女性や男性にとって、髪の毛の色は重要です。
30代も後半になるとチラチラと白髪が数本見え始め、染めないと老けて見えてしまう…
けど最近髪のボリュームも減ってきたし…。このまま白髪染めやヘアカラーを続けても大丈夫?
こんな心配を持つ人は少なくありません。
確かに、身だしなみを整える上でも黒染めやヘアカラーは大切ですよね。
「カラーをしても薄毛の進行度合いは現状をキープしている」
そう信じて続けざる得ない人が、良く薄毛治療院を経営している私の元に来店されます。
そこで、今回は、「あなたが月1回行うヘアカラーや白髪染めが薄毛に与える影響と頭皮ケアも考慮した染料剤」をご紹介します。
【結論】ヘアカラーや白髪染めは、薄毛や抜け毛にとって黄色信号
結論からお伝えします。
毎月行うカラーや白髪染めは、薄毛や抜け毛を増やす原因になることがあります。この頻度が数か月に1度だからといっても同様です。
分かっていたけどやっぱり…。
頭では理解してはいたものの、市販や美容院で行われる白髪染めやカラー剤が薄毛に良い影響を与えることは、「ほぼない」と考えてよいでしょう。
正確に言えば、頭皮の健康状態と、今生えている髪の強さを悪くするといった事が正確な答えです。
これらには、髪を染める時に起きる化学反応が原因で引き起こされます。
自分が使っているヘアカラー剤の種類を確認しよう
ヘアカラーリング剤には主に4つのタイプがあり、それぞれ持続時間と毛髪・頭皮への負担の大きさが異なります。
- ブリーチ(脱色剤)
=毛髪の本来の色素を分解し、髪のトーンをあげる染毛方法です。永久的に発色が続きます。 - ヘアカラー(永久染毛剤)
=毛髪に脱色をかけながら、新しい色を入れます。 - ヘアマニキュア(半永久染毛剤)
=爪のマニキュアと同じく、毛髪の表面に色を塗ります。 - ヘアマスカラ(一時着色剤)
=メイク道具のマスカラのように髪に染料をぬり、洗髪でオフすることができます。
下に行くほど、薬剤の力が弱くなる傾向があり、頭皮や髪の毛に対するダメージが少ないとは言われています。
ヘアカラーや白髪染めが薄毛や抜け毛に悪影響である3つの理由
前述した通り、ヘアカラーや白髪染めは、髪の毛に化学反応を起こすことによって、色素を入れて染める方法です。
- 薬剤を使用し髪表面のキューティクルを開く
- 薬剤が内部のメラニン色素を脱色する
- 髪の毛の内部に染料を入れる
- 染料を定着させる
そのため、少なからず髪を傷めることは誰しもが知っている事実です。またこれらを使用する時は、直接頭皮に塗布して使用するため、抜け毛や薄毛の原因に繋がる可能性があります。
ヘアカラーや白髪染めが薄毛の原因となる理由として大きく3つあります。
- 白髪染めが頭皮に触れることによる強い刺激
- 白髪染めが髪の毛へ与えるダメージ
- 繰り返し染めることによる頭皮と髪の蓄積ダメージ
①白髪染めが頭皮に触れることによる強い刺激
ヘアカラーや白髪染めは、頭皮のpHよりも酸性物質であり、刺激性があります。
髪の根本まで染める場合は、どうしても頭皮に薬剤が触れてしまい、ヒリヒリと染みることがあります。まさにこれが、強い薬剤が頭皮に触れてダメージを与えている証拠です。
特に明るい色に染めるときに使用するブリーチ剤には過酸化水素(漂白剤などにも使用される)成分が含まれているため、刺激性の強い成分です。
白髪染めのラベルを見てもらうと分かると思いますが、他にもアンモニアやエタノールなど、強酸性物質が含まれています。特にアンモニアの原液は、直接嗅いではいけないほどの刺激物です。
微量だから大丈夫といった意見もありますが、これらの刺激性成分を「頭皮に付けて20分放置」していたら、頭皮や薄毛へのリスクは大きいと言えるでしょう。
人によってはアレルギー性接触皮膚炎や刺激性接触皮膚炎が発生する場合があります。この炎症が慢性化すると、皮膚炎による脱毛症を引き起こすことも…。
アレルギーについては、パッチテストによる検査で判断可能ですが、どうしても頭皮への刺激は避けることはできません。
②白髪染めが髪の毛へ与えるダメージ
前述で髪の毛が染まるメカニズムを紹介しましたが、このメカニズムに髪の毛がダメージを受ける工程があります。
- 薬剤を使用し髪表面のキューティクルを開く
まず1番始めの工程で髪に色素を入れるために、キューティクル(髪の保護剤)を開く工程でダメージを受けやすくなります。キューティクルは髪の毛を保護する重要な働きがあります。
カラーは、キューティクルを強制的に開いて色素を入れ込むため、髪の毛へのダメージは避けることはできません。
③繰り返し染めることによる頭皮と髪の蓄積ダメージ
ヘアカラーや白髪染めは、一回やって終わりではありません。人によっては数週間に1度、髪の毛を染める必要があります。
1回では、アレルギー反応が出なかったとしても、薬剤の塗布を頭皮へ繰り返し行うことでダメージが蓄積して頭皮のバリア機能が低下しやすくなります。
その結果、頭皮の痒みや赤みの原因に繋がったり、頭皮の健康状態が悪くなりがちです。特にカラーを何度も行っている人の頭皮は、下記の画像のように茶色くくすみがちです。
頭皮は青白く透き通った状態が健康な頭皮です。健康な頭皮に健康な髪は生えてくるため、髪が生えずらくなってしまうこともあります。
自分の頭皮の色が不安な人は「頭皮の色で薄毛リスク診断【黄色い・赤い頭皮は薄毛の危険信号】」をご覧ください。
薄毛や抜け毛が気になる人へおススメのヘアカラー方法を紹介
薄毛や抜け毛が気になるけど、白髪も気になるなんて女性は少なくありません。
そんな方に頭皮へのダメージを意識した上でおススメのヘアカラー剤を紹介します。
① ヘナカラー
このヘナとは、インドの医療「アーユルヴェーダ」で使用されるヘンナと呼ばれる薬草を使用して、髪の毛を染める方法です。ヘナは、100%が天然素材で出来ているため、髪や頭皮に負担をかけることなく染めることが出来ます。
(ネットや美容院でヘナを使って染める場合染めやすいように100%ヘナを使用していない場合があるので注意が必要です。)
ただし、脱色効果はないため、黒髪をヘナで染めることは出来ません。
ヘナに2%程度の酸化染料を使用した「ケミカルヘナ」もありますが、頭皮の事を考えると純度100%のヘナが良いでしょう。
ヘナには独特の若草のような香りがございます。また、色むらが出やすいなどデメリットはありますが、頭皮ケアにも効果的なため、一度使用していみてはいかがでしょうか?
ヘナカラー剤について詳しく知りたい人は、「ヘナカラーってどうなの?【育毛効果が期待されるヘナを徹底解説】」をご覧ください。
② ヘアマニキュア
ヘアマニキュアの特徴は、髪の表面に色が付く、染め方になります。そのため、キューティクルへのダメージがなく、白髪染めやヘアカラーを行うことが出来ます。
髪の内側に色素を入れ込まないため、持続期間は短くなるものの、頭皮へのダメージは少なくなるヘアカラーリング剤となります。
③ 市販のヘアカラーを使わず美容室で染める
市販のヘアカラー剤は、美容院で使用するカラー剤と比較すると、刺激が強い傾向にあります。
自分で染める場合、ヘアカラー剤の頭皮への付着具合や放置時間にムラが出やすく、頭皮を傷めやすいので抜け毛が気になる場合、なるべく避けた方が良いです。
美容院の場合、比較的頭皮に優しいカラー剤など要望に応じて使用するカラー剤を変更することも可能です。
白髪染めやヘアカラーを行った後のアフターケアまで意識しよう
白髪染めやヘアカラーを行った後のアフターケアも頭皮や抜け毛を防ぐ上で欠かせません。
- カラーリングをしたら最低2日間はできるだけ頭皮に負担をかけない
⇒頭皮をゴシゴシ洗わない - 紫外線による頭皮ダメージを減らす
⇒野外に出る際は帽子を被る - シャンプーを変える
⇒洗浄力の弱いアミノ酸系シャンプーへ変更する
カラーリングやパーマあとの敏感な頭皮に負担がかからないようなアフターケアを心がけることも大切です。
【結論】白髪染めやヘアカラーは頭皮へのダメージが少ないものを
いかがでしたか?
薄毛が気になる人が白髪染めをする場合は、なるべく頭皮や髪にダメージを与えないものを使用することが大切です。
- ダメージの少ないカラーリング剤を使用する
- 染める期間を2ヵ月以上開ける
- 染毛後のアフターケアとして保湿をする
- 根本の方は極力さけて染める
一つ一つのケアを大切にしてあげましょう。
また最近では、カラートリートメントなども流通し始めています。頭皮へのダメージを減らす一つの手ので活用してあげましょう。
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