ「正しい入り方」をすれば育毛効果が期待できます。
そのため、サウナ好きの人は、ぜひ参考にしてください。
また、動画でも解説致しますので合わせて参考にしてください。
サウナへ入ると薄毛になると噂される理由とは
サウナに入ると薄毛になる理由としては以下の2点がございます。
- 高温・低湿度により髪や頭皮が乾燥してしまう
- サウナでかいた汗や皮脂
高温・低湿度により髪や頭皮が乾燥してしまう
サウナ内は高温であると同時に湿度10~20%程の低湿度の環境です。髪の毛は乾いた状態でも90℃以上でダメージを受けてしまうといわれているので、サウナが高温であればあるほど髪の毛はダメージを受けてしまいます。
髪が濡れている状態は髪の水分・成分を保護してくれているキューティクルが開いている状態でダメージを受けやすくなってしまいます。乾燥が進んでしまうと髪の毛が絡まったり、切れ毛枝毛、ツヤの低下に繋がっていきます。
また皮脂は、頭皮を外部の刺激から保護するために本来必要なものですが、これが乾燥することにより、過剰な皮脂の分泌を引き起こし、過酸化脂質となって頭皮に悪影響を及ぼすことで抜け毛が増加して薄毛に繋がってしまいます。
サウナでかいた汗や皮脂
サウナに入るとたくさんの汗や皮脂が出ます。汗をかくことで新陳代謝機能が活発になり、ターンオーバーの周期を正常にさせる事で毛穴の詰まりを解消する事が出来ます。
しかし、この汗や皮脂をしっかりと洗い流さなければ、雑菌が繁殖して頭皮の環境が悪くなってしまい抜け毛や薄毛の原因となってしまうので、サウナから出たらしっかりと頭を洗い流しましょう。
また大量に汗をかいた後に十分な水分補給を行わなければ血流の悪化を招き、髪の毛に必要な栄養素を運ぶことができず、こちらもまた抜け毛や薄毛の原因となってしまうのです。
サウナに期待される育毛効果について
サウナには育毛効果がある理由としては以下の4点がございます。
- 頭皮の血行促進
- ヒートショックプロテインの増加
- 自律神経を整える
- 睡眠の質の向上
サウナに期待される育毛効果①：頭皮の血行促進
髪の毛を丈夫に育てるには、酸素や栄養素を血液に運んでもらう必要があります。
サウナに出たり入ったりすると交感神経系が活発になり、血行が促進されます。血行が促進されると老廃物の排出が進み、髪の毛に必要な栄養が頭皮にいきわたるため、発毛効果が期待できるといわれています。
サウナに期待される育毛効果②：自律神経を整える
自律神経は交感神経と副交感神経の2つに分けられ、交感神経は活動的に、副交感神経は安静的に働いており、お互いに反対の作用を持ちます。しかし、ストレスがかかり続けると交感神経が強まり、バランスが乱れていきます。自律神経が乱れていると血管が収縮し血流が悪くなります。頭皮の血流が悪くなると髪の毛に栄養がいかなくなり、発毛が阻害されてしまいます。
サウナと水風呂に交互に入る事で血管の拡張・収縮運動が正常になり、髪の毛にもしっかりと栄養が行き届きやすくなります。また、自律神経が乱れていると消費されやすく、髪の毛の育毛に必要な亜鉛の消費を抑える事が出来ます。
亜鉛はAGAの原因でもある5αリダクターゼを抑制する働きがあるため、薄毛に悩んでいる方には必須の栄養素でもあります。
サウナに期待される育毛効果③：睡眠の質の向上
睡眠の質が向上することは育毛にとって非常に効果的です。
髪の成長や頭皮の新陳代謝は成長ホルモンによって行われます。睡眠不足になると成長ホルモンが十分に分泌されず、健康な髪に育たなかったり、頭皮の修復ができずに頭皮環境が悪化し、抜け毛や薄毛の原因となってしまいます。
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があり、これらは約90分毎に交互に繰り返しています。
成長ホルモンは深い眠りのノンレム睡眠の際に分泌されており、ノンレム睡眠の割合が高い状態が質の良い睡眠だといわれています。
サウナに入ることで身体の芯が温められ、そのあとに外で涼むことで身体の中心部は冷えていき、血行が良くなってきた手足などは温かく感じていきます。この温度差により眠くなり、深い眠りに入りやすくなります。
また、サウナに入った日と入らなかった日では、深い睡眠の割合が2倍近く高くなることがわかっています。
サウナに期待される育毛効果④：ヒートショックプロテインの増加
サウナに入ると熱により人間の体内にあるたんぱく質が損傷します。
その際にHSP（ヒートショックプロテイン）が生まれ、損傷したタンパク質を補修します。
ヒートショックプロテインは免疫力の向上や代謝の促進といった効果以外にも毛穴の奥にある毛母細胞が分裂して髪の毛を生み出すことを促進してくれます。
年齢とともに毛穴の奥のコラーゲンが少なくなることで毛包が小さくなり、髪の毛を作る細胞の働きが悪くなってしまうため、年齢を重ねてくると、抜け毛や薄毛の悩みが増えてきます。育毛はこのコラーゲンを増やす必要がありますが、その働きを助けてくれるのがこのヒートショックプロテインなのです。
正しいサウナの入り方
ここまで「サウナに入ると薄毛になる」「サウナには育毛効果がある」理由を述べましたが、どのようにサウナに入れば育毛効果を得ることができるのでしょうか。ここでは正しいサウナの入り方を紹介いたします。
1.水分補給はしっかりと
入浴前後に水分補給をしっかりと行っておくことで血流促進効果をあげたり、脱水症状の防止にもなります。血液がドロドロの状態では本来血液によって運ばれるはずの酸素や栄養素が髪の毛にいきわたらなくなってしまい抜け毛や薄毛の原因となってしまいます。サウナ前後と休憩時にコップ一杯を目安に飲むと良いです。
2.シャワーを浴びる
汗をかいていたり皮脂などが詰まってしまっている状態は汗をかきにくくなる他、マナーの部分でもご法度です。
身体を清潔にし、かけ湯で温めておくと汗をかきやすくなります。
3.10分程度サウナに入る
サウナに入る時間は10分程度が良いとされています。その際に、
・軽く濡らしたタオルを頭に巻く
・ヘアオイルなどをつける
・サウナハットを被る
などをすることによって髪や頭皮を乾燥から守ることができます。
先ほども説明したようにサウナ内は非常に高温で湿度が低く、乾燥しやすい環境です。髪や頭皮も乾燥してしまうと様々なトラブルを起こしてしまうので乾燥には十分気を付けましょう。
4.かけ湯をして水風呂へ
サウナを出たらかけ湯で汗を流し水風呂に入りましょう。
この時いきなり冷水をかけてしまうと身体もびっくりしてしまいますので、最初の方はぬるま湯からかけて慣らすことをオススメします。
5.外気浴をする
水風呂から出たら外気にあたって30分ほど休憩しながら水分補給などをしましょう。
実際に外でなくても室内の椅子やゆっくりできるスペースでの休憩でも大丈夫です。
水風呂や外気浴をされない方も多いようですが、サウナ→水風呂→外気浴を行うことで、いわゆる「ととのう」というような状態を感じることができるようです。
6.サウナ後はしっかりと頭皮を洗う
サウナに入った後に軽いシャワーだけで済ましてしまうと汗や皮脂が詰まったままの状態になってしまいます。
サウナに入った後はしっかりと髪や頭皮を洗いましょう。
その際には、洗浄力の強いシャンプーを使用したり、力強く洗うのではなく、アミノ酸系シャンプーを使用し、頭皮をやさしくマッサージするように洗うことを意識し、洗い流しの際もしっかりと時間をかけて頭皮に洗い残しがないようにしましょう。
すでに薄毛になってしまっている場合でもサウナは効果的なのか
ここまででサウナは正しい入り方をすれば、育毛効果が得られることが分かったと思います。では、すでに薄毛になってしまっている場合はどうでしょうか。正しい入り方をすれば髪は生えてくるのでしょうか。
結論、すでに薄毛になってしまっている場合は、サウナだけでは髪の毛を生やすことは出来ません。
薄毛になってしまった場合、髪の毛を生やすためには頭皮環境の改善を行うことで髪の毛が生えやすい土壌を作ることや、髪の毛の成長を阻害するジヒドロテストステロン（DHT）の抑制をすることが大事になってきます。
薄毛を治したい場合は、一人で悩まず、皮膚科や薄毛の専門家に相談してみてください。
まとめ
本記事では「サウナに入ると薄毛になる」「サウナには育毛効果がある」「正しいサウナの入り方」について解説させていただきました。
サウナは正しい入り方を意識していけば育毛効果があるということが理解できたかと思います。
・乾燥を防ぐために濡れたタオルを巻いたりサウナハットを使用する
・サウナから出たら髪や身体を綺麗に洗う
・しっかりと水分補給を行う
これらを意識し育毛効果を得ながら健康な身体を手に入れましょう。
