男女を問わず、『前髪が薄い』という悩みを抱えている人は少なくないのではないでしょうか。
前髪が薄いと年齢以上に老けて見えてしまったりするため、周りが思う以上に本人の悩みは深くなりがちな傾向にあります。
しかし原因を理解した上で、適切に対策を施せば、悩みが深刻化する前に解決することも不可能ではありません。
今回は、前髪の薄毛について知っておきたい原因と対策を紹介いたします。ぜひ参考にしてくださいね!
前髪が薄い状態とは?
前髪が薄いと感じる状態には、人によって個人差があり、薄くなったと感じる基準も変わってきます。
- 鏡を見て毛量が減った
- 生え際が後退した
- 前髪の隙間から地肌が見える
など、さまざまな理由で、『前髪が薄くなってきたかも』と不安になります。
もっとも、考え方は人それぞれですが、共通しているのは、以前に比べて前髪に変化が生じているという点です。
前髪が薄くなる男性・女性共通の原因4選
では、前髪が薄くなる原因とはどんなことなのでしょうか?
原因には男女それぞれに特有のものと共通のものがありますので、ここではまず男女に共通する原因について紹介いたします。
詳しく紹介してきますので、自分にもあてはまるものがないか確認してみて下さいね。
前髪が薄くなる男性・女性共通の原因:①頭皮環境の悪化
まず、男女共通の原因として挙げられるのは、頭皮環境の悪化です。
頭皮環境の悪化の可能性がある特徴としては3つあります。
- 頭皮にかゆみが生じる
- 頭皮ニキビができやすい
- フケが出る
上記以外にも、『頭皮を触ったときにべたつきを感じる』『頭から脂っぽい匂いがする』などです
これは皮脂などの汚れが頭皮に蓄積されていき、それによって毛詰まりや雑菌の繁殖、常在菌のバランスの崩壊といった事態が引き起こされている為です。
特に、頭皮環境の悪化することで脂漏性皮膚炎という炎症をもたらす可能性があり、そのまま放置してしまったり、症状が悪化するとフケと共に髪の毛が一緒に脱毛してしまうこともあります。
頭皮環境の悪化やフケについて気になる方は以下も参考にしてください。
前髪が薄くなる男性・女性共通の原因:②生活習慣の乱れ
次にあげられるのが生活習慣の乱れです。
生活習慣の乱れは、血流の悪化や成長ホルモンの分泌不良を引き起こし、それが薄毛につながるケースが少なくないです。
特に、前髪の周辺には毛細血管が少ないこともあって、生活習慣の乱れの影響を受けやすいという点がありますので留意しておく必要があります。なお、髪の成長を促すためには、十分な睡眠をとることが不可欠です。
睡眠が不足気味になると、髪の成長が抑制されてしまい、短くて細い髪の増加につながってしまうので、薄毛が気になるようであれば睡眠時間を長めに取る・質の高い睡眠を意識することをお勧めします。
前髪が薄くなる男性・女性共通の原因:③過剰なストレス
三つ目に挙げられるのが、過剰なストレスです。
人は必要以上にストレスに晒されると、自衛本能が働いて交感神経が活発に働くようになることをご存知でしょうか?その状態が継続してしまうと、血管が収縮したままになり、前髪の周辺の血流の悪化を招く恐れがあります。
血流の乱れは薄毛をもたらすため、ストレスは前髪の大敵であると言っても過言ではないでしょう。
ストレスが毛髪にどのような影響を与えるのかこちらの記事で詳しくご紹介しておりますので、日頃のストレスが気になる方は是非参考にしてみてくださいね。
前髪が薄くなる男性・女性共通の原因:④栄養不足
さらに、四つ目の原因として挙げられるのが、栄養不足です。
髪の成長にはタンパク質をはじめとする栄養が欠かせないので、その不足は前髪の薄毛にも直結することになります。
タンパク質だけでなく、それをエネルギーに変換するための栄養素も必要になってくるので、前髪をふさふさの状態で保ちたいのであれば、バランスの良い食生活が求められるでしょう。
髪の毛成長を促すバランスの良い栄養素については下記記事に詳しく記載していますので是非普段の食事の参考にしてみて下さいね。
【前髪が薄くなる原因】男性・女性で異なる原因
前髪が薄くなる原因として、男女共に同じ原因を紹介しましたが、男性・女性別々の原因もあります。
そこで下記では男女別の前髪が薄くなる原因について解説していきます。
前髪が薄くなる原因【男性】
前髪が薄くなる男性ならではの原因として挙げられるのは、AGAです。
これは、前頭部や頭頂部、生え際の一部や複数において薄毛が進行するという症状で、日本語では男性型脱毛症と呼ばれています。
AGAは、ジヒドロテストステロン(DHT)という悪玉の男性ホルモンよって引き起こされると考えられているので、ジヒドロテストステロン(DHT)が薄毛の直接の原因とも言えるでしょう。
なお、AGAが進行するスピードは人によって大きく異なっており、早いと20代で発症するケースもあります。
一度発症してしまうと自然にはなかなか回復せず、早期の治療が重要になってきますので少しでも心当たりがある方は早めの診察をお勧めします。
前髪が薄くなる原因【女性】
一方、女性の薄毛はFAGA(女性男性型脱毛症)と呼ばれることもあるが、その原因としては、ホルモンバランスの変化を挙げることができます。
女性ホルモンに含まれるエストロゲンホルモンには髪の成長を促す働きがあります。女性ホルモンは20代から30代前半にピークに達し、徐々に減少していきます。
そのため、加齢や生活習慣の乱れは女性ホルモンの分泌不良につながり、それによって相対的に体内において男性ホルモンが優位になると髪の成長が抑えられて薄毛になってしまうおそれがあります。
ストレスも原因になる
過度なストレスを受けると、ストレスホルモンが分泌されるのと引き換えに女性ホルモンの分泌が抑制されるというケースも起こり得ることや、女性特有のライフイベントである出産もホルモンバランスの乱れを引き起こしかねない事象です。
もっとも、出産によって一時的に抜け毛が多くなる場合は少なくないものの、大抵はしばらくするとホルモンバランスが正常に戻り、それに伴って症状も治まってくることが一般的である。
出産後の薄毛については長期間にわたって改善が見られないという場合を除いては、過度に心配する必要はありませんので心配しすぎないようにしましょう。
【前髪が薄くなった時の対策】男性・女性共通の対策6選
さて、前髪が薄くなる原因が分かりましたが、その対処法についてご説明させていただきます。
ご自身が当てはまる部分を生活に取り入れてみて下さいね。
①ヘアケアの見直し
まず、もっとも手軽にできるものの一つはヘアケアの方法を見直すというものです。
例えば、頭皮環境の悪化を防ぐためには、夜寝る前にしっかりと頭を洗うということが重要になります。
その際に使用するシャンプーは、なるべく頭皮への刺激が少ないベタイン系やアミノ酸系のものを選ぶのがおすすめです。
また、素材以外にも洗髪の仕方にも重要です。
気持ちがいいからといって、爪を立てて頭皮を擦るように洗う人がいますが、その方法だと徒に毛根を傷つけて薄毛を促進しかねません。そうならないようにするためには、シャンプーを手のひらで泡立てた上で、指の腹でマッサージするように優しく頭皮を洗うという方法が効果的です。
また、頭皮にシャンプーが残っていると、それも薄毛の原因となりかねませんので、洗髪後はすすぎ残しの内容十分に洗い落とすように気をつけてくださいね。
目安としては、シャンプーに要した時間の3倍程度をかけて洗い流すようにするのがおすすめです。
②生活習慣の改善(運動)
生活習慣を改善するというのも、薄毛の対策として効果が期待できる方法の一つです。
具体的にとり得る方法はいくつかありますが、その中でも1番簡単なのは定期的に運動をする習慣を作ることです。
運動によって身体の代謝を良くすることで血行が促進され、髪に十分な栄養を行き渡らせることができるようになります。
ですが、そのためにはハードな運動は必要ではなく、1日に20分程度軽く体を動かすくらいでも十分効果があります。また、運動と並んで睡眠時間の見直しも生活を改善する上では重要になってきますので次の項目も意識しましょう。
③生活習慣の改善(睡眠)
日々の生活に追われているとどうしても睡眠時間は短くなりがちですが、薄毛を何とかしたいのであれば少なくとも毎日6時間、理想を言えば7時間以上は眠るようにすべきでしょう。
加えて、時間の長さだけでなく睡眠の質を向上させるために、夕食はベッドに入る2時間から3時間前には済ませるようにしましょう。
神経が刺激されて眠りが浅くなってしまうので、寝る寸前まで物を食べていたり、寝る前にスマートフォンやタブレット端末などを操作するのもなるべく控えるように心がけてくださいね。
④生活習慣の改善(食事)
他には栄養バランスの改善も薄毛対策に向けては重要となります。
タンパク質はもちろんですが、それに加えて髪の毛を合成するのに必要なビタミンBや亜鉛なども積極的に摂取するようにしましょう。
すぐには目に見える効果は現れないかもしれませんが、続けていくうちに気がつけば前髪がボリュームアップしていることでしょう。
なお、栄養バランスの改善は食生活の見直しによって行うのが理想ですが、それが難しい場合には、サプリを用いて不足しがちな栄養を補うというのも一案です。
特に、ケラチンという髪の主成分となる物質の生成を促す亜鉛は、食事で規定量摂取出来ない場合が多いのでサプリに頼ってでも積極的に取ることをお勧めします。
同じくケラチンの生成をサポートするとリジンという栄養素をサプリで摂取するというのもおすすめです。
⑤ストレスの解消
ストレス解消に向けて自分なりのリフレッシュ方法を実践するというのも、薄毛対策として有効です。
例えば、リラクゼーションやマッサージを受けたり、自分が好きな趣味に没頭するというのもいいですね。
頭皮関連でリラックスすると言えばヘッドスパなどもお勧めです。
毛穴の汚れを落とすだけでなくホットタオル等で頭部を温めることでリラックス効果が生まれ、マッサージなどで血流にもアプローチをかけることが出来ます。
気分をリラックスさせると、副交感神経が活性化し、それによって血行が改善されて発毛を促すことにつながります。
自分でも思ってもみなかったような体験が気分転換につながる場合もあるので、趣味がないという人は試しに色々と試してみるのもよいかもしれませんね。
⑥髪型や分け目を変える
さらに、髪形を変えてみるというのも薄毛の改善につながる可能性がある方法の一つです。
髪形を変えるだけでなぜ効果が期待できるのか分からないという人もいるかもしれませんが、長期間にわたって同じ髪型にしていると髪や頭皮の同じ箇所に負荷がかかり続け、それによって薄毛が引き起こされる可能性があるのです。
そういった状態を解消するために、例えば、髪の分け目を一日ごとに変えてみるという方法や、ヘアゴムをきつく締めすぎるのも髪へのダメージにつながるため、毎日留める箇所を変えたり、夜間は外すようにしたりするのも細かいケアですがお勧めです。
ヘアアイロンの使用は注意が必要!
女性がよく使うヘアアイロンは髪や頭皮に大きなダメージを与えかねないので、できれば毎日使うのは避けた方が良いでしょう。とはいえ、使用を控えてかえって薄毛の原因であるストレスになってしまっては元も子もないので、数日に一日程度の頻度で使わない日を設けるくらいで十分です。
前髪が薄くなったときの男性・女性別の対策
男女共通の対策法をご紹介しましたが、男女別の原因もあるように原因に対するアプローチも変わりますので合わせてご活用下さいね。
男性の対策
前髪の薄毛の原因が男性特有のAGAであるという場合には、セルフケアだけでは改善は見込めないので、専用の治療を受けるようにしなければなりません。
AGAの治療(例)
治療の第一段階では、髪の成長期間を正常に戻すために男性ホルモンの分泌を抑えることから始め、次に人工太陽光やマッサージによって血行を促進して髪に栄養素を行きわたらせることがポイントになります。
それに加えて、毛穴の汚れが詰まっている場合高水圧マイクロジェット噴流などを用いて毛穴に溜まった老廃物などを除去することも重要になるでしょう。
せっかく育毛剤を使っても、肝心の毛根が詰まってしまっていては、その効果低くなってしまう恐れがあるからです。
生活習慣の見直し
また、食生活や睡眠時間の見直しも必要になってくるので、自分で何から始めたらいいかわからなくなる場合、改善に向けて専門家のアドバイスを仰ぐというのもお勧めします。
場合によっては、遺伝によってAGAが引き起こされているケースもあるので、そういったときは専門家に直接頭皮の確認をしてもらうようにしましょう。
遺伝が原因になることも?
遺伝によって5-αリダクターゼという酵素が多く分泌され、それが薄毛につながっているというケースは少なくないので、そういった場合には、その分泌を抑える製品や施術を活用することによって、症状の改善が見込めるでしょう。
女性の対策
一方、女性の薄毛の原因であるFAGAについても、男性のAGAの場合と基本的な治療の流れは同様です。
ただし、男性と女性とでは、分泌されるホルモンに含まれる物質やその割合が異なるため、その点をしっかりと理解している専門家による治療を受けることが重要となります。
また、女性の場合ホルモン以外の様々な要因で薄毛に繋がってしまう為、単にFAGA用の治療薬を摂取しているだけでは、劇的な改善は見込めない場合が多いです、そのため原因を探す工程が必要ですので前述した様々な治療方法を組み合わせた施術を受けるようにすることをお勧めします。
女性の薄毛についても記載しておりますので合わせてご参考にしてくださいね。
セルフケアに頼らず専門家に相談することも大事
前髪が薄くなってきたなと感じた場合には、生活習慣や睡眠時間、食生活の見直しといったセルフケアによって改善できるケースは少なくはありません。
その一方で、それだけでは症状が良くならないばかりか、場合によっては悪化させてしまうおそれもあるため、自分なりにセルフケアをしてみても効果が見られないという場合には、必要以上にそれにこだわり続けず次の段階へステップアップをしましょう。
前髪の薄毛を根本から解決するためには、専門家のアドバイスに基づく専門的な治療が欠かせないので、自分で何とかしようとせずに早い段階から相談するのがおすすめです。
検査してもらって早期のに原因が特定できれば、効果的な治療が受けられるようになるので、それによって長期間にわたって薄毛に悩まされるという事態も回避することができ心身ともに負担の軽減が出来るでしょう。
まとめ
前髪の薄毛の原因は様々であり、効果的な対策も原因ごとに異なっている。そのため、悪化する前に症状を改善させるためには、ここで紹介した原因や対策をしっかりと頭に入れておくことが重要となります。
もっとも、セルフケアだけでは必ずしも改善されないケースも多いので、自分だけではどうにもならないという場合には早めに1度専門家に相談しましょう。