マカは滋養強壮や性欲増強、老化防止などが期待でき、タンパク質や亜鉛などの成分が豊富に含まれるため、活力のある生活をしたい男性が好むサプリメントです。
そんなマカですが、マカを飲むと「ハゲやすくなる」「薄毛になる」とも言われているようです。
マカを飲むと本当にハゲやすくなったり、薄毛になったりするのでしょうか。
今回はマカを飲むとハゲたり、薄毛になったりしてしまうというのは本当かを確認しながら、マカを飲むことで得られる効果についても解説していきたいと思います。
そもそも「マカ」って何?
マカはアブラナ科の植物でペルーのアンデス山脈に自生しています。
アンデス山脈は干ばつや冷害などが発生し、平均気温が低いという植物にとってかなり厳しい環境です。
しかしその中でもたくましく育ち、周囲の植物が育たなくなるほど土から栄養を吸い上げるため、そのためマカには栄養が豊富に含まれています。
マカに含まれる栄養素
マカには以下の栄養素が豊富に含まれています。
- 炭水化物
- アルギニンなどのアミノ酸を含む必須アミノ酸
- ミネラル
- タンパク質
- 食物繊維
- ビタミン
上記の成分がバランス良く含まれており、男性機能の改善・性欲増強、女性の更年期障害に伴う症状の改善、疲労回復などの効果が挙げられます。
マカを飲むとハゲや薄毛になってしまうのは本当か?
マカにはさまざまな栄養素が豊富に含まれており、身体に良い影響があることが分かったと思います。
そんなマカで「ハゲやすくなる」「薄毛になる」といわれているのは何故でしょうか。
先程記述したようにマカには滋養強壮や精力向上、男性機能の改善の効果があります。
それによりマカを飲むとテストステロンが増加してハゲる、性欲が強くなり男性ホルモンの分泌が増えてハゲやすくなるなどと言われています。
結論からいいますと、マカを飲んでもハゲやすくなったり、薄毛になったりはしません。
マカを飲んでもテストステロンは増えない
マカに含まれるベンジルグルコシノレートにはホルモンバランスを整える効果があります。
髪の毛が薄くなっている際は、ホルモンバランスに乱れや血流低下が起きているのですが、マカにはホルモンバランスを整え抗酸化力を向上させるベンジルグルコシノレートが含まれている事によって、抜け毛を予防し髪の毛を増やす・生やす効果が期待されています。
ベンジルグルコシノレートに期待される効果・効能として以下が挙げられます。
- 滋養強壮
- 成長ホルモン分泌促進
- 老化防止
- 疲労回復
- 女性ホルモンバランスの調整
- 精子の運動量・精子量の増加
- 更年期による症状の緩和
滋養強壮、性力向上などと聞くとテストステロンの増加によりハゲやすくなったり、薄毛になると言ったようなイメージを持つ方が多いため、マカを飲むと副作用で髪の毛が薄くなってしまうというようなことが考えられています。
しかし、ベンジルグルコシノレートには男性ホルモンを増やす働きがありません。
そのため、マカを摂取しても副作用でハゲやすくなったり、薄毛になることはありません。
むしろマカには育毛効果が期待できる
ここまででマカの副作用でハゲやすくなったり、薄毛になったりはしないことが分かったと思います。
むしろマカにはタンパク質やビタミン、ミネラルといった髪の毛の発育に必要な栄養素が豊富に含まれているため、育毛効果が期待できるとされています。血管を良好な状態に保って頭皮や髪の毛に栄養を行き渡らせたり、髪の毛を作る工場である毛母細胞の老化を抑制する働きがあります。
マカを取るだけで髪の毛を生えるのか?
実際にマカを摂取することで髪の毛を生やしたり増やしたりする効果を期待して摂取を勧められるのかと疑問に思うかもしれませんが、結論から申し上げますと、マカを服用することによる育毛効果は期待できると言えます。
ただし、すでに薄毛が進行している方の場合ですと、AGAの治療と並行してマカのサプリメントを摂取する事は、髪の毛を生やすことに繋がる可能性はありますが、あくまでもサプリメントなので確実に髪の毛を生やしたり増やす効果があるとは言えません。
AGAの初期症状が現れている方であれば、薄毛対策の一つとして、マカのサプリメントを取り入れることがおすすめです。
マカに期待される抜け毛予防効果とは
では具体的にマカを取ることで髪の毛にどんな効果が期待されているのでしょうか。
マカに含まれる成分を参考に髪の毛への効果を確認していきましょう。
アルギニン
マカに含まれるアルギニンは必須アミノ酸と呼ばれる体の中では合成することができないアミノ酸の一種で、成長ホルモンを分泌させるために必要な栄養素です。また、アルギニンには髪の毛を作る工場である毛母細胞の老化を抑制する働きや血管を拡張させ血流を促す効能があり育毛効果も期待されています。
ビタミンB6,B12
頭皮は体の中でも皮脂分泌が多く、生活習慣の乱れやストレスがかかると過剰に皮脂が分泌されるため、頭皮がベタついた状態になりやすいです。また皮脂の過剰分泌が続くと、頭皮に雑菌が増えて頭皮トラブルの原因となります。
マカに含まれるビタミンB6,B12は脂質の代謝を促すビタミンで、頭皮トラブルの原因である余分な皮脂の抑制効能があります。
ビタミンE
マカに含まれるビタミンEには主に2つの効果が期待されています。
- 血管を拡張させて血流を促す
- 抗酸化作用があり、細胞の健康を維持する
ビタミンEは細胞の老化を防ぐだけではなく、血行を促進させる効果があるため、ビタミンEを多く含むマカは育毛効果が期待できます。
亜鉛
マカに含まれる亜鉛は髪の毛の成分であるケラチンを合成するのに必要なミネラルです。亜鉛は吸収率の悪いミネラルであるためビタミンCやクエン酸などと一緒に摂取することで効率的に育毛効果を得られます。
マカに期待できる主な効果・効能
ここではマカに期待できる主な効果や効能についてご紹介いたします
。現在はまだ動物実験での結果ばかりで、人体での効果は研究が進められている段階ですが、人間への臨床試験では性欲向上・更年期症状の緩和が明らかだという結果が認められているため、今後の研究で様々な効果あるということが明確になると期待されています。
男性機能の改善・性欲増強
マカに含まれるアルギニンはタンパク質から変換されるアミノ酸の一つで、主に成長ホルモンの分泌、筋肉増強、免疫力の向上や血流を改善する効果があり、体内で一酸化窒素を生成を高める作用があることで、勃起障害(ED)の改善につながると考えられています。
また、マカに含まれるグルコシノレートは体内で代謝されると性欲の向上に働きかけます。
女性の更年期障害に伴う症状の改善
マカは主に男性が好み飲んでいるイメージがありますが、女性にも効果的です。
更年期は卵巣から分泌されるエストロゲンという女性ホルモンが減少し、ホルモンバランスが乱れることによって身体に様々な症状を引き起こします。マカには植物性のエストロゲンが含まれているため、女性が飲むと生理不順なども改善できます。
また、ホルモンバランスを整える効果によって、男性の場合でも新陳代謝の改善や肌や髪の毛の状態が良くなったり、生殖能力が向上したりします。
血管を健康にして髪の毛に栄養を与える
マカは血管の老化を防ぐ抗酸化作用をもつ成分を豊富に含んでおり、血管の老化を防ぐことで血流の滞りを解消します。血流がスムーズになることで頭皮や毛穴の隅々まで血液が行き渡ります。
男性ホルモン以外の薄毛の4つの原因について
薄毛の原因にはどのようなことが挙げられるのでしょうか。
先程からも述べているような男性ホルモンの増加が原因なのかを確認していきたいと思います。
その1:生活習慣の乱れ
まず、薄毛の原因として生活習慣の乱れが挙げられます。一言で生活習慣と言っていますが食事や睡眠、運動など様々な要因がある為、それぞれ細かく見ていきます。
栄養バランスの良い食事を
食事には髪の毛に対して育毛効果が高いような「良い食事」と薄毛の原因を作る「悪い食事」があります。
「悪い食事」の例としては以下が挙げられます。
糖分が多い食事を摂ると、血糖値が上昇することで血流が悪くなってしまい髪の毛や頭皮に栄養が行き届かなくなります。
また、高血糖の状態はインスリンの機能が低下し細胞内に糖質が移動せず血流中に残っている状態のため、糖質と血中のタンパク質と結びつき、AGE(終末糖化産物)を形成します。AGEが多いと老化しやすくなるのですが、老化によってもAGAは進行してしまうため、糖分が多い食事はなるべく控えるようにしましょう。
適度な飲酒は血管を拡張させる効果があるため、髪の毛や頭皮には非常に良いものとなっていますが、次の日まで残ってしまうほど過度な飲酒は髪の毛や頭皮にとって悪い影響を及ぼします。
アルコールを摂取すると、肝臓にて分解され、有害物質「アセトアルデヒド」が生成されます。このアセトアルデヒドを無害な酢酸へと代謝する際に大量のアミノ酸とビタミンが消費されます。アミノ酸やビタミンはケラチン(髪の毛の主成分)を合成するのに必要です。つまり、アルコールを過剰に摂取することによって本来髪の毛に使われるはずの栄養がアルコールの分解に使われてしまうのです。
ファストフードなどの脂質の高い食べ物や味付けの濃い食べ物も薄毛の原因となってしまいます。過剰に脂質を摂ってしまうと体内での分解が間に合わなくなり、皮脂腺から体外に排出されます。頭皮には多くの皮脂腺があるため、脂っこい食事を日々行っていると頭皮が皮脂でベタベタの状態になってしまうのです。皮脂でベタついた頭皮は雑菌の温床で様々な頭皮トラブルを引き起こします。
また、脂っこい食事は血中のコレステロール値を上昇させるため、血流が悪くなり、髪の毛や頭皮に栄養が行き渡らなくなってしまいます。脂っこい食事を日常的に行っていると、皮脂の過剰分泌による頭皮トラブルが起きるだけでなく、血行不良により髪の毛や頭皮へ栄養が行かなくなるという頭皮環境への悪影響が見られるのです。
その2:質の悪い睡眠
睡眠不足が続くと薄毛が進行してしまうといわれている理由として以下の2つが挙げられます。
- 頭皮の修復が出来なくなる
- 自律神経の乱れによる血行不良
頭皮の修復が出来なくなる
日中に起こる頭皮へのダメージは寝ている際に修復をしているため、睡眠時間が不足すると修復の時間が充分に取れなくなり、髪の毛の成長に必要な成長ホルモンの分泌が足りなくなってしまいます。
自律神経の乱れによる血行不良
自律神経は交感神経と副交感神経が交互に入れ替わることによって全身の血行が良くなると言われていますが、睡眠不足の状態は交感神経の働きを優位にしてしまいます。その結果、血管の収縮が起きて血行が悪くなってしまうのです。血行が悪くなると、髪の毛に必要な栄養素が充分に行き渡らなくなり、健康な髪の毛が育ちにくくなります。
その3:運動不足による血行不良
運動不足が慢性的に続くと、体の中で以下の3つの変化が起き、この3つの変化が間接的に毛根への血流を不足させることでAGAを進行させる原因となります。
- 基礎代謝の低下
- ジヒドロテストステロンの蓄積
- ストレスの蓄積
基礎代謝の低下
運動不足により代謝が下がると、体温の維持機能の働きが悪くなり、平熱が低くなります。平熱が低いと末端冷え性や血行不良を引き起こします。血行不良になってしまうと髪の毛に栄養が行き届かなくなってしまうため、髪の毛が細くなったり、薄毛になってしまいます。
ジヒドロテストステロンの蓄積
運動不足が続くとAGAの原因物質であるジヒドロテストステロンが蓄積しやすくなります。ジヒドロテストステロンが髪の毛に成長を止めるように信号を送ることで髪の毛が成長できなくなり抜けてしまうのです。
ストレスの蓄積
運動がストレスを軽減することは科学的に認められています。運動をして筋肉を使うと、リラックス状態となり血管の拡張や筋肉の弛緩などストレス反応を弱めてくれる効果があります。
ランニングやウォーキングなどの有酸素運動は血流アップにつながるので発毛や育毛には効果的です。
その4:遺伝や疾患
薄毛や抜け毛が増える進行性の薄毛は、遺伝やホルモンの影響、生活環境が複雑に絡み合い現れる症状です。また脂漏性脱毛症や甲状腺疾患・膠原病などの疾患・疾病などによっても抜け毛が増え薄毛になることがあったり、抗がん剤や抗生物質などの薬剤を使用することでも薄毛になったりします。
マカの副作用は?
マカには抜け毛を予防する効果や髪の毛を生やしたり増やしたりする効果が期待できることがわかりましたが、マカの副作用や安全性についても解説致します。
マカの安全性
マカについては様々な動物実験が行われており、毒性がないことや、長期的に摂取したとしても安全性が高いことが認められています。
ただし、甲状腺に問題のある方、妊婦や授乳婦の方の摂取は控えた方が良いかもしれません。
マカの副作用
マカを過剰に摂取してしまうとホルモンバランスを崩す恐れや下痢を引き起こす、頭痛やニキビ、不眠などと言った副作用が現れる場合があるため、マカを摂取する場合は用量用法を守った上で摂り過ぎないようにしましょう。
まとめ
マカの副作用によって「ハゲやすくなる」「薄毛になる」と言われている理由や、マカに期待される育毛効果などについて解説していきました。
マカの滋養強壮のイメージにより男性ホルモンが増えてハゲやすくなったり、薄くなってしまったりするという噂があるようですが、実際にマカを摂取しても男性ホルモンが増えることはなく、ハゲやすくなったり薄毛になってしまうことはありません。むしろマカには髪の毛の成長に必要な栄養素が豊富に含まれているため、育毛効果や薄毛予防が期待できます。
ただし、あくまでもサプリメントであるため、マカを摂取するだけで髪の毛が生えてくるというようなことはありません。薄毛や抜毛はしっかりとその原因に対して対策を行う必要があるため、既に薄毛になってしまっている方は、まずは専門家に相談しましょう。