気付いた時には、ぽっかり穴が開いたように髪の毛がなくなってしまう円形脱毛症。
昔から「10円ハゲ」とも言われている抜け毛ですよね。
円形脱毛症は、誰にでも突然出来る可能性があります。また一度出来るとその後、繰り返し出来ることも。
更に、この円形脱毛症は、広範囲・複数個所で抜けてしまうこともあります。
何か大きな病気なの?と不安になってしまう方も…。
円形脱毛症とその抜け毛には特徴があることをご存知ですか?
抜け毛が起きる原因と、その兆候を知っておくことで起きてしまった時に、慌てずに対処することができます。
今回は、円形脱毛症の抜け毛と原因と対策についてお伝えします。
10円ハゲ(円形脱毛症)とは?
円形脱毛症とは、円形や楕円形の脱毛斑が突然生じる疾患のことです。
一般的には、10円玉ほどの脱毛が多いとされますが、重度の場合、10円ハゲが数カ所に生じる症状や、頭部全体に広がるものや、まつ毛や眉毛、体毛にまで及ぶ重度なものまで症状は様々です。
円形脱毛症の種類
- 単発性円形脱毛症・・・1箇所のみ髪の毛が脱毛する(10円ハゲ)
- 多発性円形脱毛症・・・複数化箇所の髪の毛が脱毛する
- 蛇行性円形脱毛症・・・首筋の周りの後頭部・耳周りなどが帯状に脱毛する
- 汎発性円形脱毛症・・・髪の毛だけでなく、眉毛や睫毛など体毛まで脱毛する
- 全頭性脱毛症・・・髪の毛全てが脱毛する
10円ハゲが起きる4つの原因とは?
10円ハゲなど円形脱毛症が生じる原因はいまだに詳しくは明らかになっていない部分が多くあります。その中でも、一部分だけが脱毛してしまう要因として考えられている4つの原因をご紹介します。
- 自己免疫疾患
- ストレス性
- アトピー素因
- 遺伝的要因
10円ハゲの原因①自己免疫疾患
自己免疫疾患とは、免疫機能が正常に働かなくなり、免疫細胞が自分の細胞を攻撃してしまう病気です。
本来、正常な免疫反応はウイルスなどから体を守るために攻撃して体内に侵入しないように防ぐ役割を担っていますが、何らかの影響で免疫機能の異常が起き、自分の正常な毛根を攻撃してしまう事で、円形脱毛症のような症状が起きてしまうのです。
自己免疫疾患が生じる原因は解明されていない部分が多くありますが、次のようなことでも起きる可能性があるとされています。
- 病気(高熱など)
- 強いストレス
- 感染症
10円ハゲの原因②ストレス性
以前までは、円形脱毛症というとストレスのイメージが強かったのですが、最近だとストレスは直接的要因というよりは、円形脱毛症が発症しやすい状態を作り出す間接的要因として考えられています。
ストレスがかかると、交感神経が活発になります。交感神経が活発になると血管が収縮され血流が悪くなり、髪の毛まで血液が十分に行き届かなくなり、栄養不足の状態に陥ってしまうことで脱毛が起こりやすくなります。
また、ストレスに関連する疾患が原因で、自己免疫疾患を発症する可能性が高くなることが研究によって明らかとなっています。
まだ詳しい因果関係などは明らかになってはいませんが、ストレスをあまり溜め込まない生活を心がけましょう。
10円ハゲの原因③アトピー素因
アトピー素因とは、アトピー疾患(アトピー性皮膚炎・気管支炎・アトピー性鼻炎のいずれか)を持っている人の事を言います。
円形脱毛症患者の40%以上がアトピー素因を持ち、半数以上が本院や家族にアトピー素因が認められています。
このように、アトピーと円形脱毛症の間には深い関連があると考えられています。
10円ハゲの原因④遺伝的要因
円形脱毛症患者の約8%に、同じ円形脱毛症を発症している家族がいるというデータがあります。
また、発症率は親等が近いほど高くなり、一親等の発症率は二親等以上の家族の10倍にもなると言われています。
このことから、円形脱毛症は遺伝的要因が深く関わっていると考えられています。
10円ハゲ(円形脱毛症)の抜け毛の特徴
10円ハゲのような円形脱毛症の抜け毛には通常の抜け毛と全く異なる特徴があります。自分自身の抜け毛が「通常の抜け毛」か「円形脱毛症による抜け毛」かを確認しましょう。
毛根の形がいびつ
円形脱毛症の抜け毛は、普通の抜け毛と毛根部分の形が異なります。通常の抜け毛は、毛根部分がふくらんでいて毛先に向かって細くなる特徴がありますが、一方、円形脱毛症の抜け毛は、毛根がいびつな状態であることが多いです。
髪の毛はヘアサイクルがあり、成長期→退行期→休止期の順に成長します。通常はこの休止期で髪の毛は抜けますが、円形脱毛症の場合、成長途中で毛根が傷つき、いびつな状態で抜け落ちます。
髪の毛が簡単に抜ける
10円ハゲのような円形脱毛症は、症状が起きている場所を「軽く引っ張るだけで簡単に抜けてしまう」特徴があります。
円形脱毛症などは自己免疫が毛根に存在するメラニン色素に対して攻撃してしまう事によって起きることが多く、頭皮の内側で既に髪の毛が断裂してしまっていることがあります。
そのため、髪の毛を固定する毛包が機能せず、軽く引っ張るだけで抜けてしまうのです。
10円ハゲ(円形脱毛症)の治療法について
薬を使用して治す場合は、塩化カルプロニウムにより血流を改善して毛根を刺激する方法や、紫外線治療・赤外線治療があります。小さな円形脱毛症の場合は、これらの施術で2~3か月で自然と治る場合がほとんどですが、多発した場合や広範囲の脱毛の場合は長期的な治療が必要となります。
しかし、薬を使用した場合、どうしても副作用があります。そのため、赤外線治療などで治療を行うケースもあります。実例を3例ご紹介します。
例1)赤外線治療+体内環境改善+頭皮環境改善+育毛エッセンス導入
例2)赤外線治療+体内環境改善+頭皮環境改善+育毛エッセンス導入
例3)赤外線治療+体内環境改善+頭皮環境改善+育毛エッセンス導入
体内環境改善や頭皮環境改善は、その人にあった体質・体格など全てを見極めたうえでご指導しております。
そのためその人だけのオリジナルの発毛プランをご提供しています。その結果、髪の毛だけでなく、持病が軽減されたり体力がついたりなど良い副産物の報告もあります。
円形脱毛症は治るまでの期間の目安
円形脱毛症は範囲・数によって治りやすさに大きな差があるのが特徴です。
10円玉ぐらいの大きさの範囲でしたら、何もしなくとも基本的には数ヶ月で自然治癒するケースがほとんどです。
しかし、円形脱毛症が数か所やそれぞれがつながり大きな円形脱毛症になってしまった場合は、治すのにかなり時間がかかってしまう事があります。
広範囲の円形脱毛症の場合、自然治癒となると、長い年月がかかります。場合によっては中々治らないこともあります。広範囲において、抜けてしまったときは、円形脱毛症に適した治療をしてあげることで通常よりも早く治すことが可能です。
円形脱毛症の時の注意事項
円形脱毛症患者の約30~50%は1年以内に髪の毛が回復するといわれています。しかし、約15%の患者は、全身の毛が抜けてしまう汎発型になるともいわれています。
また、円形脱毛症の怖い所は、再発率が高い所です。
再発してしまう原因の一つとしては、円形脱毛症が自己免疫疾患によって起きる脱毛症であるためです。毛根の攻撃が一時的なものであっても、一度自分の細胞を攻撃してしまうことがあると、体はその生体反応を覚えています。そのため、何かの拍子で再び自分の毛根を攻撃してしまうことがあります。
治ったと思ったら、また再発した…そんな時は、その数か月前に次のことが起きていないか確認してください。
- 何か病気にかかっていないか?
- 大きなストレスはないか?
- 普段と変わったことがあったか?
思い当たる節があるようでしたら、この出来事が原因で再発している可能性があります。
再発を防ぐ方法はあるのか?
円形脱毛症の原因がまだはっきり判明していない為、これをすると発症・再発を防げるというのは残念ながらありません。
ですが、発症・再発をしてしまった際に、治療していくうえで重要になってくるのが生活習慣です。
ストレスをため込まず適度に発散したり、日々の疲れをしっかりとるために睡眠時間を十分に確保し、質の良い睡眠をとるようにしましょう。
生活習慣を見直して、健康的な生活を送る事が大切です。とはいえ、それでも発症・再発してしまう事もあります。円形脱毛症はしっかりと治療を行わないと、範囲が拡大する場合や多発することがあるので、早期に専門家に相談しましょう。
最後に
いかがでしたか?
円形脱毛症が発症してしまったら、早めに専門家に相談し適切な治療を行うことが大切です。
なかなか人には相談しにくい悩みではあるので、一人で悩んでしまう方もいるでしょう。しかし、自分一人で悩みを抱え込んでしまうと、ストレスが溜まり余計に悪化してしまう恐れもあります。
一人で抱え込まずにまずは専門家に相談してみましょう。