ふとシャンプーの時の抜け毛の本数が気になって「まだ20代なのに薄毛になってきた?」「最近髪のボリューム減ってきたかも…。」と、悩み始めていませんか?
抜け毛の本数が多いことは、薄毛が気になる人や悩んでいる人にとってシビアな問題です。
今回はシャンプー時の平均抜け毛本数と薄毛の危険性、また男性と女性で抜け毛の平均本数に違いがあるかなどについて解説します。
抜け毛が気になる方は、これを機にどれくらい抜けているのか、排水溝に溜まった抜け毛やシャンプーの際に手につく抜け毛に着目してみてください。
シャンプー時の抜け毛が手にたくさんつく…平均本数はどれくらい?
男性・女性にかかわらず、シャンプー時の抜け毛が増えてきたと悩んでいる方は、1日大体どれくらいの抜け毛があり、何本以上が危険信号なのかということが気になっているのではないでしょうか?
抜け毛が多いことに加えて「地肌が見え始めてきた、髪のハリ・コシが減ってきた」と感じる場合、薄毛が進行している可能性が高いです。
まずは、通常時やシャンプー時の抜け毛の平均本数や薄毛の危険性が高い抜け毛の本数について、分かりやすく解説していきます。
通常時の抜け毛の平均本数
髪の毛の毛量が多い人・少ない人によって個人差はあるものの、結論から言うと1日大体80~100本程度が正常範囲内といわれています。
これは1日を通した抜け毛の本数で、日常生活の中で歩いている時や寝ている時なども、抜け毛は発生していますし、シャンプー時の抜け毛も含んだ平均本数です。
元々、人の髪の毛は平均して約10万本ほどの本数があるため、全体の0.1%(100本)程度であれば正常なヘアサイクルによる抜け毛だと考えられます。
しかし、日によって抜け毛の量は変わりますし、個人差があるものですから抜け毛が多くても髪の毛の量に変化がない場合は、過剰な心配は不要です。
シャンプー時の抜け毛の平均本数
1日を通した抜け毛の平均本数が80~100本程度だとお話しましたが、実は1日の中でも最も抜け毛が多いのはシャンプー時です。シャンプー時にはすでに抜けていた髪の毛、またヘアサイクルで抜ける時期に入っている髪の毛が抜け毛になるためだといわれています。
シャンプー時の平均抜け毛本数がどのくらいかというと、おおよその目安で30~60本程度でしたら正常な範囲内だと考えてよいでしょう。
ただし、髪の毛を結んでいる方は、朝からシャンプー時までの抜け毛を合わせた本数になるため、60本以上になることがあります。
男性と女性での平均抜け毛本数に違いは無い
基本的には、1日の平均抜け毛本数に男性と女性で違いはありません。日によっても抜け毛の本数は違いますし、季節やヘアスタイル・個人差ももちろんあります。
ただ、髪の毛が長い・太いという場合は、実際に抜けている本数よりも多く見える場合があるでしょう。
また、男性は女性と比較するとヘアサイクルの成長期が短いため、女性よりも男性の方が抜け毛の平均本数が若干多い傾向があるとも考えられます。
シャンプー時にどのくらい抜け毛があると危険?
日常的にスタイリング剤を使用している、また髪の毛を結んでいる方の場合は、生活の中で抜け毛が落ちることが少ないため、シャンプー時に抜け毛が多いように感じることがあります。
前述したように、1日の平均抜け毛本数は80~100本といわれていますが、髪の毛はシャンプー時以外にも抜けていますし、抜け毛が多い少ないは人によって違います。そのため、1回のシャンプーでどのくらい抜け毛が確認できたら薄毛の危険性が高いのかも人によって異なるのです。
抜け毛が多いと感じる日があれば、排水口にたまったものや手に付く髪の毛の本数を数えてみてください。抜け毛が急に増えたと感じ、1週間以上毎日100本以上の抜け毛があれば、薄毛を発症している可能性が高いと考えられます。
抜け毛が気になるなら専門家に相談しよう
毎日行うシャンプーの時に手につく抜け毛や排水溝にたまった髪の毛を見ると、このままだとハゲるんじゃないか?と不安になりますよね。
実際に抜け毛が多いという方でも、薄毛になりにくい方はいます。なぜなら、抜け毛の量と生えてくる髪の毛の量が比例しているからです。
あなたが不安に思っている抜け毛が、本当に薄毛になるリスクをはらんでいるのか、反対に薄毛になりにくいかは専門家の判断を仰ぎましょう!当サロンでも毎月多くの方が相談にいらしているので、ぜひお気軽にご連絡ください。
そもそも、なぜ髪の毛は抜けるの?
通常、髪の毛には寿命があり、成長しきった毛は抜け落ち、やがて新しい毛が生えてくるというヘアサイクルを繰り返しています。健康な髪の毛の場合、男性なら3~5年、女性であれば4~6年かけて伸び続けます。
ヘアサイクルは成長期(約3~6年)・退行期(約2週間)・休止期(約3~4か月)という3つのステージに分かれています。しかし、ヘアサイクルの乱れが起こると成長期が短くなり、休止期の髪が増えるため抜け毛が多くなるのです。
ヘアサイクルが乱れる原因はさまざまですので、まずはご自身の抜け毛が増えた原因が何なのかを把握してみましょう。
ヘアサイクルの循環で抜け毛になる時期だった
髪の毛は1本1本が独自のヘアサイクルを持っているため、抜け毛となる退行期~休止期が重なってしまうと抜け毛が増えたと感じることがあります。
ヘアサイクルが正常に循環しているのであれば、その時期を超えると健康な髪の毛が生えてくるので過剰な心配は必要ありません。
ただし、長期間抜け毛の本数が100本以上あるなどという場合は、成長期が短くなっている可能性が高いため、早期に専門家へ相談しましょう。
シャンプーなど間違ったヘアケア製品の使用
肌質や髪質に合ったシャンプーを使っていない、髪の毛を保護するリンスやコンディショナーを頭皮に付けるなどは、頭皮トラブルを起こして抜け毛が増える原因です。
また、パーマやヘアカラーの頻度が高いと頭皮に負担をかけてしまう、洗う時の力が強いと頭皮を傷つけてしまい、頭皮トラブルを起こしやすくなるので注意しましょう。
頭皮の肌質に合わないシャンプーの使用は頭皮の乾燥を招き、シャンプーの方法が間違っていると汚れや皮脂を洗い落とせません。その結果、薄毛を促進してしまうことに繋がりますので、シャンプーやヘアケアは正しい方法で行うようにしてください。
生活習慣やストレス
抜け毛が増える原因には、日頃の生活習慣やストレスも深く関係しています。外食やインスタント、ファストフードなどの頻度が高い場合は、髪の毛に必要な栄養が不足している可能性が高いです。
また日常的に睡眠不足を感じている方も、髪の毛の成長に関わるホルモンの分泌が不足していると考えられ、運動不足であれば血流不足で髪の毛を作る細胞に栄養が届いていない可能性があります。
ストレスを上手く解消できない・些細なことが気になってしまうという方は、自律神経が乱れやすく睡眠不足や血行不良になりやすいため、抜け毛が増えるとさらに気になってストレスに感じ、余計に抜け毛が増えるという悪循環を起こしやすいです。
季節によっても抜け毛の本数が変動する
秋は抜け毛が増えるといいますが、抜け毛の本数は季節によって増えるケースがあるということも、知識の一つとして覚えておくと安心できるかと思います。
夏は強い紫外線が髪の毛を作る細胞まで届いてダメージを与え、頭皮にかいた汗で蒸れて皮脂が酸化しやすい季節です。その影響は約3か月後(9~11月)に現れるため秋は抜け毛が多いという方が増えます。
また、花粉などアレルギーによるストレスや生活サイクルの乱れが、春に抜け毛が増える原因です。夏の抜け毛は食欲低下による栄養不足や睡眠不足、冬は寒さによる冷えで血流が悪化したり湿度低下による空気の乾燥など、季節によりさまざまなことが抜け毛の原因となるのです。
女性は出産・加齢でも抜け毛が増える
女性は生理の周期や妊娠、加齢(更年期)などによって、ホルモンの分泌が変化します。特に妊娠時には女性ホルモン(プロゲステロン、エストロゲン)の分泌が増加し、本来であれば抜け毛となる退行期が延長するため、抜け毛が減少します。
しかし、出産すると一気に妊娠前以下(ほぼ0)にまで下がってしまうため、妊娠中に抜けなかった髪の毛が退行期に移行するため、出産後脱毛症といわれる抜け毛の増加現象が起こるのです。
出産後脱毛症は、基本的に時期が来れば抜け毛が治まりますが、加齢(更年期)によって女性ホルモンの分泌量が年々低下していくと、男性ホルモンの作用が強まり髪の毛の成長期が短縮され、抜け毛が増えてしまいます。
AGA・FPHLなど薄毛になる疾患を発症している
抜け毛が増える原因として、40代以降の男性・女性に多いのはAGA(男性型脱毛症)やFPHL(女性型脱毛症)の発症です。
男性のAGAは頭頂部や生え際の髪の毛が細くなりボリュームが減る、女性のFPHLは満遍なく頭部全体のボリュームが減る、または髪の毛の分け目が目立つなど、多少の違いはあれどホルモンの分泌が関わっています。
また、円形脱毛症は部分的に抜け毛が増えてしまいますし、甲状腺機能に関わる疾患や感染症などでも抜け毛が増えることがあります。急激に抜け毛が増えたと感じたら何らかの病気が関わっている可能性を考え、医療機関を受診するか薄毛の専門家に相談してください。
シャンプーが原因で抜け毛が増える?
シャンプー時の抜け毛がひどいと、使用しているシャンプーが原因なのでは?と考える方もいるでしょう。
基本的に、抜け毛はヘアサイクルの休止期を迎えたもので、放っておいても自然に抜ける髪の毛です。しかし、シャンプーの成分や洗い方が原因で、抜け毛が増えることも可能性としてはあります。
抜け毛が増えるシャンプーの成分や洗い方を解説していくので、ご自身が使っているシャンプーの成分表示や洗い方を見直してください。
肌質に合っていないシャンプーの使用
シャンプーの成分表示を見ると、一番最初に水があり、続いて洗浄成分(界面活性剤)が表記されています。抜け毛の本数が増える原因としては、シャンプーの洗浄成分が頭皮の肌質と合っていないことが考えられます。
頭皮の皮脂分泌が多く、シャンプー後でもすぐに頭皮や髪の毛がベタつく脂性肌であれば、強い洗浄成分が適しているでしょう。しかし、フケやかゆみが気になる乾燥肌の方では、皮脂を取りすぎて余計に乾燥してしまうため、頭皮環境が悪化し抜け毛の原因になってしまうのです。
頭皮の肌質と適しているシャンプーの成分を表にまとめたので、ぜひ参考にしてシャンプーを選んでください。
脂性肌の方におすすめのシャンプーの成分
高級アルコール系 | ラウリル硫酸Na ラウレス硫酸Na ラウレス硫酸アンモニウム |
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オレフィン系 | オレフィン(C14-16)スルホン酸Na | ||
石鹸系 | 石けん素地 カリ石けん素地 スルホコハク酸ラウレス2Na スルホコハク酸(C12-14)パレス-2Na ラウレス-4カルボン酸Na |
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アミノ酸系 | ココイルサルコシンNa ココイルメチルタウリンNa ラウロイルメチルタウリンNa ココイルグリシンTEA ラウロイルアスパラギン酸Na…など |
脂性肌の方は過剰に分泌されている皮脂を取り除く必要があるため、洗浄力がある程度強いシャンプーが適しています。
泡立ちが良く洗い上りがすっきりとしたものが多いのですが、高級アルコール系のラウリル硫酸Naは成分が頭皮に残りやすいので、すすぎに時間をかけてください。
石鹸系は髪のキシミやパサつきが出やすいですが、髪の毛が束になるほど皮脂が出る、かゆみや化学物質の刺激に敏感な方におすすめです。
ココイルサルコシンNaやココイルグリシンTEAは、アミノ酸系の中でもやや強めの洗浄成分のため、過剰な皮脂分泌を抑え頭皮環境を改善したい方に適したシャンプーです。
普通肌の方におすすめのシャンプーの成分
アミノ酸系 | ココイルグルタミン酸Na ミリストイルグルタミン酸Na ラウロイルメチルアラニンNa ラウロイルメチルアラニンTEA…など |
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タウリン系 | ココイルメチルタウリンNa ラウロイルメチルタウリンNa ステアロイルメチルタウリンNa ミリストイルメチルタウリンNa |
普通肌の方には、適度な洗浄成分で刺激が少ないアミノ酸系やタウリン系のシャンプーが適しています。
アミノ酸系の中でも、○○グルタミン酸とあるものは高い保湿効果があり、乾燥で広がりやすい髪や硬い髪の毛の方におすすめです。
またスタイリング剤をよく使用する方や軽い仕上がりを求める方には、タウリン系の泡立ちの良さと適度な洗浄力が適しているといえます。
乾燥肌・敏感肌の方におすすめのシャンプーの成分
タウリン系 | ココイルメチルタウリンNa ラウロイルメチルタウリンNa ステアロイルメチルタウリンNa ミリストイルメチルタウリンNa |
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ベタイン系 | コカミドプロピルベタイン パーム核脂肪酸アミドプロピルベタイン ココアンホ酢酸Na ミリスタミドプロピルベタイン…など |
乾燥肌や敏感肌の方には、頭皮に刺激が少ないタウリン系やベタイン系のシャンプーがおすすめです。
どちらも低刺激な洗浄成分なのですが、敏感肌の方はより優しい洗浄力のベタイン系が最初に含まれているシャンプーを選ぶようにしましょう。
刺激が少ないシャンプーとして、ベビーシャンプーや敏感肌用と謳った商品が多数あります。しかし、成分表示を見ると洗浄力が強い成分を使っている商品もあるので、乾燥肌や敏感肌の方は成分を良くチェックして購入するようにしてください。
1日に何度もシャンプーをする
寝汗をかいたり、寝癖を直すために朝シャンプーするという方もいます。また、汗をかいてシャワーを浴びるついでにシャンプーする、ベッドに入る前に・・・と、1日に数回シャンプーするという方も少なくありません。
1日に何度もシャンプーを使うと、必要な皮脂を取り除き頭皮を乾燥させ、血流が悪化するので抜け毛が増える原因になります。
頭皮を乾燥から守るために皮脂分泌が活発になり、毛穴を塞ぎ髪の毛の成長を妨げることに繋がるので、シャンプーは帰宅後や寝る前の1回のみにしましょう。
すすぎ残しがある
シャンプーで抜け毛の本数が増える原因には、すすぎ残しがあってシャンプーの成分を洗い流しきれていないということもあります。
髪の毛から泡がなくなったらいいだろうと思っている方が多いのですが、泡が消えても頭皮にはシャンプーの成分が残っていることが多く、頭皮環境を悪化させてしまうのです。
また、毛穴にシャンプーの成分が残っていると、毛穴の詰まりを招いたり毛根が傷ついてしまい抜け毛が増えることがあるため、すすぎは洗っている時間の2~3倍ほどの時間をかけ、すすぎ残さないよう丁寧に行いましょう。
洗う時の力が強い
頭皮のべたつきや臭いが気になる方、また毛穴の詰まりを気にする方に多いシャンプーで抜け毛の本数が増える原因として、洗う時の力が強いというものもあります。
薄くデリケートな頭皮を強い力や爪を立てて洗ってしまうと、傷がついて炎症を起こしたり必要な皮脂まで取り除いてしまうため、抜け毛が増えてしまうのです。
ゴシゴシと力を入れたり、爪が頭皮にあたるような洗い方は皮脂の過剰分泌を招きます。力強くシャンプーすれば汚れが取れるというわけではないので、頭皮は優しく撫で動かすように洗ってください。
抜け毛の本数よりも毛根の形や長さに注目
抜け毛の本数が増えてしまうと薄毛になるのではと不安になってしまいがちですが、実際に薄毛になる危険性が高いかを判断するのであれば、毛根の形状や髪の毛の状態に注目することが大切です。
毛根や髪の毛をしっかりと観察してみると、正常な抜け毛か薄毛の危険性が高いかの違いを判断できます。
正常に退行期を迎えた自然な抜け毛であれば、過剰に心配する必要はありません。ご自身の自然に抜けた抜け毛と白い紙・虫眼鏡(スマホの拡大アプリなど)を用意して、一度観察してみてください。
正常な抜け毛の特徴
通常のヘアサイクルで退行期を迎えた時の抜け毛には、以下のような特徴があります。
- 髪の毛の長さ:生えている髪の毛と同程度
- 髪の毛の太さ:現在生えている髪の毛と変わらない
- 毛根部:しっかり膨らんだ棍棒のような形をしている
抜け毛の毛根を確認した際に、上記のような特徴があれば、正常なヘアサイクルで抜け落ちた髪の毛ですので問題はありません。
それでも抜け毛がひどいと感じるようであれば、シャンプーの種類や洗い方に問題がある場合があります。
危険な抜け毛の特徴①:AGA・FPHLタイプ
注意が必要なAGA・FPHLの危険性がある抜け毛には、以下のような特徴があります。
- 髪の毛の長さ:現在生えている髪の毛よりも短い
- 髪の毛の太さ:現在生えている髪の毛よりも細い
- 毛根部:毛根部が細く、丸みが少ない
このような髪の毛・毛根の特徴がある抜け毛が増えている場合は、AGAやFPHLが原因でヘアサイクルが乱れている恐れがあり薄毛の危険性が高いと考えられるので要注意です。
AGAやFPHLは進行型の薄毛ですので、抜け毛がひどいと気になりだした時は、1日でも早く専門家に相談することをおすすめします。
危険な抜け毛の特徴②:円形脱毛症タイプ
注意が必要な抜け毛として、円形脱毛症を発症してしまった抜け毛があり、その特徴は以下の通りです。
-
- 髪の毛の長さ:生えている髪の毛と同程度
- 髪の毛の太さ:現在生えている髪の毛と変わらない
- 毛根部:形がいびつ・ちぎれたようになっている・尖っている
髪の毛自体では判断が付きにくいため、急激に抜け毛がひどいと感じた場合は毛根を観察し、上記のような特徴があれば円形脱毛症が疑われます。
円形脱毛症は、自己免疫細胞のTリンパ球が毛根を異物と間違えて攻撃してしまうために発症すると考えられています。その激しい攻撃により毛根が傷んで、元気な髪の毛でさえ突然抜け落ちてしまうのです。しかし、なぜTリンパ球の働きに異常が生じてしまうのかは、現状では明らかになっていません。
また円形脱毛症は、軽度の場合であれば数か月で自然と治癒しますが、多発性や全身性の場合は数年単位で治療する必要があります。
抜け毛の太さや長さにも注目
抜け毛が気になる時はつい本数にばかり気を取られてしまうのですが、抜け毛の太さや長さ・毛先の形状にも注目していただくことが重要です。
特にAGAやFPHLを発症している場合は、側頭部や後頭部の髪の毛と比較して細い抜け毛や短い抜け毛が増えますし、毛先が尖っている抜け毛は前回カットした後に生えてきている髪の毛のため、成長期が短くなっていると考えられます。
そのため、抜け毛がひどい時にはまず抜け毛の毛根と一緒に太さや長さもしっかりと観察するようにしましょう。
危険な抜け毛かの判断は専門家にお任せください
ご自身で危険な抜け毛かどうかを判断していただけるよう、チェックする項目をご紹介してきましたが、実際に薄毛へと進行するような危険な抜け毛かどうかを判断できかねる場合が多いです。
万が一、薄毛に進行してしまうような危険な抜け毛だった場合は、一人で考えて不安になり進行が早まる可能性が高いので、まずは専門家に相談して判断してもらうことが必要になります。
的確に判断してもらえば対策も立てやすくなりますし、改善する期間も速く短くなりますので気軽に専門家までお問合せください。
抜け毛はシャンプーの方法でも予防できる
シャンプー時の抜け毛が特に気になるという方は、まずは普段何気なく行っているシャンプーの成分や方法を見直してみましょう。
正しいシャンプーの洗い方ができていないと、洗っている間に髪の毛を引っ張ってしまい抜いてしまうこともあります。また、洗い方が正しくないと、洗い残しやすすぎ不足から薄毛や頭皮トラブルに繋がってしまいます。
当然、頭皮にとっては良くない環境となりますので、抜け毛の原因になり得ます。そうなってしまわないように、正しいシャンプーの方法を学び髪の毛のケアをしましょう。
正しいシャンプーの方法①肌質に合ったシャンプーを選ぶ
「シャンプーが原因で抜け毛が増える」の項目でもお伝えしましたが、ご自身の肌質や髪質に合ったシャンプーを選んで使用することが重要です。乾燥肌の方が皮脂を取りすぎるシャンプーを使用すると、より乾燥が進んでしまい皮脂の分泌が過剰になってしまうことがあります。
また反対に皮脂のべたつきが気になる方は、洗浄力の弱いシャンプーを使うと余分な皮脂が取りきれずにべたつきが悪化する場合もあるので、自分に合う洗浄力のシャンプーを選びましょう。
基本的にはシャンプーの成分表示欄を見た時に、水の次に「ココイル」「ラウロイル」から始まる成分があるアミノ酸系洗浄成分が使われているものがおすすめです。
しかし、脂性肌でべたつきが気になる方であれば洗浄力・脱脂力がやや強めの「ラウレス-4カルボン酸Na」や「ココイルメチルタウリンNa」が使われているシャンプーを探してみてください。
正しいシャンプーの方法②ブラッシングをする
続いての正しいシャンプーの方法は、髪の毛を濡らす前に獣毛ブラシやクッション材の付いたブラシを使い、髪の毛や頭皮に付いた汚れやゴミ・ホコリを取ることです。
生え際から頭頂部に向かってブラッシングする際に、ブラシの先端を頭皮に当てることで血流を促す効果もあります。髪の毛が長い方は、まず毛先のもつれを取って、無理やり引っ張って梳かさないよう注意してください。
髪の毛を濡らす前にブラッシングを行うことで、絡まった髪の毛をほどき洗っている最中に誤って抜いてしまわないようにするという効果もあるので、シャンプー前にブラッシングすることを癖づけましょう。
正しいシャンプーの方法③お湯の温度は36~39℃程度
正しいシャンプーの方法で次に重要なのは、使用するお湯の温度です。皮脂は体温と同程度(32~34℃)で液状になりますが、40℃以上のお湯を使用すると熱さで必要な分の皮脂までも取り除いてしまうため、体温と同程度か少し高い温度のぬるま湯を使うようにしましょう。
頭皮は手や足などの皮膚と比べるととても敏感で乾燥しやすいので、皮脂を取りすぎてしまうと皮脂分泌が過剰になってしまう、またフケやかゆみの原因にもなります。
頭皮にダメージを与えてしまわないよう、シャワーの温度は体温と同じか少し高めの36~39℃程度に設定しましょう。
正しいシャンプーの方法④しっかりと予洗いをする
続いての正しいシャンプーの方法は、シャンプーを付ける前にしっかりと予洗いをすることです。髪の毛全体はもちろん、頭皮まで十分に濡らしつつ指の腹を使い、髪の毛や頭皮をこすらないように洗います。
この時、シャワーヘッドを頭部に近づけながら行うと頭皮までしっかりと濡らすことができます。また、時間は3分程かけると洗い残しがなくなりますが、髪の毛が短い方であれば1~2分程度でも構いません。
特に毎日スタイリング剤を使っているという方は、手で髪の毛を軽くほぐした状態から予洗いを行うと、スタイリング剤が柔らかくなって取りやすくなるので、是非試してみてください。
正しいシャンプーの方法⑤軽く泡立てたシャンプーで入念に洗う
正しいシャンプーの方法として、泡立てたシャンプーを髪の毛に乗せるという説がありますが、CMなどで見るようなモコモコの泡でなくても大丈夫です。
適量のシャンプーをしっかり濡らした手に取ったら、両手を合わせて円を描くように動かし軽く泡立てた状態で髪の毛に付けましょう。シャンプーを付けたら爪があたらないよう、指の腹を使って大きく円を描くようにすると、どんどんと泡立ってきます。
十分に泡立ったら、爪をあてない・頭皮をこすらないように気をつけつつ、頭皮を撫でたり揉むような感覚で全体を細かくしっかりと洗いあげてください。
この時、泡立ちが悪いようであれば予洗いが十分でなかったり、スタイリング剤が十分に柔らかくなっていないことが原因です。こういった場合は軽く洗った後に一度洗い流し、再度シャンプーを泡立ててからもう一度やり直しましょう。
シャンプーに適量はある?
髪の長さ | シャンプーの量 |
---|---|
ショート | 0.5~1プッシュ |
ボブ | 1~1.5プッシュ |
ミディアム | 1.5~2プッシュ |
ロング | 2~2.5プッシュ |
一般的にですが、シャンプーの量はシャンプーボトルのポンプについているストロー(吸込み口)の太さ、また髪の長さや量によって異なります。
吸込み口が太い場合は、上の表にある左側の数字を、細い場合は右側の数字を目安にしてください。また、必ずこの量を使わなくてはいけないわけではなく、予洗いが十分にされていて泡立ちが良いシャンプーなら少なめの量でも構いません。
ソフトモヒカンなどベリーショートの男性は、スタイリング剤をつけていても0.5~1プッシュで十分です。1回目のシャンプーで泡立ちが悪かった場合は、1度流して再度0.5プッシュ分を泡立ててシャンプーしてください。
正しいシャンプーの方法⑥シャンプーの泡をすすぐ
十分に頭皮を洗うことができたら、今度はシャンプーの泡や成分が残らないようにしっかりとすすぎましょう。シャワーヘッドを近づけ、顔を上に向けて上から下へと泡が流れることを意識します。
すすぎ残しがあると頭皮が乾燥したり炎症を起こしてしまう原因になるので、シャンプーをした時間と同程度から少し長めの時間をかけ、少しきしむ感覚がするくらいしっかりとすすいでください。
前頭部の生え際(おでこ)や耳の上~裏側、首筋あたりは洗い残しやすすぎ残しが多くなりやすい場所なので、しっかりとシャワーが当たるようにしながら空いている手を使ってすすぎましょう。
正しいシャンプーの方法⑦コンディショナー・トリートメントを付ける
正しいシャンプーの方法として、コンディショナー・トリートメントを付ける場合は髪の毛の毛先から中間程度までにしてください。頭皮に付くと毛穴詰まりを起こす可能性が高くなるので、決して頭皮に付けてしまわないように注意しましょう。
この時、軽くタオルドライをして水分を取っておくと、コンディショナーやトリートメントの成分が吸収されやすくなるのでおすすめです。
傷んだ毛先には30秒ほど揉みこみ、製品の使い方に放置時間がかかれていない場合は、馴染ませた後は放置せずにぬめりが無くなるまでしっかりとすすぎます。
正しいシャンプーの方法⑧タオルドライを十分に行いドライヤーで乾かす
頭皮と髪の毛を洗い終わったら、髪の毛をこすらず頭皮の水分を取るように優しくタオルドライし、速やかにドライヤーで髪の毛の根元から乾かしていきましょう。
順番としては、乾きにくい襟足や癖がついてしまうと困る前髪から後頭部・耳周りと、ドライヤーは左右に振るようにし、持っていない方の手で髪の毛をかき分けながら、風が頭皮にあたるようなイメージで乾かしていきます。
乾かすのに時間がかかるという方は、ドライヤーをする前に目の粗いコームを使って髪の毛を梳かしておくと、乾きやすくなります。またドライヤーは必ず頭部や髪の毛と20cm程度の距離を開け、熱によるダメージを与えないよう注意してください。
シャンプー以外の抜け毛を予防・減らす対策5選
最後に、気になる抜け毛の本数を減らす・また予防するために行って頂きたい対策を5つご紹介していきます。
現在ひどい抜け毛で悩んでいる方を始め、将来的に薄毛になりやすい方や季節の変わり目などに抜け毛が増えるという方は、是非これからご紹介する対策を試してみてください。
抜け毛を減らす対策:生活習慣を見直す
1つ目の抜け毛を減らす対策、まずは生活習慣を見直すことです。基本的に規則正しい生活を送ること、栄養バランスの取れた食事を摂る・適度に運動をするということは、髪の毛の成長に大きく関与しています。
頭皮が受けたダメージは、睡眠中に分泌される成長ホルモンによって補修・回復するため、しっかりと質の良い睡眠をとるということも重要です。
規則正しい生活習慣は皮脂の分泌を適切にし、頭皮環境を整えるために必要なことなので、薄毛が進行してしまう前に抜け毛を減らせるよう生活習慣を改善していきましょう。
抜け毛を減らす対策:ストレスを減らす
2つ目にご紹介する抜け毛を減らす対策は、日頃受けているストレスを減らすことです。ストレスが蓄積されると自律神経のバランスが乱れ、睡眠の質が低下したり血流の悪化などするため、髪の毛の成長に悪影響を及ぼします。
ストレスはこまめに解消することが大切なので、体を動かすスポーツや心を癒す動画や小説などを楽しむ、日光浴や旅行をするなどもおすすめですし、家でのんびりと休むなどもストレスを軽減させます。
また、気温や紫外線、空気中に含まれる有害物質などから頭皮や髪の毛を守るために、洗い流さないトリートメントや髪の毛用のUVスプレーを使用することもおすすめです。
抜け毛を減らす対策:湯船に浸かる
3つ目の抜け毛を減らす対策として、できるだけ毎日湯船に浸かることも必要です。髪の毛は血液によって栄養や酸素を受け取り成長するため、毛細血管までしっかりと血液が届くよう血流を促進しましょう。
血流を促進するためには血液がドロドロでは意味が無いので、入浴前・入浴中やお風呂から出た後はもちろん、日頃からしっかりと水分を補給することを忘れないでください。
基本的に水分補給の際は水が適しているのですが、ノンカフェインの麦茶やジャスミン茶・ルイボスティーなどでも構いません。ただし、カフェインが入っているコーヒーや緑茶は利尿作用がありますし、スポーツドリンクや清涼飲料水は糖分過多になるので避けましょう。
抜け毛を減らす対策:頭皮を保湿する
4つ目の抜け毛を減らす対策は、乾燥しがちで敏感な頭皮を保湿することです。頭皮が乾燥してしまうと、フケやかゆみが起こりやすくなり頭皮がダメージを受け、抜け毛が増えやすくなります。
洗浄力が強い成分のシャンプーを避けることは大前提で、その上で頭皮に潤いを与える保湿ローションやオイルを使用すると良いでしょう。
ただし、エタノールや香料・着色料が多いものやシリコン(合成ポリマー)が含まれているものは、頭皮にダメージを与えたり毛穴を詰まらせることがあるので、必ず成分表示を確認して避けるようにしてください。
抜け毛を減らす対策:頭皮へのダメージを減らす
最後にご紹介する抜け毛を減らす対策は、髪の毛を作る細胞が詰まっている頭皮へのダメージを減らすことです。紫外線が強い時期は帽子や日傘などで避ける、ドライヤーを同じ場所に当て続けないことから始めましょう。
パーマやヘアカラーの頻度は最低限にし、髪の毛が汚れたまま就寝しない、髪の毛が長く結んでいる方は帰宅したらすぐほどくなども、頭皮へのダメージを減らすことに繋がります。
頭皮が受けたダメージを回復させる為には睡眠も重要なので、できるだけ頭皮が受けるダメージを減らしながら、しっかりと質の良い睡眠をとるようにしましょう。
シャンプー時の抜け毛が気になる!男性と女性の平均抜け毛本数や薄毛への危険性を解説まとめ
本記事ではシャンプー時に手につく抜け毛が増えたと不安な方に向け、男性と女性の平均抜け毛本数を始め薄毛の危険性がある抜け毛の確認方法、抜け毛を減らす対策を解説いたしました。
結論としては、平均抜け毛本数に男性・女性での差はありませんでした。また、抜け毛の原因は多岐に渡り、薄毛の危険性が高い抜け毛は髪の毛の長さや太さ・毛根に特徴があるということが分かって頂けたかと思います。
薄毛は進行性の場合が多く、放っておくとなかなか改善しないどころか、薄毛の範囲が広がってしまいます。そのため、抜け毛が気になってきた方は、早めに対策するためにも専門家に相談して自分に合った対策方法を教えてもらいましょう。
私も発毛技能士として、頭皮トラブルや薄毛で悩む方をこれまで数多く見て対応してきましたが、早めに対策した人ほど髪の毛が生えやすい傾向にあります。どのくらいで改善できるか、ひどい抜け毛が治まるかは、気軽に髪の毛や頭皮の専門家までご相談ください。