毎日使うシャンプーですが、ドラックストアなどでパッケージや自分の好きな香りを探して選ぶことが多いのではないでしょうか?
「とりあえず…ノンシリコンシャンプーなら安全で大丈夫!」とお考えの方も少なくありませんし、香りは良くても髪の毛に有害な成分が含まれている可能性があります。
この記事を見ておられるということは、少なくとも髪の毛や頭皮に良いシャンプーを探している、または頭皮や髪の毛に悪い成分を使っていないシャンプーを探したい方でしょう。
そこで今回は、発毛技能士がおすすめするシャンプーを選ぶ基準と選び方、そしてシャンプーに含まれる良い成分と悪い成分を解説していきます。
シャンプーを選ぶ時に重要な基準は2つ
まず最初に、シャンプーを選ぶ時に必要となる基準として重要なポイントを2つ、ご紹介していきましょう。
シャンプーは基本的に頭皮を清潔な状態にし、髪の毛にハリやコシを与えて健やかに育てるために必要なものなので、香りや価格も大切ですが最も重要となる基準は肌や髪質・悩みに合っているかです。
現在、特に頭皮や髪の毛に不安がない方でも、将来的に薄毛になる可能性が高い家系や生活習慣が乱れている方は、これからご紹介するシャンプーを選ぶ基準を参考にして下さい。
シャンプーを選ぶ時に重要な基準:頭皮の肌質に合ったものを選ぶ
頭皮も顔や手などと一繋ぎになった皮膚ですので、顔や体と同じように肌質を基準として選ぶことが、おすすめのシャンプーの選び方です。
日中や夕方には頭皮がベタつく脂性肌の方は、多少洗浄力が高い成分を使用したシャンプーを選ぶようにしましょう。また乾燥肌の方や敏感肌の場合は、肌に優しい洗浄成分のアミノ酸系やベタイン系のシャンプーを使ってみてください。
乾燥肌でも脂性肌でもない、標準的な肌質をしている方も洗浄力の優しいアミノ酸系や天然素材を使用したシャンプーを選ぶ事をおすすめします。
シャンプーを選ぶ時に重要な基準:頭皮や髪の毛の悩みにあったものを選ぶ
2つ目のシャンプーを選ぶ時に必要となる基準は、頭皮や髪の毛に対する悩みを改善してくれるシャンプーを選ぶことです。
頭皮の皮脂が多くべたつく方はしっかりと皮脂を落とせるシャンプーがおすすめですし、抜け毛が気になる方はスカルプシャンプーを、髪の毛のボリュームが欲しい方はノンシリコンシャンプーなど、目的別にシャンプーを選んでみましょう。
フケやかゆみが気になる方には薬用シャンプーを使用し、症状が回復したら別の悩みを解消してくれるシャンプーを探すようにしてください。
シャンプーには大まかに4つの種類がある
シャンプーを選ぶ基準をご紹介しましたが、洗浄成分と言われても何が違うのか分からないという方も多いと思います。
実は、美容室専売品や市販のシャンプーでも、洗浄成分は大まかに分けると4つのタイプ分かれています。それぞれに肌質・髪質に合うかどうかを吟味して使わないと、頭皮や髪の毛に悪影響を及ぼすことがあるのです。
これからご紹介していく洗浄成分とそれぞれのメリット・デメリットを見ていただき、シャンプーを選ぶ時には成分表示を確認してみてください。
高級アルコール系のメリット・デメリット
高級アルコール系の洗浄成分は、強い洗浄力と泡立ちが良いことが特徴です。高級とついてはいますが、原料が手軽な価格なので様々な商品に使用されています。
メリットとしては、低価格の商品が多いことや高い起泡性・スタイリング剤やベタつく皮脂がスッキリと洗い流せるなど、市販されているシャンプーで一番多く使用されている洗浄成分です。
高級アルコール系シャンプーのデメリットは、その洗浄力の高さから皮脂を取りすぎてしまう・頭皮への刺激が強い、頭皮や髪の毛が乾燥してしまうなどがあります。
高級アルコール系シャンプーの洗浄成分
高級アルコール系シャンプー | 代表的な成分 |
---|---|
硫酸系 | ラウレス硫酸Na ラウリル硫酸Na (C12,C13)パレス-3硫酸Na |
オレフィン系 | オレフィン(C14-16)スルホン酸Na オレフィン(c12-14)スルホン酸Na |
石鹸系のメリット・デメリット
石鹸系の洗浄成分は、天然成分で洗浄力が高いことが特徴です。数千年前から使われるような、天然成分を原料にした界面活性剤を使用しているため、頭皮や髪の毛にも優しいシャンプーだと言えます。
石鹸系シャンプーのメリットは、頭皮や髪の毛はもちろん環境にも優しいという高い安全性、そして洗浄力が強いので洗い上りがサッパリすることです。
反対に、デメリットは弱アルカリ性で脱脂力が強いので洗い上りの髪の毛がきしむ、また石鹸かすが残りやすく髪の毛がごわつく・皮脂の過剰分泌が起こりやすくなる人が多いなどがあります。
石鹸系シャンプーの洗浄成分
石鹸系シャンプー | 代表的な成分 |
---|---|
アルカリ系 | 石けん素地 カリ石けん素地 |
酸性 | ラウレス-4酢酸Na ラウレス-4カルボン酸Na |
アミノ酸系のメリット・デメリット
アミノ酸系の洗浄成分は、洗浄力が程良く保湿力に優れていることが特徴です。人の体と同じ弱酸性のアミノ酸系界面活性剤を使用しているので、肌への刺激も少なく保湿性が高いです。
メリットとしては、必要な潤いを残しながら汚れを落とせること、髪の毛がまとまりやすくなる・乾燥性のフケが無くなるなどがあります。
アミノ酸系シャンプーのデメリットは、値段が高いことが多い・元々皮脂が多い人は頭皮がベタつくなどで、洗浄力が弱いと感じる人もいるでしょう。
アミノ酸系シャンプーの洗浄成分
アミノ酸系シャンプー | 代表的な成分 |
---|---|
グルタミン酸系 | ココイルグルタミン酸Na ラウロイルグルタミンNa |
アラニン系 | ココイルメチルアラニンNa ラウロイルメチルアラニンNa |
サルコシン系 | ココイルサルコシンNa ラウロイルサルコシンNa |
グリシン系 | ココイルグリシンNa |
イセチオン系 | ココイルイセチオン酸Na ラウロイルイセチオン酸Na |
アスパラギン酸系 | ラウロイルアスパラギン酸Na |
ベタイン系シャンプー | 代表的な成分 |
ベタイン系 | コカミドプロビルベタイン ラウロイルプロビルスベタイン ココアンホ酢酸Na |
オーガニック系のメリット・デメリット
オーガニック系の洗浄成分は、有機栽培された植物性の成分使用で肌に優しいことが特徴です。頭皮や髪の毛に優しい成分のシャンプーが多く、市販されている商品にも増えてきています。
オーガニック系シャンプーのメリットには、製品に対する安全性や安心感がある・化学物質を使用している割合が少ないことや、敏感肌の方でも安心して使用出来るなどです。
また、デメリットには防腐剤不使用のために起こる使用期限の短さ、ごわつきやパサつきが起こりやすい、値段が高いことが多いなどがあります。
オーガニック系シャンプーの洗浄成分
オーガニック系シャンプー | 代表的な成分 |
---|---|
天然系 | ココイルメチルタウリンNa コカミドプロピルベタイン ラウロイルメチルアラニンNa ココイルグルタミン酸Na |
シャンプーに入っている良い成分と悪い成分を解説
シャンプーは頭皮や髪の毛を清潔にするために使用しているものですが、良い成分ばかりではなく体に悪い成分が含まれていることがあります。
頭皮や髪の毛を健やかに維持するためのシャンプーが、実は薄毛や抜け毛を招いているという可能性もあるので、ご自身が使っているシャンプーに以下の成分が含まれているかどうかを確認してみましょう。
シャンプーに入っている良い成分
シャンプーには、頭皮や髪の毛についた汚れや余分な皮脂を落とすための界面活性剤(洗浄成分)以外にも、保湿やダメージ補修の効果や髪の毛を滑らかにするなどしてくれる成分も含まれています。
ハリやコシを与える加水分解ケラチン(またはシルクなど)や保湿成分のヒアルロン酸・セラミドなど、また薄毛予防・改善に効果があるトコフェロールやセンブリエキスを思い浮かべる方もいるかもしれません。
これら以外にも天然素材の椿油や馬油、植物エキスなどはダメージ保護や保湿・頭皮ケアなどに効果を発揮するため、ご自身の悩み改善や頭皮や髪の毛に合わせて使って欲しい良い成分です。
シャンプーに入っている悪い成分
シャンプーに含まれる悪い成分ですが、基本的には厚生労働省が許可を出して販売されているものですし、健康な方であれば使用上何の問題も無いかもしれません。
しかし、肌質・髪質に合わないものや長期間の使用でダメージや悪影響を被ってしまうものは、体に悪い成分と言えます。赤色や青色〇号と表記されているタール系色素の一部は、海外では使用が禁止されていますし使用量の制限も掛けられています。
防腐剤として使用されているパラベン・フェノキシエタノールなどは人により刺激を感じますし、洗浄力が強いラウリル硫酸塩・ラウレス硫酸などの界面活性剤は皮脂の過剰分泌、またはフケ・かゆみや乾燥を招くため、おすすめ出来ない体に悪い成分です。
自分に合ったシャンプーの選び方4選
ここまで、シャンプーを選ぶ基準や種類、良い成分・悪い成分を解説してきましたが、実際にシャンプーを選ぶとなると分からなくなってしまう方も多いでしょう。
そういった方のために、主に重視する「肌質・髪質・悩み」という3つのポイントと、簡単に添加剤が少ないシャンプーを見極める4つの選び方をご紹介します。
肌質からシャンプーを選ぶ
まず一つ目のシャンプーの選び方、それは自分の肌質に合う洗浄成分を使用したシャンプーを選ぶことです。
各洗浄成分の項目でもお知らせしましたが、乾燥肌や敏感肌の方はアミノ酸系やオーガニック系のシャンプーを選ぶと、頭皮トラブルを起こしにくくなります。
脂性肌の方やスタイリング剤を使用している場合は、汚れや皮脂をサッパリと落としてくれる高級アルコール系というように、肌質を中心に選ぶことがおすすめの選び方です。
髪質からシャンプーを選ぶ
続いてのシャンプーの選び方その2は、髪質の状態から自分に合うシャンプーを選ぶことです。
細く弱い髪質の方は、ボリュームをアップさせられる加水分解ケラチンなどの成分が入ったノンシリコンシャンプーがおすすめで、くせ毛や硬くしっかりした方は保湿力の高い成分やオイル成分が多いものを選びましょう。
また、枝毛や切れ毛が多い方はダメージリペア成分の豊富なもので、シャンプー後にはトリートメントやヘアオイルなどを併用することがおすすめです。
悩みを解消するシャンプーを選ぶ
フケやかゆみ、臭いやニキビなどの頭皮トラブルや抜け毛が多いというような悩みがある場合は、それぞれの悩みにあった成分が含まれているシャンプーを選ぶことがおすすめの選び方です。
基本的には低刺激のアミノ酸系洗浄成分を使用したシャンプーで、フケであればグリチルリチン酸ジカリウムやミコナゾールなど抗菌・抗炎症成分を含むもの、臭いやベタつきには炭酸シャンプーやクレンジング力のあるシャンプーを選んでください。
抜け毛が多く薄毛の不安がある場合は、血流促進成分や頭皮を適切な状態に保つセンブリエキス・ホホバ油・トコフェロール酢酸エステルを含んでいるかを確認する事をおすすめします。
シャンプーの色からシャンプーを選ぶ
実は、簡単にシャンプーに含まれている添加物が少ないかどうかを判別する方法があります。それは、ボトルの中に入っているシャンプーの透明度を確認することです。
白や薄い色で濁っているシャンプーは、本来混ざることがない成分同士を乳化剤で混ぜ合わせており、またシリコンなど油分を多く含んでいるため光の屈折によって濁った色をしています。
不要な油分・シリコンや添加剤を避けたシャンプーを選びたい方、出来るだけ頭皮や髪の毛に悪い成分を使用したくない方は、シャンプーの液体が透明なものを選ぶようにしましょう。
シャンプー選びも薄毛の専門家にお任せください
肌質や髪質・悩みなど、シャンプーを選ぶ時には様々な選択肢があり、また含まれている成分にも注意した方が良いということが分かって頂けたでしょうか?
主なシャンプーの選び方をご紹介しましたが、ご自身が思っている肌質・髪質と実際の肌質・髪質が異なる場合も多く、さらにシャンプー後は「髪がきしむくらいが気持ちいい」と思っている方も大勢いらっしゃいます。
ですが、髪の毛や頭皮の状態に少しでも悩みがある場合は、まずその悩みを解消することがおすすめです。市販されている商品でもおすすめ出来るシャンプーがありますし、ご自身にちゃんとあったシャンプーを見つけるためにも、是非お気軽に専門家へ相談してみてください。
シャンプーを選ぶ基準で大切なこと
シャンプーを選ぶ時は、洗浄成分や含まれていることで欲しい効果を得られる成分などをポイントにすることが大切です。
もちろん見た目や香り・値段も気になるところではあるのですが、シャンプーを選ぶ基準として大切にして欲しいことがあります。
またシャンプーとコンディショナー・トリートメントは同じブランドで揃えるのか、シリコン入りとノンシリコンシャンプーでのおすすめなども解説していきましょう。
パッケージのデザインより中身の成分を基準にしよう
直接頭皮や髪の毛に使用するシャンプーは、実際のところ使ってみないと良いか悪いかがわからないと感じる方もいるでしょう。
しかし、配合されている成分だけでどのような効果があるか、またトラブルが起こる可能性があるかがわかるため、成分を確認することはシャンプーを選ぶ基準として一番大切です。
デザインが良いパッケージであっても、成分がご自分に合っていなければ頭皮や髪の毛を痛めてしまいますので、デザインが気に入らない場合は詰め替え容器を用意するなどしましょう。
成分表示は含有量が多いものから順番になっている
基本的に、シャンプーなど化粧品に含まれるものは成分を全て表示しなくてはなりません。そのため、シャンプーの成分表示はほとんどが水から始まり、上記の画像のように洗浄成分(界面活性剤)、続いて悩みを解消する成分やシリコン・香料・着色料などの順番になっています。
ですので、気になったシャンプーがあれば裏面の全成分表示を確認し、洗浄成分やそれに続けて悩みを解消出来る成分が含まれているかをチェックしましょう。
その上で香りやデザイン・値段に納得のいくシャンプーを是非見つけてみてください。
シャンプーとコンディショナーやトリートメントは同じブランドでなくても良い
ほとんどの方がシャンプーと同じブランドで、コンディショナーやトリートメントを揃えているかと思います。
もちろん構成している成分のバランスが良く、香りも統一されるのでおすすめですが、特にこだわりが無いようであれば別々のメーカーのものでも構いません。
また季節や運動量など、その時々で合うシャンプーを用意しておくという使い方もおすすめです。
ノンシリコンとシリコン入りはどちらがおすすめ?
シリコンには、髪の毛にツヤを与えて質感や手触りを良くする効果や熱のダメージから守る効果がある一方で、頭皮トラブルのもとになったりパーマ液や毛染め液をはじいてしまう等のデメリットがあります。
ノンシリコンシャンプーは、主にオーガニック系やアミノ酸系のシャンプーの中でシリコンを使用していないものを指すことが多いです。
ツヤ・指通りを良くしたい方や髪の毛のダメージがある方はシリコン入り、髪の毛が細くボリュームが足りない方やアレルギー体質の方はノンシリコンシャンプーというように、自分の求めている効果から選ぶと良いでしょう。
シャンプーを選ぶ基準は成分?シャンプーの良い成分・悪い成分と選び方を解説まとめ
今回はおすすめのシャンプーを選ぶ基準や選び方、そしてシャンプーに含まれている髪の毛や頭皮に良い成分・悪い成分を解説いたしました。
シャンプー一つでも含まれている成分によっては薄毛やフケ・かゆみを促進してしまうこともありますし、反対に悩みを改善してくれる効果もあります。
将来的な頭皮や髪の毛への不安を解消出来るのもシャンプーですので、良い成分・悪い成分を見極めて自分に合うシャンプーを見つけられるようにしましょう。
また、今回解説した基準や選び方をしてもどう選ぶべきか分からない方は、気軽にお近くの薄毛の専門家や下記のボタンからご相談ください。