季節の変わり目になると、慢性的にフケなどの頭皮トラブルに悩まされる方は少なくありません。毎日しっかりシャンプーやトリートメントをおこなっているはずなのに、気がつくと肩まわりには白いフケがチラホラと…。
「清潔にしているつもりなのに、なんでだろう?」と気になりますよね。
なかなかフケが治まらず、皮膚科に行き薬を処方され一時的には良くなるものの、薬を辞めるとまたフケが出てしまう…。
こんな悩みを抱える人が増加しています。
フケは、頭皮トラブルの中では痛みなどないため気づきにくかったり、そのうち治まるだろうと治療などせず、そのまま放置されがちですが、フケには大きく3つの原因があり、それぞれ対策があります。また、フケは放置することにより慢性化して、抜け毛につながる可能性もあるのです。
そこで今回は、頭皮トラブルの一つ「フケ」に着目してフケが発生する原因と対策について解説します。
また、動画にて実際にフケを改善することで毛量が増えた実例を解説しております。併せてご覧ください。
フケは誰にでも出来る自然現象【そのメカニズムとは?】
そもそも、フケは誰にでも自然に発生する自然現象です。肌は常に細胞分裂を繰り返して新しい皮膚へと作り変えられます。
その際に、古くなりいらなくなった皮膚が剥がれ落ちる【ターンオーバー】によって生じるものです。このターンオーバーは28日で1周期と言われ、基本的には約1か月で肌が生まれ変わると言われています。
フケが目立つぐらい出てしまうメカニズムについて
フケが目立つぐらい出てしまうメカニズムは、先ほどお伝えしたターンオーバーの乱れによるものです。通常1か月で生まれ変わるはずだった表皮が、何らかの原因で代謝スピードが亢進して1ヵ月より短い期間で剥がれ落ちることによってフケが生じます。
<肌のターンオーバーのメカニズムについて>
頭皮の表面の細胞が成熟して剥がれ落ちるまでに約1か月。これがより短い期間で剥がれてしまうということは、成熟する前の細胞まで一緒に剥がれ落ちてしまっているのです。
そのため、1つ1つのフケが大きくなり、白く目で見える形となって、フケが大量に出るといった頭皮トラブルとなります。
フケが出る状態というのは、表面のバリア機能が弱まっている証拠です。通常では下記の画像のように細菌から守ることが出来ていたものが、体の中への侵入を許してしまい、更なる炎症の原因に繋がることがありますので注意が必要です。
たかがフケとは思わず、頭皮の状態は健康のバロメーターにもなりますので、フケが出るときは生活環境や習慣なども振り返ってみましょう。
フケは肌とは異なり、頭皮環境もフケの原因となる
フケはターンオーバーの乱れによるものとお伝えしましたが、頭皮はそれ以外に頭皮に存在する常在菌(マラセチア菌)や、皮脂もフケの原因になるものとして考えられています。
どちらも頭皮には必要不可欠な存在ですが、バランスが崩れるとフケの原因に繋がることも事前知識として覚えておきましょう。パーマやカラーなどの薬剤や、偏った食事などさまざまな要因が関係してバランスが崩れる原因となります。
フケが出る3つの原因とは?【タイプ別に原因・対策を解説】
フケが発生する頭皮には、3つのタイプが存在します。自分の頭皮状態やフケが出る原因を追究し、それを理解しながら自分に合った対策を行うことがフケを減らす最大の近道となります。
- 頭皮の乾燥によるフケ
- 頭皮の皮脂詰まりによるフケ
- 細菌やアレルギーによるフケ
1:頭皮の乾燥によるフケ
頭皮の乾燥は、頭皮の水分量を奪い、フケの原因に繋がります。乾燥によるフケは次のような形となります。
- パラパラしている
- サイズが細かい(小さい)
- 粘性がほとんどない
乾燥によるフケの原因とは?
乾燥によるフケの原因は次のようなことが考えられます。
- 洗浄力の強いシャンプーを使っている
- 1日1回以上、頭を洗っている
- ダイエットなどの食事制限をしている
- ビタミンA、C、E(肌を保護する効果)不足している
- パーマ・カラー・縮毛矯正などをしている
- ストレスが多い
乾燥によるフケに対するおススメの対策とは?
乾燥によるフケは、使用しているシャンプーを刺激の少ないものに変えたり、パーマやカラーなど頭皮トラブルの原因になるものをとにかく控えてあげましょう。
また、それ以外にも肌を保護・保湿する効果が高いビタミン類をしっかりと取り、内側からもアプローチしてあげることが大切です。
2:頭皮の皮脂詰まり(脂漏性)によるフケ
頭皮がベタベタな状態でも、フケの原因に繋がります。このフケは「乾燥によるフケ」とは全く性質が異なり、次のような特徴があります。
- 乾燥によるフケよりサイズが大きい
- フケが湿っている
- 少し黄色味を帯びていることがある
- 粘性があり、髪に付着しやすい
皮脂によるフケの原因とは?
脂漏性によるフケの原因としては次のようなことが考えられます。
- 常在菌の異常繁殖
- 1日1回以上、頭を洗っている
- 洗浄力の強いシャンプーの使用
- 脂っこい食事が多い
- 汗を掻いたまま放置している(夏になりやすい)
皮脂によるフケに対するおススメの対策とは?
頭皮はもともと皮脂分泌が多いところになりますが、皮脂の分泌量が増加することによってフケが生じる場合、油っこいものを控えることや、日頃から運動を行い代謝を上げることが大切です。
またそれだけでなく、皮脂をエサにマラセチア菌が大量に増えている可能性があります。その場合は、ドラックストアに売っているコラージュフルフルや皮膚科で抗真菌シャンプーを処方してもらい使用することも有効手段です。
3:細菌やアレルギーによるフケ
ほとんどのフケで悩まれる方は、「乾燥」又は、「脂漏性」によるものですが、どちらにも当てはまらない方もいます。
それは、「細菌やアレルギーによってフケが発生している」方です。細菌やアレルギーが原因の場合、どのような頭皮トラブルがあるかを解説していきます。
①:乾癬によるもの
乾癬は、背中や腕などの目に見える所に出来ることがほとんどですが、稀に頭皮など気づきにくい箇所に出来ることがあります。乾癬の主な症状としては、次の通りです。
皮膚が赤くなる[紅斑(こうはん)]、皮膚が盛り上がる[浸潤・肥厚(しんじゅん・ひこう)]、銀白色のフケのようなもの[鱗屑(りんせつ)]が付着しはがれ落ちるなどの症状がみられます。
乾癬の種類と症状
この鱗屑は、フケと同じような形をしているため、気づきにくいことが特徴としてあります。
もし、乾癬によるフケの疑いがある人は、頭皮の状態を確認しましょう。赤くなっていたり、皮膚が盛り上がっている場合は、皮膚科に相談して対策することをおススメします。
②:しらくも(頭部白癬)によるフケ
しらくも(頭部白癬)という病気をご存知でしょうか?実は、しらくもとは、頭の水虫による病気の一つです。白癬菌と言われるカビが頭部に感染することで発症します。
しらくもの症状としては次のようなことが生じます。
- フケが増える
- 痒みが出る
- 円形脱毛症が出来る
- 動物から感染する
しらくもは、頭皮だけでなく、タンパク質(ケラチン)も餌とするため、抜け毛を増やしてしまう可能性があります。悪化すると円形脱毛症のように一部分が抜け落ちてしまうなどの症状も現れます。
しらくもは、白癬菌といったカビさせ、殺菌することさえ出来れば症状は徐々に治まります。薬できちんと治療できるものなので、早めに病院へ行きましょう。また、免疫力が低い人には感染するリスクがあるため、早めの対策をおススメします。
③:アトピー性皮膚炎よるフケ
アトピー性皮膚炎によるフケのほとんどは乾燥によるフケとなります。アトピーになると、肌のバリア機能が弱くなります。当然頭皮も同様であり、乾燥しやすくなりフケが発生しやすくなります。
また、アトピー性皮膚炎が頭皮まで発症している場合は、痒みによってかきむしることで皮膚が剥がれ落ちてしまうこともあります。
アトピー性皮膚炎によるフケは、国立成育医療センターのアトピー性皮膚炎のページが対策として良いページです。ぜひご参照下さいませ。
フケの原因は人によって異なるため、自分に合う対策を
ひとえに「フケ」といっても頭皮トラブルの原因はこれだけ種類があります。そのため、自分のフケの症状に合う対策を行わない限り、長期的に悩まされてしまう原因に繋がります。
まずは、「乾燥によるものなのか?」「脂漏性によるものなのか?」「細菌やアレルギーによるものなのか?」をしっかりと見定めてあげましょう。
とはいえ、自分ではなかなか判別できないこともあります。その際は、皮膚科など専門医に相談して医師の指導のもと、しっかりと「フケ対策」を行いましょうね。
放置していてもなかなか治らないフケ、そして頭皮トラブルや抜け毛・薄毛でお悩みの方は、悪化してしまう前に髪の専門家に相談することをおすすめします。