・最近になってフケが出て気になっている
・フケ症の原因を知り、正しいケアの方法を知りたい
・フケなのか皮膚病なのかの基礎知識がほしい
上記のように女性の多くが抱える頭皮の悩みの一つにフケがあります。
乾燥やストレスが原因で発生しやすいフケですが、その具体的な原因や対策を知ることは、頭皮の健康を守るために欠かせません。
この記事では、フケの原因や女性によく見られる頭皮トラブルについて詳しく解説します。
さらに、正しいシャンプーの方法やドライヤーの使い方、乾燥から頭皮を守る予防法なども紹介していきます。 女性の美しい髪のために、頭皮の健康を保つための正しいケア方法を知ることが大切です。
ぜひこの記事を参考にして、頭皮トラブルから解放されましょう。
あなたはどのタイプ?フケの定義や種類について
日本人の多くが抱える悩みのひとつ、それがフケ。 あなたは自分のフケの種類を知っていますか?
実は、フケには大きく2種類のタイプがあり、それぞれに異なる原因と対策が存在します。
ここではフケの定義と種類、その特徴について解説します。
フケの定義
フケは、頭皮のターンオーバーに伴い排出される古い角質片のことを指します。
この角質片は、通常、皮脂、汗、そしてホコリと共に混ざり合って形成されます。 健康な人々も同じようにフケが生じることはあるものの、その量や大きさが増加すると、肩に散らばったり、髪に取り付けられるなどして、その存在が目立つようになります。
このような状態を一般に「フケ症」と称します。
フケの種類は大きくわけると2種類
フケには大きく2つのタイプがあります。
ひとつは「パラパラした乾燥したフケ」で、もうひとつは「ベタベタした脂性のフケ」です。下記にてそれぞれの特徴を見ていきましょう。
パラパラした乾燥フケの特徴4つ
パラパラした乾燥したフケは、頭皮の乾燥が原因で発生するタイプです。 このフケは小さな白い粉状のもので、頭皮や髪に降り積もってしまいます。
パラパラした乾燥したフケの特徴
- 色は白色
- 小さな見た目
- 乾いている
- 肩などに落ちる
ベタベタした脂性フケの特徴4つ
ベタベタした脂性のフケは、頭皮の脂っぽさが原因で発生するタイプです。
このフケは黄色っぽいカサブタのようなもので、頭皮の油分が髪や頭皮に付着してフケとなって表れます。
ベタベタした脂性したフケの特徴
- ベタベタと湿っている
- 頭皮に張り付いている
- 黄みがかっている
- 大きな塊の見た目
フケの原因とは?頭皮のフケの正体【乾燥フケ編】
フケの原因として頭皮の乾燥や皮脂の過剰分泌、さらには特定の皮膚疾患など、様々な要因がフケの発生に関与していることがわかっています。
頭皮はそもそも他の部位に比べてバリア機能や保湿機能が低いといった特徴があります。
まず、頭皮が乾燥する3つの原因として、 「乾燥肌 洗浄力の強いシャンプーで洗っている」「ドライヤーの温度が高すぎる」「よく乾かせていない」 といったことが考えられます。
乾燥している頭皮は、外からの刺激に弱い状態になるため、ターンオーバーが乱れて、フケやかゆみを発生させてしまいます。
間違ったスキンケア【乾燥フケタイプ】
間違ったスキンケアも、フケの原因になることがあります。
過剰な洗浄や先ほども解説したように頭皮に刺激を与えるシャンプーの使用は、頭皮のバリア機能を弱め、乾燥を引き起こす可能性があります。
適切なスキンケアを実践するためには、頭皮に優しい洗浄剤を選びが必要です。
紫外線やパーマ、カラーリングによるダメージ(乾燥タイプ) 紫外線やヘアスタイルの加熱、カラーリング剤などによる頭皮へのダメージも、フケの原因の一つです。
これらの要因によって頭皮が乾燥し、フケが発生することがあります。 日焼け止めや帽子の着用、ヘアスタイルの頻繁な変更の制限などを行うことで、頭皮のダメージを最小限に抑えましょう。
フケの原因とは?頭皮のフケの正体【脂性フケ編】
続いて脂っぽいフケについて解説していきます。
フケの原因の一つは、乾燥などによる過剰な皮脂分泌です。
皮脂は頭皮の保護や保湿をする役割を持っていますが、過剰に分泌されると頭皮に詰まり、脂性のフケを引き起こすことがあります。
ストレスによる掻きむしり【脂性タイプ】
ストレスは、脂性フケの原因となることがあります。
ストレスによって自律神経が乱れると、皮脂の過剰分泌やかきむしりの習慣が生まれることがあります。頭皮の環境悪化やターンオーバー不良を引き起こすので注意が必要です。
生活習慣の乱れ【脂性タイプ】
睡眠不足、食生活の乱れ、不規則な生活、疲労なども原因の一つです。
こうした生活習慣がホルモンバランスの乱れを招いてしまい、頭皮のターンオーバーに影響を与えることでフケやかゆみとなって現れてしまいます。
洗髪不足【脂性タイプ】
洗髪をしていなく、皮脂が多い状態の場合、マラセチア菌というカビや細菌など、皮脂を栄養とするため、必要以上に増殖してしまいます。
このため、ターンオーバーが乱れて大量のふけが発生してしまいます。 汚れや埃など、古い角質とまざりあってベタベタした脂性ふけが出てきます。
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)
上記であげたフケの原因とよく間違われるものとして「脂漏性皮膚炎」があげられます。
これは頭皮が赤くなる状態が多いです。乳児に発症する脂漏性皮膚炎は自然に治っていきますが、成人型の場合は、症状が続いたり、再発を繰り返すことがあります。
「脂漏性皮膚炎」の主な原因は、まだ明確にはわかっていませんが、遺伝や環境、精神的なものなどが関与した多因子疾患と考えられています。
また、最近ではマラセチア菌というカビが関与していると言われています。
フケが引き起こすよくあるトラブル2選
フケが引き起こすよくあるトラブルとしては、抜け毛やかゆみがあります。
抜け毛は髪の量や質に影響を与えるだけでなく、自信や外見の美しさにも関わってきます。
かゆみは頭皮の状態を悪化させ、不快感をもたらすことがあります。 ここでは、フケが引き起こすトラブルについて解説していきます。
フケが引き起こすよくあるトラブル①:抜け毛・薄毛
フケで頭皮の健康状態が悪くなり、バリア機能が低下すると雑菌や刺激から守る力が低下してしまいます。
そうなると、血行が悪くなるため、毛髪の成長が遅くなったり、抜け毛や薄毛が増えたりすることがあります。 フケが原因で抜け毛が増えることは、多くの人にとって深刻な問題です。
フケが引き起こすよくあるトラブル②:かゆみ
もう一つのフケのトラブルは、かゆみです。
フケが頭皮にたくさん蓄積すると、かゆみを感じることがあります。 かゆみは非常に不快な症状であり、頭をかくことでさらに炎症を引き起こす可能性もあります。
フケによるかゆみの原因は、頭皮の乾燥だけでなく、フケの菌やカビの増殖も関与しています。 フケが大量に発生すると、菌やカビが繁殖しやすくなり、かゆみの原因となることがあります。
フケに効く!いますぐできる正しいケアや予防法
ここでは、フケの原因や種類、正しいケア方法、予防法などについて詳しく解説します。
頭皮の乾燥や皮脂の過剰分泌、ストレスなど、さまざまな要因がフケの発生に関与しています。 正しいケアを行うことで、頭皮の健康を保ち、フケから解放されることができるでしょう。
皆さんが健やかな頭皮と美しい髪を手に入れるためのヒントをご紹介します。
洗髪を正しい方法で行う
洗髪は日常のケアの基本ですが、正しい方法で行うことが重要です。
まず、適切な温度のお湯を使いましょう。熱すぎるお湯は頭皮を乾燥させる原因となります。 また、シャンプー剤は頭皮に合ったものを選びましょう。 頭皮のタイプに合ったシャンプー剤を使用することで、フケの原因を改善することができます。
洗髪の際は、やさしくマッサージするように洗いましょう。頭皮を刺激しすぎることは避けてください。
正しい洗髪方法9ステップで解説
- 髪の毛は下向きに洗う
- ブラッシングでトラブルを回避
- シャンプー前の「予洗い」をしっかりと
- 洗面器を使って洗いましょう
- シャンプーの泡立てをしっかりと行う
- 髪を上向きにすすぐ
- トリートメント(コンディショナー)をつける
- 優しくタオルドライする
- 生乾きはNG・ドライヤーで手早く乾かす
洗髪中、たとえかゆみがあったとしても頭皮を強い力で掻きむしるのは控えましょう。
例えば、爪を立ててゴシゴシ洗うなどです。詳しくは下記の記事で詳しく解説しています。
生活習慣を変える
フケの発生には生活習慣も関係しています。
バランスの取れた食事や十分な睡眠をとることは、頭皮の健康にも良い影響を与えます。 また、ストレスを軽減するためにリラクゼーション法やヨガなどを取り入れることもおすすめです。
体の内側からのケアもフケ対策に効果的です。
シャンプーの方法を見直す
シャンプーの方法や洗浄成分の選択にも頭皮の健康に大きな影響を与えることがあります。
まず、シャンプーをする際には適切な量を使いましょう。 過剰なシャンプー剤は頭皮を刺激し、乾燥を引き起こす可能性があります。 直接液を頭皮につけるのもNGです。 泡だった状態で優しく散布するようにしましょう。
また、洗浄成分には界面活性剤が含まれていることが一般的ですが、刺激の強い成分を選ばないようにしましょう。
ノンシリコンのシャンプー剤や天然成分が配合された製品を選ぶこともおすすめです。
シャンプー選びのポイント
おすすめはフケ専用の洗浄剤です。
フケ原因菌の増殖を抑える成分である「ミコナゾール硝酸塩、硫黄、二酸化セレン、ジンクピリチオン」が入っているシャンプーやトリートメント(コンディショナー)を選びましょう。
頭皮への刺激が少ないマイルドな洗浄剤を選ぶ必要がありますが、フケは頭皮にこびりついていて離れないため、適度な洗浄力が必要です。
ここは頭皮をしっかり洗うためにも大事なポイントの一つです。
ドライヤーを正しく使用する
シャンプーの後、髪をしっかりと乾かすことは、スタイリングの成功だけでなく、頭皮の湿気を防ぎ、カビや雑菌の増殖や臭いの原因となるフケを防ぐためにも重要です。
ドライヤーを使用すると、自然乾燥よりも迅速に髪を乾かせる利点があります。 ドライヤーを使う際のコツは、適切な温度と風の強さを調整することです。 高温の風は髪を傷める可能性があるので、低めの温度設定が良いです。また、風の強さも中程度に抑えると良いでしょう。
髪の根元から乾かすことで、頭皮の湿気を効果的に除去できます。しかし一方、毛先を先に乾かすと、髪が乾燥してしまうリスクがあるので、始めは根元からしっかりと乾かしてください。
ブラシを使いながらドライヤーをあてると、髪の毛が均等に乾くので、スタイリングがしやすくなります。
養毛剤/育毛剤を使用する
フケの予防や改善には、養毛剤や育毛剤を使用して頭皮を健康な状態にしてあげることもおすすめです。
養毛剤や育毛剤は頭皮の血行を促進し、健康な髪の成長をサポートしてくれます。 養毛剤、育毛剤の中には強い成分が入っているものもあるので、使用する際には、説明書や専門家のアドバイスに従うようにしましょう。
ストレスのない環境つくり
ストレスは頭皮の健康に悪影響を与える要因の一つです。
ストレスを感じることが多い場合は、リラックスする時間を作ることが重要です。 趣味やスポーツなど自分が楽しめる活動をすることでストレスを解消しましょう。 ですが、なかなか自分から環境つくりをするのはハードルが高いかもしれません。
そんな時は「睡眠をとる」だけでも十分です。 睡眠は疲労回復、記憶力、感情整理、脳や身体の休養に役立ちます。体内リズムをコントールし、頭皮にも栄養が行き届くので、十分な睡眠をとることもストレス解消に役立ちます。
頭皮専門店や医療機関に相談する
フケが頻繁に発生し、効果的なケア方法が見つからない場合は、頭皮専門店や医療機関に相談することをおすすめします。
自分では気づいていないフケが出る原因があるかもしれません。 専門家のアドバイスを受けながら、困っている症状を改善する方法を見つけることができるでしょう。
フケの原因についてよくある質問
ここからはフケに関するよくある質問のまとめになります。
女性よりも男性のほうにフケが出やすいのは何ですか?
女性よりも男性のほうにフケが出やすい理由は皮脂の分泌量が多いからです。
その分泌量は女性の2~3倍も多いと言われています。 女性にフケができる原因の一つに、ホルモンバランスの変化があげられます。
エストロゲン(女性ホルモンの一種)の分泌量が減少すると、頭皮が乾燥して乾性フケが出やすくなります。
フケが出るのはどんな特徴の人に多いですか?
遺伝が関係しているとの説もありますが、とくに皮脂量の多い思春期から40代くらいに多くみられます。
女性よりも男性に多く、頭皮だけではなく、顔や背中や腕など、至るところに多く存在します。 フケの原因となる菌は脂分の多い、皮脂を食べて増えていきます。
そのため、皮脂腺が多くある頭皮に集まりやすく、増殖しやすい傾向にあります。
頭皮マッサージのコツを教えてください。
放っておくとフケが大量発生し、皮膚炎や抜け毛、薄毛に繋がる場合があるので日常的な頭皮ケアは大変重要です。
頭皮用のマッサージ液がない場合は頭皮が傷つかないように、シャンプーの際に行うのがおすすめです。 ポイントは指の腹をつかい、爪を立てて洗うのはNG。ゴシゴシ洗ってしますと頭皮を傷つけてしまいます。
また、とくに皮脂量の多い頭の上周りは意識して丁寧に洗うようにしましょう。
フケが発生しているときの洗髪はどのくらいの頻度で行えばいいですか?
皮脂分泌や季節によっても変わりますが、汗を多くかく時期はなるべく毎日洗髪し、頭皮に付着したいらない埃や皮脂をとるようにしましょう。
秋、冬など、比較的乾燥しやすい時期に、何度も頭皮を洗うと逆に乾燥が進んでフケの大量発生につながるので1日おきくらいの洗髪をおすすめします。
フケのような症状は脂漏性皮膚炎以外にありますか?
脂漏性皮膚炎以外にもフケのような症状が見られることがあります。 主なものをご紹介します。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の症状としてフケのようなものが見られることがあります。
色は赤みを帯びていたり、白い場合もあります。皮膚の乾燥とバリア機能低下、瘙痒などが関与している多病因性の疾患です。
まだ、原因が解明されていない皮膚炎でもあり、ストレスや生活環境(ストレス、ダニやハウスダスト、皮膚の常在菌)などが悪化因子だと言われています。
頭部白癬(しらくも)
頭部白癬は、髪の中に皮膚糸状菌が侵入し、病状を引き起こす疾患のことをいいます。
皮膚にある菌には様々な種類が存在し、その中でも水虫の原因となる真菌が主なものとして知られています。 この頭部白癬は、希少な疾患ではありますが、非常に感染しやすく、人と人の接触を通じて感染が広がることもあるため、予防としての注意が求められます。
尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)
尋常性乾癬という病名の通り、頭皮に特有のフケが現れることがありますが、この疾患は頭皮だけでなく他の部位にも影響を及ぼします。
この疾患は、肌の炎症や角質化が特徴で、赤みを帯びた肌表面に銀白色の角質が重なった構造を形成します。 初期の段階では、この症状を脂漏性皮膚炎と見分けるのは難しい場合もあります。
【女性版】頭皮の痒みフケの原因は乾燥やストレス?【正しいシャンプー方法で対策しよう】まとめ
今回は女性の頭皮のトラブルによくあるフケの出る原因について解説しました。
フケの発生にはさまざまな要因が関与していますが、正しい知識とケアを行うことで頭皮の健康を保ち、フケから解放されることができます。
洗髪やシャンプーの方法、ドライヤーの使用、生活習慣の改善など、日常の小さな変化でも効果を実感できることでしょう。
しかし、自己流のケアでは効果が得られない場合は、頭皮専門店や医療機関の専門家に相談することが重要です。
健やかな頭皮と美しい髪を手に入れるために、ぜひこれらのヒントを試してみてくださいね。