抜け毛や薄毛を改善する方法を調べる中で「女性ホルモンを投与すると薄毛が改善する」という噂を耳にした方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、男性や女性の女性ホルモンを増やす目的で女性ホルモンを投与するといった方法では、必ずしも薄毛が改善するとは断言できないので注意が必要です。
この記事では、女性ホルモンを増やす副作用や、髪の毛を増やす効果が期待できる方法をご紹介していくので、薄毛にお悩みの方はぜひ最後までご覧ください。
男性・女性の薄毛は女性ホルモンの投与で改善する?
女性ホルモンは髪の毛や肌の健康に関する重要なホルモンであり、分泌量が減ることで抜け毛が増えることもあります。
しかし、女性ホルモンを投与したからといって薄毛が治るとは限らず、そもそも薄毛治療としての有効性は現時点では認められていません。
まずは基本情報として、女性ホルモンの投与が行われる一般的な治療の事例や、女性ホルモンを増やすことによる薄毛への影響について解説していきます。
女性ホルモンの投与で薄毛が改善されるとは言い切れない
女性ホルモンを男性や女性に投与することで、髪の毛を増やす・薄毛を改善する効果があるとは断言できません。
これは「患者に女性ホルモンを投与して薄毛が改善した」という臨床データは出ておらず、薄毛治療としての女性ホルモン投与に関する有用性が認められていないためです。
女性ホルモンを増やすという観点で取り組むのではなく、体内の女性・男性ホルモンを過不足のない状態へ整えることが薄毛治療の第一歩と言えるでしょう。
男性の薄毛の原因 | 女性の薄毛の原因 |
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悪玉男性ホルモンによる働き | 女性ホルモンの減少 |
女性ホルモンは主に「更年期障害」や「性同一性障害」の治療で投与される
女性ホルモンは薄毛治療ではなく、更年期障害や性同一性障害に関する治療の一環として投与されるのが一般的です。
更年期にエストロゲンの分泌量が低下することで起こる更年期障害の症状改善や、性転換を希望する男性に投与して、女性的な体つきや顔つきへと変えるために使用されます。
女性ホルモンを投与したことで副次的に薄毛の改善が見られるケースもありますが、薄毛治療を主目的として女性ホルモンを投与することは基本的にありません。
「塗る女性ホルモン」も男性の使用を推奨していない
「塗る女性ホルモン」のバストミンやヒメロスは男性向けの効果効能は認められておらず、男性の使用を推奨しない注意書きが記載されています。
これは、男性が使う主な副作用として、乳房が膨らんだり勃起不全を始めとする性機能障害などのリスクが確認されているためです。
塗るホルモン剤を本来の目的と違う用途で使用した場合、日本の副作用救済制度も利用できなくなるので「男性の薄毛にも効果があるかもしれないから」と安易に使用しないでください。
女性ホルモンと髪の毛・頭皮の関係とは
女性ホルモンを投与したからといって薄毛が改善するとは限りませんが、体内で分泌される女性ホルモンは髪の毛や頭皮の健康状態と深く関係しています。
ここからは女性ホルモンが髪の毛に与える影響や、男性の薄毛の原因と女性ホルモンとの関係について解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
女性ホルモンにはヘアサイクルを正常に保つ働きがある
女性ホルモンであるエストロゲンは、髪の毛の成長や抜け毛に関係するヘアサイクルを正常に保つ働きがあります。
髪の毛は基本的に約5年~7年ほどかけて成長し、やがて成長が止まる「休止期」に入ると抜け落ちていくのが自然なヘアサイクルです。
ヘアサイクルはホルモンバランスや体調の変化などで乱れやすくなるため、日常生活の中で心身をケアして整えることも薄毛改善の大切なポイントと言えるでしょう。
女性はホルモンバランスの乱れが薄毛の原因になる
加齢や出産などでエストロゲンのバランスが乱れると、ヘアサイクルにも乱れが生じて髪の毛の成長期が短くなってしまいます。
成長期の短期化により、成長しきれていない細くて短い抜け毛が増えていくため、女性の場合はエストロゲンを投与することが薄毛の改善に繋がる場合もあるでしょう。
男性は女性ホルモンが薄毛に影響する訳ではない
男性の場合は女性ホルモンを増やすことで薄毛が改善する訳ではなく、逆に男性機能の低下や性欲の落ち込みといったリスクが存在します。
薄毛を治療したい場合は、男性の薄毛の原因であるジヒドロテストステロンを生み出す「5aリダクターゼ」の活性度を抑える必要があります。
5aリダクターゼの生産量や活性度を抑える食材を食べるほか、適度な運動や十分な睡眠量を確保することが、男性の薄毛改善の重要なポイントとなるでしょう。
男性・女性が女性ホルモンを投与した場合に起こり得る副作用
必要な治療のために女性ホルモンを投与することは効果的ですが、男性・女性への投与による副作用のリスクもあるので注意が必要です。
ここからは、男性や女性に女性ホルモンを投与した場合に起こりうる副作用を解説していくので、ぜひ目を通してみてください。
- 血栓症
- 肝機能障害
- 乳がん
- 男性ホルモンの働きが低下する
副作用①:血栓症
血栓症は血液が固まって詰まりやすくなる病気で、低用量ピルや女性ホルモン療法には血栓症のリスクがあることが分かっています。
心筋梗塞や脳卒中を発症するリスクがあり、手足の脱力感・胸や腹部の痛み・舌のもつれ・視野狭窄といった症状が現れた場合は担当医への相談が必要です。
副作用②:肝機能障害
女性ホルモンを投与することで、肝機能障害を発症したり肝機能が低下するリスクも指摘されています。
実際に、性転換を希望する男性が過度な女性ホルモンの投与を続けながら飲酒をやめなかったことで、アルコール性肝硬変を発症した事例も報告されていました。
副作用③:乳がん
乳がんなどの女性に多いがんはエストロゲンとの関連性が高いとされており、エストロゲンは低すぎず高すぎない状態を維持するのが理想です。
女性ホルモンを投与してエストロゲン濃度が高まり過ぎると、乳がんなどの発症リスクも高まってしまうので注意しなければなりません。
副作用④:男性ホルモンの働きが低下する
男性に女性ホルモンを投与すると、男性ホルモンであるテストステロンの働きが低下して、勃起不全などの性機能障害が起こる可能性もあります。
性欲が低下して仕事や日常生活に活力が湧かなくなるなど、気だるさや元気が出ない原因にもなるので注意が必要です。
- 体力の低下
- 性欲の減退
- 男性機能の衰え
- 体が女性化する
男性・女性の薄毛を改善するなら専門サロンでの治療がおすすめ
男性や女性の薄毛の原因は様々で、女性ホルモンを投与したからといって必ずしも薄毛が改善するとは限らないことは、ここまでにお伝えした通りです。
薄毛が改善するどころか、逆に健康面のリスクが生じる可能性もあるため、人それぞれ違う薄毛の原因に正しくアプローチすることが大切です。
当店は男性・女性の薄毛に関する専門的な治療や改善のアドバイスを行っているので、周りに打ち明けられずに悩んでいる方もお気軽にご相談ください!
男性・女性とも髪の毛を増やす効果が期待できる5つの方法
男性と女性の薄毛は女性ホルモンの投与ではなく、日々の習慣の見直しによって改善する可能性があります!
最後に、髪の毛を増やす効果が期待できる5つの方法をご紹介していくので、できそうな方法から毎日の習慣に取り入れてみてください。
- 食生活を見直す
- 大豆イソフラボンを積極的に摂る
- 十分な睡眠を取る
- ストレスを解消する
- 頭皮にダメージを与えない
方法①:食生活を見直す
日々の食事から、髪の毛を育てる材料となる栄養素をバランスよく摂取することが大切です。
主にタンパク質・ビタミン・亜鉛や鉄分などのミネラルが、太く健康的な髪の毛を育てるためには必要不可欠となります。
特に忙しい方や一人暮らしの方は、外食やインスタント食品で済ませてしまいがちなので、食生活の見直しや足りない栄養素をサプリで補うなどの工夫が必要になるでしょう。
栄養素 | 含まれている主な食材 |
---|---|
たんぱく質 | 卵・乳製品・肉 |
鉄分 | カツオ・あさり・鶏のレバー |
亜鉛 | 牡蠣・豚のレバー |
ビタミンB | 豚のレバー・にんにく |
ビタミンD | 魚・きのこ類 |
ビタミンE | ナッツ・ほうれん草 |
方法②:大豆イソフラボンを積極的に摂る
大豆イソフラボンはエストロゲンに似た作用を持つ栄養素なので、豆乳を飲んだり豆腐やきなこなどの大豆食品を食べるのも効果的です。
男性の薄毛の原因である5aリダクターゼを抑える働きがあるほか、肌の調子を整えたり生活習慣病を予防するといった効果もあるため、男性にも女性にもおすすめです。
お味噌汁に豆腐を入れたり、朝食と一緒に豆乳を飲むなど、生活スタイルに合わせて適度に大豆イソフラボンを摂取してみましょう。
男性が期待できる効果 | 女性が期待できる効果 |
---|---|
・生活習慣病の予防 ・脳細胞の活性化 ・血行促進効果 ・肌にツヤ、潤いを与える ・前立腺がんの予防 ・薄毛の予防 |
・生活習慣病の予防 ・脳細胞の活性化 ・血行促進効果 ・肌にツヤ、潤いを与える ・更年期障害の改善や予防 ・骨粗鬆症の予防 ・バストアップ効果 |
方法③:十分な睡眠を取る
髪の毛は寝ている間に分泌される成長ホルモンによって伸びていくため、眠りが足りないと髪の毛がしっかりと育ちません。
まずは最低でも6時間~7時間は睡眠時間を確保し、寝る前の入浴やストレッチのほか、ベッドでスマホの画面を見ないようにして睡眠の質を高めることも意識しましょう。
また、朝起きた時に日光を浴びると体内時計がリセットされるため夜に眠気が出やすくなり、寝付きが良くなるのでぜひ試してみてください。
方法④:ストレスを解消する
ストレスは交感神経に刺激を与えて血行を悪化させるため、溜め込まずに発散していくことが大切です。
適度なウォーキングやストレッチで体を動かしたり、友達との会話を楽しむほか、読書や映画といった趣味の時間に没頭するのも効果的でしょう。
ただし、暴飲暴食・爆買い・お酒の飲み過ぎといった行動は、本質的なストレス解消には繋がらないので注意してください。
- ストレッチ、散歩で体を動かす
- 読書や映画で涙を流す
- 趣味に没頭する
- 会話を楽しむ
方法⑤:頭皮にダメージを与えない
外出時の紫外線は地肌に大きなダメージを与えてしまうため、帽子を被ったり日傘を差すなどして対策しましょう。
また、汗をかいたまま放置して頭皮環境を悪化させないためにも、こまめに汗を拭いたりシャンプーで丁寧に皮脂を洗い流すことも大切です。
ヘアカラーやパーマも頭皮や髪の毛に負担がかかるので、頭皮に炎症がある時などはなるべく控えるようにしてください、
女性ホルモンの投与は男性・女性の薄毛を改善する?女性ホルモンと頭皮の関係や髪の毛を増やす方法まとめ
この記事では、男性や女性に女性ホルモンを投与する効果や副作用のほか、日々の生活でできる薄毛改善の効果的な方法をまとめてご紹介しました。
女性ホルモンは髪の毛の健康に必要なホルモンですが、基本的に薄毛治療を目的として投与されることは少なく、副作用やリスクもあるので注意が必要です。
当店は男性や女性の薄毛に関するご相談や専門的な治療にも対応しているので、薄毛にお悩みの方は一人で抱え込まず、ぜひお気軽にご来店ください!