AGA(男性型脱毛症)のメカニズムとは?【原因と治療法について】

電車の広告やテレビCMなどで、誰もが知っている「男性型脱毛症(AGA)」。しかし、どのような症状がAGAであるかご存知ですか?

特に、AGAは進行型で早期対策が大切などの情報はよく耳にしますが、具体的に男性型の脱毛症が発症する原因やメカニズムそして対策について知らない人は少なくありません。

そこで今回は、AGA(男性型脱毛症)について原因から対策まで全て解説します。

AGAの内服薬について詳しく知りたい人は下記の記事にまとめております。

目次

AGA(男性型脱毛症)とは?

男性型脱毛症(AGA)とは、Androgenetic Alopecia の略です。英語を直訳するとAndro=男性、genetic=遺伝性、Alopecia=脱毛症です。この頭文字をそれぞれ取ってきて、「AGA」と呼ばれています。

英訳のみすると、【男の人が遺伝子の影響で髪の毛が脱毛してしまう】といった病名です。しかし、現在では、男性ホルモンが関与する脱毛症全般をAGAと総称して呼ばれることも多いです。

 

また、AGAの特徴の一つとして、ハゲ始める場所が決まっています。生え際から薄くなる、頭頂部から薄くなるなど、その場所のみ髪が少なくなるタイプの薄毛です。

 

女性の抜け毛や髪の悩みのように、ぼんやりと薄くなるのはびまん性脱毛症(FAGA)と呼びます。

 男性型脱毛症とは,毛周期を繰り返す過程で成長期が短くなり,休止期にとどまる毛包が多くなることを病態の基盤とし,臨床的には前頭部や頭頂部の頭髪が,軟毛化して細く短くなり,最終的には頭髪が皮表に現れなくなる現象である。

引用:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版

AGA(男性型脱毛症)の原因は遺伝によるもの?

よく「薄毛は遺伝する」なんて話を耳にしたことがあるのではないでしょうか。実際に、この噂の通りで、AGA(男性型脱毛症)の発症確率は遺伝します。

 

具体的には、「母親型のおじいさん」が薄毛の場合、この遺伝的要因は色濃く出ると考えられています。なぜなら、中学校や高校で習う遺伝の法則(優勢・劣勢の法則)が関係しているからです。

優勢・劣勢の法則とは?(一例をご紹介)

例)

  • 黒髪の人と金髪の髪の人が結婚すると、「黒髪の子供が生まれやすい」
  • 二重の人と一重の人が結婚すると「二重になりやすい」

など遺伝子の優劣があることがメンデルの法則です。
今回の場合は、AGA(薄毛のなりやすさ)は「金髪・一重」などの劣勢遺伝子に部類されます。

 

薄毛遺伝子にも当てはまるのです。薄毛遺伝子は劣勢型遺伝子のため、保持していても薄毛にならない場合と、ハゲてしまう場合の2通り存在します。

実際に下部の画像に図解でまとめております。

【ケース】母親型のおじさんが薄毛だった場合…

母親型のおじさんが薄毛だった場合、高確率でAGAを進行させる遺伝子をおじさんから遺伝しています。しかし、女性の場合は薄毛にはならず、AGA遺伝子の保有者となります。

 

そしてこの隠れたAGA(薄毛)遺伝子は子供に引き継がれます。考えられる遺伝パターンは4つ。母親から半分・父親から半分受け継ぐことを想定しています。

 

その結果、「息子2」のパターンが生まれた場合、お母さんが持つ赤色の遺伝子を受け継いだ息子がAGAになりやすいと考えられています。

※)この遺伝子というのは、「男性ホルモンを受信しやすさが高い」といった遺伝子であるため、薄毛になりやすいというだけで、絶対にAGAになるということではありません。

 

そのため、遺伝する確率は25%程度と考えられています。最近では血液を採取することによって薄毛になりやすいかどうかも検査することもできます。気になる人は行ってみてはいかがでしょうか?

 

AGA(男性型脱毛症)と遺伝のまとめ
  1. 母親型のおじいちゃんが薄毛の場合、遺伝する可能性がある
  2. 遺伝する確率は25%
  3. 男性ホルモンの感受性の高さを遺伝するだけで、必ずしもAGAになるとは限らない

 

男性型脱毛症(AGA)には3つのタイプがある
【O型・OM型・M型脱毛症】

男性型脱毛症(AGA)には大きく3種類の進行の仕方があります。

 

理由として考えられるのは、男性ホルモンと反応して薄毛の原因物質を作り出す酵素(2型5α-リダクターゼ)が前頭部と頭頂部に多く局在しているためです。

 

5α-リダクターゼは、通常の男性ホルモン(テストステロン)より20倍ほど強いといわれるAGAの原因ホルモンDHT(ジヒドロテストステロン)を生成することで薄毛が進行します。上記の画像のように薄毛の進行パターンは3つです。

  1. O型脱毛症
  2. M型脱毛症
  3. OM型脱毛症

そのため、人によって薄くなり始める部位は異なります。とはいえAGAは頭頂部か前頭部から髪のボリュームが少なくなるもの。後頭部や側頭部が薄くなったと感じる場合は、AGA以外の脱毛症の可能性があります。

AGA(男性型脱毛症)が進行する原因とは?

AGAが進行する直接的な原因は、ジヒドロテストステロンによる抜け毛と、血行不良による成長不足によるものです。とはいえ、下の画像のように、このジヒドロテストステロンが増加する原因には、生活習慣も大きく関与しています。

AGAの原因(メカニズム)

男性ホルモンであるテストステロンは、過度なストレスや睡眠不足、加齢によって増減します。このテストステロンが還元酵素である「5α-リダクターゼ」と結合することで、AGAの原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)が生成されます。

 

このジヒドロテストステロンは、テストステロンより強力な力を持つホルモンです。そのため、加齢によって男性ホルモンが低下することでも増加します。

 

このジヒドロテストステロンの排出が上手く出来ないと、毛根部分に存在する毛乳頭細胞と結合して、髪の毛の成長を妨げます。その結果、成長途中の髪の毛が抜けてしまいAGA(男性型脱毛症)が進行するのです。

 

【図解】AGA(男性型脱毛症)が進行するメカニズムとは?

 

こちらが、髪の毛の内部の模擬的な構造です。

髪の毛は、毛根部分が毛細血管とつながっており、栄養の供給と老廃物の排出をしています。今回着目するのは、「5αリダクターゼ」と「男性ホルモン(テストステロン)」です。この5αリダクターゼは男性ホルモンを変化させる酵素であり、AGAに非常に関係しています。

この5αリダクターゼと男性ホルモンが結合することで、男性ホルモンが還元され別のホルモンの形に変わります。この変化した先のホルモンが問題であり、AGAの原因物質とも呼ばれています。それはジヒドロテストステロンです。

このジヒドロテストステロンは、胎児のときに男の子か女の子か決める大事なホルモンです。しかし、成人になると働きとしては目立つものがなくなるため、よく悪玉男性ホルモンと言われています。このジヒドロテストステロン(DHT)とは、男性ホルモンの20倍の力があるといわれています。

DHTが毛乳頭に攻撃(結合)することで、髪の毛にとって様々な良くないことを引き起こします。

この図のように、髪の毛が成長するのを抑制してしまう因子を放出することで、髪の毛の成長を止めてしまうのです。
その結果、「もう髪の毛がいらない」と体が認識してしまい、スポッと髪の毛が抜けてしまいます・・・。

これが、遺伝性の抜けるメカニズムです。これで終わりだといいのですが、次に生えてくる髪の毛に対しても同じように作用してしまうのです。

髪の毛が成長し始める最中に、この悪玉男性ホルモンが攻撃してしまい、短くて、細い毛の状態で抜けてしまうのです。

 

通常の髪の毛は男性で3~5年、女性では4~6年髪の毛が成長し続けるといわれていますが、AGAの人は、数か月~1年で成長が止まってしまい抜けてしまうとも言われています。排水溝や床に落ちている抜け毛が、いつも見えている髪の毛より短い・細いと感じたときはAGAの可能性があります。

 

AGA(男性型脱毛症)への対策法は?

AGAを予防・治療する方法としては、主に4つのアプローチ方法があります。

  1. 頭皮環境を改善する
  2. 5α-リダクターゼを抑制する
  3. テストステロンを正常値に抑制する
  4. 毛細血管を拡張する

頭皮環境を改善する

まずは、頭皮環境を整えることです。

健やかな髪の毛が育つためには、豊かな土壌(頭皮)が必要です。いくら種(内服薬)を使ったとしても、干からびた大地には元気な植物(髪の毛)は育ちません。

 

特に頭皮に痒みがある・赤みがある場合は、AGAの進行だけでなく、脂漏性皮膚炎などによる合併症を引き起こします。頭皮状の皮脂量や常在菌の量をしっかりモニタリング・施術することで調整することが大切となります。

5α-リダクターゼを抑制する

原因物質を作る原因である、5αリダクターゼを抑制することで、根本的にDHTを産出させない方法です。AGAクリニックや皮膚科で処方される「フィナステリド」といった内服薬がこの働きをします。

 

効果としては、臨床研究で明らかとなっており、AGA治療に有効な手段として用いられています。しかし、医薬品であるため、副作用(肝臓の機能障害や精力減退・ED)も存在します。

 

フィナステリドは女性・子供を作ることを考えている旦那には絶対に禁忌な薬です。男性ホルモンを調整する薬であることから、生まれてくる胎児の性器形成が上手くいかなくなってしまう恐れがあるからです。そのため、フィナステリドを使用した薄毛治療を希望される人は、医師や専門家の判断のもと使用しましょう。

 

テストステロンの抑制を正常値に抑制する

このテストステロンの抑制は、薬などによって抑制することは出来ません。むしろ強制的に抑制することで様々な弊害が引き起こります。テストステロンは男性らしい体を作るために絶対に必要なもので、強制的に抑制してしまうと、更年期のようなほてりや、女性化が進む恐れがあります。

 

テストステロンは抑制ではなく、過剰に出てしまうことを抑えてあげ、正常値に戻すことが大切です。テストステロンを正常値に戻すには、食生活を見直す必要があります。

バランスの取れた食事を取ることが最も好ましいため、次のような食材を使った料理を作ることを意識してください。

 

まごわやさしい

  • ま:豆類、大豆など
  • ご:ゴマ、ナッツ類
  • わ:わかめ、昆布など
  • や:野菜、根菜
  • さ:魚、特に青魚がベスト
  • し:しいたけ、しめじなどのキノコ類
  • い:いも、じゃがいもなど

 

これらをバランスよく食べることで、テストステロンが過剰に出すぎるのを抑え緩やかに正常値に戻すことができます。

 

4.毛細血管を拡張する

毛細血管を拡張させる方法は2つ存在します。1つ目は、「ミノキシジルを使用した方法」2つ目は「運動など私生活を改善する方法」です。

ミノキシジルを使用した方法

ミノキシジルは、血管拡張作用がある成分であり、元々高血圧症のお薬として開発されました。現在、AGAの治療で使用されるのは、塗るタイプと飲むタイプの2つです。

 

飲むタイプのミノキシジルの方が発毛しやすいと言われていますが、副作用の中に重篤な副作用がある関係で日本のみならずアメリカなど海外でも薄毛治療の薬としては認可されていません。

 

塗るタイプは、リアップなどミノキ5などドラックストアで購入することが出来ます。AGAの場合は、5%成分を配合されたものを使用する場合が多いです。進行度合いによっては、16%まで個人輸入では購入することが出来ます。
(個人輸入の場合は自己責任となります。)

 

生活習慣を改善する方法

ミノキシジルのように即効性や強い効果は期待できませんが、生活習慣を改善することで血行を促すことが可能です。頭皮の血流を促すためには次のようなことが対策としてあげられます。

  1. 規則正しい睡眠
  2. 定期的な運動
  3. 脂っこい食事を控える
  4. EPA・DHAなどお魚の脂を取る
  5. 頭皮マッサージ

 

1~4番は、体全体の血液の流れをよくする方法あり、5番は頭皮の血流を促す事が出来る方法です。どちらもAGAの原因である血流不足を予防する上で良い働きをします。

とはいえ、生活習慣による血流改善は、即効性はありません。そのため、毎日の積み重ねが大切となります。継続することで毛細血管の質が向上して細部まで血液を送ることが出来るようになるのです。

 

AGA(男性型脱毛症)が進行する原因は生活環境による

AGAについてこれまで詳しくお伝えしてきましたが、AGAの進行する原因は同じでも、その原因物質(DHT)を増加させる要因は人によってことなります。

AGAの原因(メカニズム)

ある人では職場環境による影響、ある人では運動不足による影響、そして食生活の乱れによるものなど多岐にわたります。AGA治療薬に頼り、ジヒドロテストステロンの生成を医薬品で抑えることも出来ますが、根本解決には繋がりません。

 

まずは、意識的に今の生活環境を見直してAGAを進行させる要因はないか確認してみましょう。薄毛を改善するには積み重ねです。日々の生活習慣やAGAの進行初期からの育毛対策などをしっかりと行うことで、髪や頭皮を健康に保つことが出来ます。

AGAは専門家に相談して体質に合う治療法を

AGAの原因を特定する・改善することは、セルフケアのみでは至難の業です。また、正しいと思って行っていたAGA対策が、実は間違っていた場合、薄毛の進行を早めてしまう可能性があります。

 

まずは、薄毛の専門家に相談して、自分の生活環境におけるAGAの原因を相談しましょう。AGAの診断では、頭皮状態・生活習慣・薄毛歴・服用している薬など多方面から全て確認する必要があります。

 

時間をかけて髪の悩みに向き合ってくれる場所は必ずあります。
AGAに悩んだら早めの対策を。

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